牛乳と加工乳の違い

「牛乳」とshuz妻の嫌いな「加工乳」、どこがどう違うのでしょうか?

◆牛乳
生乳だけから作られ、他のものを混ぜてはいけなません。 乳脂肪分3%以上、 乳脂肪を除いた固形分8%以上との規定があります。

◆加工乳
生乳を主な原料(70%以上)として、 それに、クリームなどの乳製品が加えられたものをいいます。 牛乳以上の固形分が含まれているときには、商品名に「牛乳」という文字を使ってもいいことになっています。 (濃厚牛乳、など) ワインマニアにはおなじみの、逆浸透圧法によって牛乳の成分をたかめた加工乳も市販されているそうです。

◆乳飲料
コーヒー牛乳、フルーツ牛乳などのように、牛乳や脱脂乳などが入った飲み物のことをいいます。 フルーツ牛乳、最近すっかりみかけなくなってしまいましたが、私は小さいころ好物でした。

牛乳のさまざまな表示について
◆成分無調整牛乳
処理工程で脂肪の標準化(生乳から乳脂肪分の一部をのぞいて脂肪含有率を一定に調整すること)をおこなっていないものです。

原産地表示の牛乳
原産地が表示されている牛乳は、その地域で搾乳した生乳を100%使用しなければなりません。ワインの法律みたいですね。

3.5牛乳
商品名に「3.5」などの数値を表示した牛乳をよく見かけますが、これは
牛乳中の脂肪含有率が3.5%以上であることを示しています。

ジャージー牛乳
ニュージャージー州の牛乳のことではありません。(shuz妻はそう思ってました。)
ジャージー牛乳は、ジャージー種の生乳を80%以上使用したもので、脂肪分は約5%とホルスタイン種の牛乳に比べて高脂肪です。 乳牛の品種を表示する場合は、その生乳を80%以上使用することが義務付けられます。

特濃牛乳、特選牛乳
無脂乳固形分8.5%以上、乳脂肪分3.8%以上の牛乳には、成分や品質を強調する『特濃』、『濃厚』、『特選』、『優良』などの言葉を表示することができます。

常温で保存できる牛乳。

牛乳類は10℃以下で保存することが義務づけられていすますが、1986年の厚生省令の改正により、常温流通できる牛乳(ロングライフミルク、LL牛乳)が誕生しました。

これは、 135〜150℃で1〜4秒の超高温加熱処理をおこない、あらかじめ滅菌処理した容器に無菌的に充填したもので、常温で60日の品質保持期限を有します。

ということだそうです。
ワインにも、「常温保存可能パック」なんてできるといいんですけど。

牛乳容器の変遷

牛乳の容器といえば、懐かしいのが、紙のキャップの広口びんと、三角錐状の「テトラパック」。今ではどちらも少なくなってしまいました。

_紙キャップの広口瓶は、_昭和9年の警視庁令で牛乳容器の密封に王冠または紙製のキャップを使用する事が定められたことによって急速に普及したそうです。このビンにはそれまでの細口の瓶に比べて、隅々まで洗浄しやすく衛生的な牛乳を提供できるようになったという大きなメリットがありました。
1960年代から70年代前半にかけて隆盛を誇りましたが、紙パックの技術革新やコストダウンにより、徐々にその地位を奪われることになりました。 ちょっと古いデータですが、1992年のわが国の牛乳容器の比率は、紙容器85%に対して、ビンは12%にとどまっています。

テトラパック
の包装技術はスウェーデンで開発されたものです。ロール紙から簡単に作ることができ、コストも低くすむことが大きな特徴で、日本でも、東京オリンピックや学校給食への導入により、1970年代に急速に普及しました。 しかし、79年をピークに、80年代には直方体が三角すいを上回るようになりました。これは三角錐という独特の形状が輸送や陳列に困難を伴ったことが大きな原因です。いまでは給食用など一部で出回っているだけです。

消費期限と品質保持期限
期限表示には、『消費期限』と『品質保持期限』(賞味期限ともいう)の2種類があります。

消費期限
「定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の劣化に伴う衛生上の危害が発生するおそれがないと認めた期限を示す日」のことです。弁当、パン、豆腐などの日もちのしない食品につけられます。
牛乳の中で、低温殺菌牛乳のほとんどは、『消費期限』となっています。今度低温殺菌牛乳を買ったら、箱をチェックしてみましょう!

