超不定期更新コラム |
そして僕は途方にくれる |
我が家に第2子(男の子)が生まれたのは昨年の12月。 一世帯あたりの子供の数が1.5人を下回る少子化時代ではあるが、私もカミサンも子供は2人欲しいという点で一致していたので、下の子の誕生は決して予定外の出来事(笑)でもないし、望まれざる事態でもない。 しかし、子育てという避けて通れない物理的な作業に関しては、1人だけでも大変だったところにもう1人、しかも年子の弟ができたわけで、覚悟していたとは言っても、その覚悟以上に大変な思いをしている。 まあ、世の中の多くの親たちが同じ苦労を経験してきているわけであるから、弱音ばかり吐くのも情けないというものだが、そうは言いつつも正直40路になっての乳児二人の子育ては相当に疲弊するものがある。 実際、年が明けてカミサンが実家から戻り、家族4人の生活が始まると、自分の時間というものが全くとれなくなってしまったのには(覚悟はしていたとはいえ)全くもって閉口している。 加えて予定外だったのは、仕事の方でも同じタイミングで職場が異動となったことだ。新しい職場はただでさえ前の職場より忙しい上に、通勤時間もよけいにかかる。仕事も以前の仕事とある程度クロスオーバーしているとはいえ、新しく覚えなければならないことも多く、気が休まらない。 かくして職場でも家でも全く余裕のない生活が幕を開けたわけだが、さすがに3ヶ月近く経過した今では大分ぺースもつかめてきた。それでもおよそゆとりというものは「皆無」、4人のうち誰かが体調を崩したらもうアウトという状況も変わりはない。(せめて早く春が来てほしい‥) 繰り返しになるが、私も家内も子供が2人欲しかったので下の子を授かれたことについては感謝しているし、幸せである。それについては疑いをはさむ余値もない。 しかしそのー方で、私のワインライフが壊滅的な打撃を受けているのもまた事実である。 壊滅的、そう、まさに壊滅的な状況なのだが、それがどのようなものかといえば…。 まず第一に(これは上の子が生まれたときから続いていることだが)、ワイン会などに行ける機会が全くといってよいほどなくなってしまった。 実際は週にー度ぐらい帰宅が遅くなることは許容範囲なのだが、その貴重なー日は日頃の不義理を果たすべく、仕事系のつきあいに回さざるを得ない。よって、ワイン会への参加にまでお鉢が回って来ないのである。(本心は仕事のつきあいよりもワイン会のほうを優先したいのは言うまでもない。) ワイン会に参加しずらい理由は他にもある。家内が家で2人の乳児相手にテンパっているところにベロベロになって帰りずらいし、酔った状態で子供2人風呂に入れるのも辛い。そういうことを思うと、せっかくお誘いを受けてもつい腰が重くなってしまう。 加えてもうーつ大きな要素を挙げるとすれば、それは「金がない」ことである。 二人目とはいえ、子供関係ではなにかと金がかかる。チャイルドシートとかA型ベビーカーとか、そういう大物を買うと5万単位で金が飛んでゆくし、乳児二人を抱えて行動の自由が制約を受ける分、生協や通販などをガンガン利用したりとか、不自由な分については金で解決というスタンスになりがちなので、家計は今までになく圧迫されている。 そういう時期に限って、会社をとりまく環境もヒジョーに悪化していて、おそらく今年は年収ベースで相当の落ち込むことが予想される。そんなこともあって、ついつい出費にはシビアになってしまうのだ。(これは後述するワインの購入にもあてはまる) まあそういうわけで、ワイン会についてはお誘いを受けても丁重に断ることの繰り返しだったのだが、そうこうしているうちに、自然とお誘い自体が滅多にこなくなった。寂しいけれども、毎回断り続けるのも心苦しいのでこれはこれでよいのかもしれない。 次に(これがもっとも大きな変化なのだが)、家にいても、夕食の時にあまりワインを飲めなくなった。というのも、前にも書いたように、夕食後には子ども二人を風呂に入れるという一大イベントが控えているからだ。しこたま飲んで千鳥足で風呂に入れるわけにもいかないし、そもそも二人続けて入れる(下の子がまだ首がすわっていないのでまだ二人一緒に入れられないのだ)のはしらふの時でさえ湯だってしまうような長丁場なのに、酔っ払った状態では自分がくも膜下出血を起こすのではないかと不安になる。 ここ2年ほど続けてきたRWG誌のテイステイングにも参加できなくなってしまったことも大きい。この雑誌については各所でいろいろな人がいろいろな事を言っているのは知っているが、そういう世間の評価とは別の次元で、自分にとっては、1回15種類前後、年間にして1000種類近くの銘柄をテイスティングできる機会というのは、自己研鑽のためにも大変貴重な場だった。「所詮はアルコールなんだから気楽に飲めればいいじゃないか。プロをめざしているわけでもないのに、なんで『研鑽』をつむ必要があるんだ?」という声もあるのは理解するが、私自身は凝り性なので、一度凝ったものについてはとことん極めたい。そういう性格なのだから仕方がない。その点、この雑誌とのつきあいは私にとって大きなポイントだったのだが、今となっては継続的な参加はもはや夢である。まあ参加できたとして月に1回〜2回程度。残念だが、ボランティアで参加している雑誌のテイスティングが家庭と仕事より優先されることはあってはならないことなのだ。 もうひとつ痛いのは、ネットを巡回する時間、すなわちよそのサイトやBBSをのぞく時間が全然なくなってしまったこと。 |