AKIRAさんの2002年度受験レポート

今年ワインエキスパートに合格された、AKIRAさんによる受験レポートです。

【受験のきっかけ】
「なんとなく受けてみようかな・・・」そう思い始めたのは、ゴールデンウィーク過
ぎでした。
今から思えば何がきっかけか思い出せないぐらい、最初は軽く、漠然とした気持ちで した。
なんとなく本屋さんでソムリエ・ワインエキスパートの本を立ち読みしたりしている
うちに、 少しずつそんな気持ちが膨らみ始め、思い切って問題集と参考書を購入したのが5月 下旬でした。
「よし、頑張るぞ!」という前向きな気持ちの反面、「本当にできるのかな・・・」
と不安な部分も抱えながらのスタートでした。
「どんな内容が出題されるのか」、「受験に向けてどれぐらいの準備が必要なの
か」、「残された時間で効率よくマスターするにはどうしたらいいのか」、など、まずインターネットやワイン関係の雑誌等で情報を集め、いよいよ机に向かい始めたのは6月に入ってから・・・残り3ヶ月間、全くワインについての基礎知識、
「CH.LATOUR」と聞いても、「何それ?」というレベルからのスタートでした。ワイ
ンエキスパートを受験される人には多いと思われますが、私も会社員、なかなかまとまった時間をとることが出来ない忙しい環境での受験勉強となりました。
これから受験されるみなさまは、もっと早い段階から着実に準備されることをお勧めしますが、「3ヵ月」という
短期間でなんとか合格できた一例として、私自身の勉強法をご紹介致します。

【私の勉強法】

@教材について
教材は、参考書「ソムリエ試験実戦対策講座 ソムリエ/ワインアドバイザー/ワインエキスパート」と問題集「 ソムリエ試験実戦対策問題集 ソムリエ/ワインアドバイザー/ワインエキスパート」を使いました。
共に、時事通信社発行です。僕の場合、残された時間が3ヵ月と短期間であったため、最初からこの2冊を完璧にマスターすることに主眼をおきました。講習会用に分厚いテキストが送られてきますが、私の場合、講習会以外ではほとんど開きませんでした。

A勉強の範囲
勉強の範囲は最初から、一次試験だけに絞り込みました。二次試験は合格率がそこそこ高いこと、 内容が1次試験の延長線上であること、テイスティングも過去の出題傾向から、ある程度予想可能であること、などの理由から、一次試験が終ってからでも充分対応できそうだと考えました。(この選択は結果的には正解であったと思います。)

Bスケジュール(1次試験まで)
一次試験が開催される9月初旬までの3ヶ月間を「講習会が開催される8月初旬までの約2ヶ月間」と 「講習会から試験までの1ヵ月間」に大きく2分割しました。
[6月〜8月初旬の講習会まで(2ヶ月間)]
フランス、ドイツ、イタリアのみに絞りました。過去問の傾向からも、この3カ国が
出来れば、かなりの得点が稼げるはずだったので、まずこの3ケ国に限定して、それ以外の国や、公衆衛生、ワイン概論、等は後回しにしました。
[講習会〜一次試験まで(ラスト1ヶ月間)]
やはりメインとなるフランス、ドイツ、イタリアを何度も復習するとともに、その他
諸国、および公衆衛生、 ワイン概論、ワイン管理等は講習会で講師が説明を加えた部分を集中的に勉強しました。今年の講習会ではあまり見え見えの出題される部分のリークはなかったように思いますが、 結果的に、講師が全く触れなかった部分はほとんど出題されていなかったように思います。

C勉強方法
《ポイント1》過去問、練習問題をすべて再編成!
「ソムリエ試験実戦対策問題集 ソムリエ/ワインアドバイザー/ワインエキス
パート」(時事通信社) を全ページコピーして、掲載されている問題を全て、公衆衛生、 ワイン概論、フランス、イタリア、ドイツ・・・・の順に組み直しました。過去問な どはH13年、H12年・・・と年度ごとになっていたりするので、全ての問題をスクラップしてフランスはフランスだけでまとめる作業 (まる1日かかりました)は手間ではありますが、結果的にはすごく効率がよかったと思います。

