超不定期更新コラム

「おすすめワイン」をやめた理由
新コーナー、それもワインに全然関係ないコーナー(「S's ART」)」を立ち上げたのとひきかえに、実はトップページのメニューからはじきだされてしまったコーナーがある。それは「おすすめワイン」のコーナーだ。

「日常飲んでいるワインを中心におすすめのものを紹介します。」などと謳っておきながら、いきなりグランジ、シュバルブランで始めた、ナメたコーナーだったが、結局4、5銘柄アップしただけで終了。思えば短い命だった。

まあ、実のところ、本人はやめたというよりは一時休止ぐらいのつもりでいる。ただ、少なくとも今までのコンセプトでは続けても仕方ないなと思ったのだ。

どうして、このコーナーが行き詰まってしまったのだろうか?それはそもそもこのHP自体のスタンスに関係していることでもある。
以下は私の反省の弁です。

1. ターゲットが定まっていなかった。
私のサイトは多分に「私小説」的なサイトなので、ふだんは自分の飲んだワインや行った店や読んだ本をつらつらと書いていれば、それでよかった。
しかし、「おすすめ」となると、「どういう人たちに対して」「どういうポイントでおすすめ」なのか、ということが大きな要素であることに気が付いた。

掲示板にカキコみしてくれたり、メールくれたりする人が読者のすべてとは思わないけど、それでもそういうコアな方々の姿からなんとなく見えてくる私のサイトの読者層って、「かなりのレベルのワインマニア」か、「ワインに人一倍興味があって探究心に富んでる人」が中心なように見受けられる。そういう方々に対して、私ごときが総花的に「おすすめ」を挙げても、多くの場合、「釈迦に説法」となるだけだ。

では、いっそ初心者向けのおすすめワインに絞ったらどうかという意見もあるだろうけど、初心者の方々が、私のHPを見てくれてるかって、正直自信がないのだ。

2.飲んだワインの評点とどこが違うのか。
「こんなワイン飲んだ」でつけている私の評点って、単なる満足度だとか、点数に客観性はないとか、いつも言い訳から入ってしまうのだけど、結局のところ、そこで高得点をつけたものがオススメなんでしょ?と言われると、自分でも、そういわれりゃそうだなあ、と思ってしまう。なんだかんだと御託を並べるよりも、【93】とかつける方が明快というか、それなりの説得力を持ってしまうところが、数字の恐ろしいところだ。

3. 自分なりの視点が入ってなかった。
もうひとつの欠点はやはり自分なりの視点、論点が入ってなかったことだと思う。手元のデータや資料をまとめて要約するだけでは、どうもモチベーションがあがらないのだ。しかし、自分なりの視点で語るためには、やっぱり本人がある程度飲んでいる銘柄でないと、どうこう言いずらい。でもって、ある程度飲んでいるとなると、せいぜい、ボルドーのメドック地区のものぐらいしか語ることができない。

とまあ、ひとことでいえば、自分のサイトの読者の方々に対して、私はまだ一般論として「おすすめワイン」を語れるレベルにない、ということだ。

もうひとつ、考えさせられたことがある。
それは、「インターネットの個人のHP」というものの特性だ。


とりあえず、次に再開する際には、構想新たに、同じオススメでも、自分の体験や思い出に基づいたコラムのような、そんなオススメのコーナーにしたい、と思ってます。