不定期更新コラム |
ヤフオク放出事情2 |
さて、ヤフオクでワインを売ってみて、困ったこととか面食らったことがないかといえば、実は結構あった。今までもプリムールを共同購入したりとか、親しい友人間で売買したりというのはあったのだけれども、赤の他人相手に、ネットというコミュニケーション手段だけで売買するのは、やはり面倒なことだなあと、改めてネットショップの大変さに思いを馳せることになった。
たとえば、私はボトルのコンディションについては神経質なほど気を配っているが、ラベルの状態については、日ごろほとんど気にしていない。なので、出品する際もラベルについてはよほど酷いものでない限り、その旨を記載しなかった。しかし、落札していただいたボトルを改めて検品してみると、その手のものを気にする人にとっては、クレームの対象になるかもしれないなあ、というような汚れやシミがあったりして、改めてその旨、落札者に確認したりとか。 あるいは、キャップシールの回る回らないや噴いた跡のあるなしについても、紹介文に記載したほうが親切だろうと、何の気なしに記載していたが、これって考えてみれば、仮に配送時に噴いてしまったりしたら、トラブルの元になるなあ、とか。 これらは、ネットでワインを購入する際にも同様のリスクなのだが、ヤフオクのキモいところは、落札後のキャンセルについてかなり厳格なペナルティを課せられることだ。具体的には、出品者都合でキャンセルした場合は、落札者とオークションマスターの両方から、自動的に「悪い出品者」という評価が下される。すなわち、キャンセルにより、2件の雨マークがついてしまうわけだ。 発送のための箱の手配も面倒だ。私は、配送時の破損など不測の事態を恐れて、ダンボール箱については(ハーフサイズなど一部の例外を除いて)クロネコヤマトが用意するものを使用することにした。 クール便の配送も鬱陶しい。というのも、クール便は、コンビニでは受け取ってくれないので、集荷所まで持って行かねばならないからだ。電話して家に引き取りにきてもらってもよいのだが、そうすると、料金が100円余分にかかり、これまた上記のような着払い料金の問題が発生する。 とまあ、かようにいろいろ気を配らなければならない事柄があることを知らずに、仕事が忙しい時期に、一度に落札のタイミングが重なるような出品の仕方をしたおかげで、その後の落札者とのメールのやりとりやら、振込の確認やら、発送やらでまったくもって嫌になるほど忙殺されてしまった。 ちなみにこうした作業には、私自身、相当気をひきしめてあたったつもりだったのだけど、最後の最後になって、指定日に発送するのを忘れるという凡ミスを犯してしまった。 一方で、落札者とのやりとりで困ったことはなかったかと言うと、ほとんどの方は、すぐにメールに返事をくれるし、振込も迅速にしてくれたが、中にはメールを送ってもなかなか返事をくれない人とか、振込むと言っておきながらなかなか振り込んでくれない人もいた。今でこそ、ネットバンキングを申し込んだので手元で振込確認ができるようになったが、取引を始めたころはネットバンキングできる環境でなかったので、毎日朝夕、UFJ銀行のATMまで行って確認しなければならず、これが相当な負担になった。正直、今回取引させていただいた落札者の方の中には、(ごく一部とはいえ)「晴れマーク」の評価とするのはいささか心外な方もいたのだけれども、あまりよくない評価をつけて、その腹いせに自分に対しても雨マークをつけられるのが怖くて、結局晴れマークを献上してしまう。この辺のヤフオクの仕組みももう少し練って欲しいものだなあ、と思う。
最後に、ヤフオクの収支であるが、それなりに魅力ある銘柄を投入したこともあって、まあ思っていたよりは、良い価格で買ってもらえたな、というところ。しかし、購入後の保存コストまで勘定に入れると、間違いなく赤字だろう。もともと儲けるために始めたものではないので、その点については後悔していない。
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