品質保持期限(賞味期限)

「品質の保持が可能であると認められる期限を示す日」、すなわち 食品の品質が十分に保たれる期限です。品質とおいしさの目安なので、その日を1日過ぎたら飲めなくなるということではありません。

牛乳の場合、殺菌温度からみて低温殺菌牛乳は消費期限が製造後5日程度、普通牛乳は品質保持期限が製造後8日程度を目安として現在流通されているそうです。 __
しかし細菌の経時変化からみて10℃以下の冷蔵保存すれば、これ以上品質保証できる安全性は確保されているそうです。
ちなみに開封後は、なるべく早く(2日以内)飲みきるようにしましょう。
殺菌方法について
1:低温保持殺菌法 
62〜65度で30分間殺菌。味にやや濃厚感があるのが特徴といわれますが、日持ちがしないという弱点もあります。
2:高温短時間殺菌法 
72〜75度で15秒間。欧米では一般的なものだそうです。熱による牛乳の変化が少ないとか。     
3:超高温短時間殺菌法
120〜130度で2秒間。保存性がよいのが特徴です。

超高温殺菌法では100度を超えるため、品質が変わるのではない かと心配もありますが、2秒間と短いため、 ほとんど影響はないようです。 平成6年のデータでは、超高温殺菌が92%に対して、 低温殺菌はわずか2.6%に過ぎませんでしたが、最近は、低温殺菌牛乳が静かなブームになっているようで、大手スーパーなどでは、何種類か見かけるようになりました。
日本人は、超高温殺菌牛乳の味を飲み慣れているため、これをいちばん自然に感じるようですが、低温殺菌牛乳のほうがコクがあっておいしいと言う人もいるようです。 この違いについては、「テイスティング」で今後も飲み比べていきます。
乳製品あれこれ
◆チーズ
牛乳にレンニン酵素(羊や子牛の胃からとった酵素)をいれて、温かいところに置いておくと、 牛乳の中のたん白質、脂肪、カルシウムなどが、豆腐のように固まります。 これがチーズの起源です。

◆ バター
しぼったままの牛乳を置いておくと、上にとろりとしたクリーム状の乳脂肪のそうができます。これが生クリームで、バターはこの生クリームからつくります。 紀元前3世紀の古代バべロニアで、すでにバターらしきものをつくっていたという記録があり、古代ローマや古代インドでも、バターがつくられていたそうです。

◆ マーガリン
イポリート・メージュ・ムリェというフランスの化学者が1869年、牛の脂肪(油身)に牛乳を混ぜてかためて、当時不足していたバターによく似た食べ物「人造バター」を発明しました。これがマーガリンのはじまりです。今は、牛の脂肪ではなく、植物の油(大豆やコーン油)を原料として、脂肪分を固めてつくられています。 ちなみにマーガリンの脂肪酸は、コレステロールの心配のないリノール酸です。
牛乳を飲むと腹がゴロゴロ?
牛乳を飲むと、おなかの調子を崩す人がいますね。実は私も牛乳をたくさん飲むと腹がゴロゴロしてきます。
この傾向のひどい人は、「牛乳不耐症」といって、 赤ん坊のときには誰もが持っている"ラクターゼ" という乳糖を分解、吸収する酵素が、大人になるにつれて 少なくなることによっておこる症状の場合が多いそうです。

これを治すには、やはり、少しづつ飲んで慣れていくしかないようです。少量ずつ口に含んでから飲むようにし、3〜6ヵ月かけて少しずつ量を増やしていけば、飲めるようになるとのことです。また、「乳糖加水分解乳」という、専用の牛乳もあります。

牛乳風呂の作り方
クレオパトラが入浴していたことでも知られる牛乳風呂。
美肌・冷え症・肩こり・イライラ・不眠・多汗症などに効果があるそうです。作り方は、塩と重曹を混ぜた水をお湯に加え、 牛乳にはちみつを溶かしたものを 少しずつ混ぜていきます。
38〜40度の温度で20〜30分、つるつるお肌を目指してのんびりと入浴しましょう。
においが気になる人はシャワーで洗い流してもかまいません。
ひとつ、注意。
牛乳風呂は1日1回限りで捨てるようにしましょう。  
浴槽にためたままにすると、臭くなって大変だそうです。(^^;