超不定期更新コラム

構造改革

我が家も「構造改革」を断行しなければならない。
家計もそうだけど、ワインについても、である。

今、我が家には寺田倉庫保管分も含めて約200本のワインがある。
私はコレクターではないので、これ以上手持ちのワインの本数を増やすつもりはない。今後はこの本数の中でやりくりするつもりだ。

‥と書くと聞こえがよいけれども、実際は、これ以上のワインを保有する経済的な余裕も、スペースの余裕もないというのが実情。 ただの負け惜しみである。

経済面の問題であれば、例えば、定期的にワイン会を開催して、その会費を次の購入の資金にあてるというソリューションもある。
一時某所のBBSでワイン会のあり方が話題になっていたが、私にはこの方法論についての矛盾や問題は特に感じられない。むしろ日頃この手のワイン会の恩恵にあずかっている身としては、積極的に支援?したいぐらいである。(もちろん、適正な価格で、健全で興味深いワインが出されるというのが前提の話ではある。)
ただ、そのような会を自分で主催する気があるかといわれると、尻込みしてしまう。
なにせ我が家には人の興味をひくほどの珍品や貴重なワインはほとんどない。あったとしても、そもそも我が家のワインは、出所のアヤシイものが多すぎて、出席者から、金返せと言われそうでコワイ。
 
そう。これが第一の問題点。
我が家には、「不良資産」が多すぎるのだ。

この夏、徹底的にワイン購入を控えたおかげで、「押し入れ熟成ワイン」はすべて消化したが、まだ比較的高額なものの中で、(今や全く信頼していない)ディスカウント系ショップで買ったオールドビンテージものとか、灼熱のシンガポールで買ったラトゥールとか、ボコボコに噴いたムートンとか、同一ロットがアウトだったとの報告相次ぐUSオークションものとか、数えてみると、そのようなものが20本〜30本ぐらいはある。
この手のワインは、持ち寄りのワイン会には持参できないし、かといって、セラーに寝かせてもまっとうに熟成するかは疑わしい。すでにダメになっている可能性だってある。
したがって、これらの「不良資産」は、早めに処理すべきなのだ。
ワイン会のない週末にでも、思い切って家で開けるしかないのだろう。

第二の問題点は、飲み頃ワインの在庫が相変わらずボルドー中心なこと。
ん?それのどこが問題なの?、と思われるかもしれない。ボルドー好きなのだから、それでいいじゃないか、と。
しかし冷静に考えてみれば、高額なボルドーのグランヴァンって、今の私には案外と飲む機会が少ないのである。日頃飲むワインは高くてもせいぜい5000円程度まで。日常的に家で1級クラスを開けられるような身分ではない。
その一方で、私が参加している持ち寄りワイン会では、あんまりボルドーの出番が無い。最近はカミサンの友人などの麗しい来客もめっきりない。
結果として、我が家のボルドー在庫は回転することなく、セラーの空き容量を圧迫しつづけることになる。
加えて馬鹿馬鹿しいのは、それらの多くがボルドーワインの高価な時期に買ったものであることだ。頑張って買い集めたものが、今や巷のショップで当時の買値より安い値段で買えてしまうというのはなんともやるせない思いである。

ことほどさように、我が家のワインのストックは、 どういうシチュエーションで飲まれるかを考えずに行き当たりバッタリで購入したものばかりなのだ。今後はその辺をきっちり整理して、ムダのない収集と消費のサイクルを築き上げないとやりくりができないと反省している次第。

関連して、第三の問題点は、デイリーワインについてである。
私が家で日常飲むワインは、おおむね週に2本平均。
月にすると8本、したがって、年間およそ100本という計算になる。
バカにならない本数だ。

そのデイリーワインが、どうもこのところ予算オーバー気味なのだ。
人の心理とは不思議なもので、清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったような高価なワインでも、セラーに数ヶ月も寝かせていると高価なものだという意識が薄れてきて、ワイン会や客人が来た折りに、つい大盤振る舞いしてしまう。(これって私だけかな?)
デイリーワインについてもしかり。
たとえば、5000円のワインをショップで買ってすぐに開けるとすごく贅沢なことをしている気分になるのに、セラーのストックの中から飲むときは、妙に抵抗感がなくて、それぐらいの価格のものでもホイホイと開けてしまうから始末が悪い。

 しかし、冷静に我が家の家計と睨めっこしてみれば、このような価格帯のものを今のようなペースで飲みつづけるわけにいかない。
デイリーワインの価格を2000円台に落とすか、もしくは、週2本のペースを週1本に減らすか、どちらかにしないとやっていけない。

ということで、結論。
来年の我が家のワインライフは、
「平日1本」+「週末ワイン会」or「土日で状態の心配なグランヴァン、もしくはそこそこのボルドー1本」
というペースを維持し、購入はデイリーワイン以外は最低限に留めることにする。

「こんなワイン飲んだ」の更新頻度もそれに伴ってやや減ることになるが、このような事情なので、ご了承いただければ幸いです。

ちなみにこれは来年のプランなので、今年残り3ヶ月分についてはこの限りではありません。(笑)