《ポイント2》 最初から暗記はせず、まずは慣らし運転から!
いろいろな勉強の仕方はありますが、僕の場合は、下の(1)〜(3)のような方法を繰り返していきました。

(1)テキストを30分〜60分ほどざっと眺める。
フランスのボルドーであれば、60分あればテキストをざっと目を通すことが
できます。
この段階では全く覚えようとするのではなく、どこに何が書いてあるのかをだいたい把握する程度で充分です。
(このときの時間はあまり長くなりすぎると集中力がも たないので、 個人差はありますが、30分〜60分ぐらいが適当だと思います。)

(2)問題を解く。
(1)のあと、まとめ直した問題を解いていきます。最初は全く分からないと思います。なので、 解くというよりは、問題に解答を埋めていく形になります。このとき、出題された場所をテキストに マーカー等でチェックしていきます。

(3)テキストを見直す。
(2)でチェックしたところを中心に、テキストを見直していくと、どのあたりが 重要なのか、 よく出題されるのかが確認しやすく、また記憶に残りやすいと思います。
基本的に講習会まではこの(1)〜(3)の作業を繰り返していきました。この段階では、あ まり 暗記しようと思わず、気楽な感じでどんどん進めていく方がよいと思います。勉強し やすいようにまとめ直した問題集を解いていると、同じような問題が出題されていたりしていることに気付きます。
無理に詰込んでも忘れてしまうので、繰り返し目を通していくことで自然と頭に入っ
てくるようになります。

《ポイント3》 マニアックな問題、特殊な問題、分からない問題は深追いしない!
最近の問題はオーソドックスな出題が多いように思いますが、3年程前は結構マニアックな問題が出題されています。また問題集には結構難問が掲載されたりしているので、そういう 問題は思い切ってスキップして、できるところからこなしていく方が効率がよいと思います。印だけつ けておいて、全部やり終えてから見直すと意外と簡単に分かるところもあったりします。

D講習会の受け方
《ポイント1》講師が喋った部分は必ずチェック!!
講習会で触れられた内容は出題される可能性が高いので、講師の触れた部分は、全て チェックを入れていく方がいいと思います。講師によってはすごいスピードで説明していくので、一言一言聞き逃さないようにする必要があります。今年の講習会(大阪)でもイタリアはかなりのスピートで進んだため、 着いていくのに必死でしたが、本試験でもイタリアがかなり多く出題されていたように思います。

《ポイント2》講習会テキストは参考書として使う!
講習会用テキストは、ここ何年間で改善されてきたと聞きますが、地図も見づらい部分が多く、また歴史などが詳しく書かれすぎているため、「受験」だけを考えれば、あまり適切な教材とは言えないような気がします。私の場合は、講習会用テキストを思い切って「参考書」として位置づ け、ほとんど講習会以外では使いませんでした。ただし、このテキストだけにしか書かれていない内容もあり、講習会で講師が 喋った部分は全て、市販の教材の方にチェック&転記しました。

E2次試験対策
《ポイント1》 品種についてはかなり限定される!(講習会&過去問)
品種については、過去の出題、講習会で出された品種から、かなり高い確率で類推可能です。
例えば、今年の本試験で出題された(白)アルザスリースリングは、講習会で使われ ましたし、 過去の出題傾向からほぼ出題されると予想していたシャルドネ種もやはり出題されま した。
(赤)シラー種は珍しくオーストラリアからの出題でしたが、その特徴的な香り&味
で分かりやすかったと思います。

《ポイント2》過去問(テイスティング)の模範解答をまとめる!
各年に出題された品種を切り口にして、外観、香り、味わい、合う料理など、それぞれの項目毎の選択肢の模範解答をまとめておきます。こうすれば、品種が特定できれば、自動的に選ぶ選択肢も分かりますし、逆に絶対選んではいけない「否定的な」選択肢も分かってきます。

以上、簡単にまとめましたが、短期間でも、ツボを押さえながら頭に入れていけば、 効率よく 合格圏に到達することができるように思います。
私が、ご紹介したのはあくまでも受験のテクニックであり、ワインは非常に奥の深い 飲み物ですので、 合格してからも、さらに自己研鑚が必要なことはいうまでもありません。
今後、チャレンジされるみなさん、合格の美酒に酔えることを夢見て、頑張って下さ い!!