◆勉強の仕方
Q:受験勉強はいつごろから始めればよいのですか?
A:早ければ早いほど、後が楽になります。一年くらい前から始めるのが理想でしょうけど、なかなかそうはいかないかもしれませんね。ワインスクールの受験講座は4月から始まるので、大体その頃からスタートというのが標準でしょう。中には3ヶ月前から始めて受かる人もいますし、実際時間に余裕がある人なら短期間でも集中して勉強すれば大丈夫だと思います。
でも、ひとつ確実に言えることは、短期間で詰め込むと、その後忘れるのも早いということこです。試験に受かるためだけに覚えて、受かったらすべて忘れました、ではもったいないので、そういう意味でも早めのスタートをお奨めします。
Q:1ヶ月の勉強で合格した、というハナシも聞きますが?
A: これは、どれだけ予備知識をもっているかにもよりますね。業界の方やマニアの方とおつきあいしていると、資格を持っていなくても私より詳しいような人はざらにいるので、そういう方なら、1ヶ月の勉強で合格も可能でしょう。でも、一般論にあてはめたときには、そういう事例はあくまで例外であり、1ヶ月という数字を間に受けない方がいいでしょう。
Q:受験勉強はどのようなスケジュールでこなしたのですか?
A:私の場合は1月から勉強を始め、それ以降は下記のような感じですすめました。
1〜3月:とりあえず
「田辺由美のワインブック」を一通
りざっと覚える。
4〜6月:ワインスクールの対策講座が始まったので、それに併せてフランスを中心に覚える。
6〜7月:ドイツ、イタリア、スペインあたりを中心に他の国の勉強。
7〜8月:基本技術講習会に出席して出題傾向の把握と全般の復習。
9月 :テイスティングを集中的に。
すなわち、
1〜3月=一回目、4〜7月=2回目、7〜8月=3回目、という風に一通りの学習を三回繰り返しました。一回目はまだ全貌がつかめなかったのが、二回目、三回目となるにつれてだんだん判るようになってきます。ちょうど、霧に覆われた山の頂をめざして麓から歩いているうちにだんだん霧がはれて山の全貌が見えるようになるような感じです。
Q:受験勉強は一日にどれくらいすればよいのですか?
A:「田辺由美のワインブック」の著者の田辺さんはご自身のスクールの開講時(4月)に「これからは毎日2時間勉強せよ」「ワイン以外の飲み物は飲むな」と言っているそうです。私の場合、仕事の関係で一日二時間はまずとれませんでしたから、往復の電車の中が貴重な勉強時間になりました。
Q:教材はどのようなものを使えばいいのですか?
A:私の場合はまず
「田辺由美のワインブック」と「田辺由美のワインノート」(飛鳥出版)を使ってひととおりざっと覚え、その後はワインスクールの教材のテキストでもう一度ひととおり復習し、仕上げはソムリエ協会の「ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート教本」を使いました。「ワインブック」は各国各地方の地図がとてもよく書かれているので必須です。この本は誤植が結構多いのが難点ですが、最近改訂版が出たのでその辺は解決されていると思われます。
「ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート教本」は年々分厚くなっていますが、フランスの地方別
の地図が全く載っていないなど、過不足がずいぶんとあります。教科書としてというよりも、辞書的な使い方をすべきでしょう。ただ、この教本にしか載っていないようなこともかなり出題されますので、やはり受験には必須だと思います。
Q:「基本技術講習会」とはどのようなものですか?
A:試験に先立って、「ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート教本」の内容に沿って行われる講義で、7月〜8月にかけて全国いくつかの会場で行われます。朝9時半から夕方6時まで二日間びっしり講義というスケジュールです。
Q:「基本技術講習会」へ参加しないと試験を受けられないのですか?
A:基本技術講習会は出席MUSTではありませんので、参加しなくても受験することはできます。ただ、出席すると、その年の出題傾向がかなり把握できるので、出席することをおすすめします。
Q:「基本技術講習会」では、出題されるところを教えてくれるというのは本当ですか。
A:昨年は一部教えてくれる教官もいましたが、期待したほどはリークされませんでした。でも、なんとなく強調していたというレベルも含めれば、出題傾向はかなり把握できると思います。
Q:「基本技術講習会」は何回か行われますが、講師によって内容の違いはあるのでしょうか?
A:スケジュールの都合がつくのならば、ソムリエ協会の重鎮たちが自ら講義を行う初回に出席することをおすすめします。試験問題を作るのは彼らなので、出題内容がリークされる可能性が大きいからです。
Q:過去の問題から出題傾向がかなりつかめると聞きますが?
A:以下の方法でかなり体感的にポイントがつかめるのでお奨めします。
1.過去5年間ぐらいの問題をすべてコピーする。
2.設問ごとにバラバラにはさみで切る。
3.それを地域、国などの分類ごとに集める。
4.一冊のノートに貼り付けて集約する。
5.さらにそれをコピーして小冊子にして、何度か反復練習する。
少々面倒くさいですが、これをやると、必ず毎年出る問題や出題傾向の変遷などが見えてきます。
Q:その他になにか工夫したことはありますか?
A:私の場合、前述のように仕事の関係で勉強時間があまりとれなかったので、
電車の中を最大限活用しました。具体的には、B4サイズでかさばるワインスクールのテキストを縮小コピーして(ってほんとはこんなことしたら著作権に抵触するのだろうけど…)、電車の中で読み、次の段階では、ポケットサイズの小さなノートを作って要点をまとめたり、お決まりですがカードを作って暗記したりしました。
カードをやっていると回りの人たちから好奇の目を向けられて、恥ずかしいものがありますが、切羽詰まってくるとそんなことも気にする余裕がなくなってきます。
電車の中にこだわったのは、家に帰ってくるとつい晩酌をしてしまうからです。ひとたびアルコールが入ってしまうと、暗記ものは全くダメです。
「飲んだら乗るな」というのはこのことかと思い知らされます。(^ ^;
|