超不定期更新コラム

カリフォルニア・カルトの饗宴

ああ、こんな思いをしてしまっていいのだろうか。

ブライアント・ファミリー、コルギン、アラーホ、マヤ、オーパス、ドミナス、インシグニア、キスラーのピノ…。こんな綺羅星のようなワインたちばかり飲んでたら、現実のデイリーワインの世界に戻れなくなるんじゃないか、いやそれどころかこんな現実離れした思いをした分、どこかで交通事故にでも遭うんじゃないか…、なんて 未だに あの時のことを思い出すと私は未だに夢見心地になってしまう。

まあ、でもこんな機会はもう2度とないかもしれないので、おもいっきり自慢してしまおう。

別名「Andyさんにもう『カルトワインを飲んだことない』とはいわせないぞ」の会とか、「カルトワインを飲み倒す会」とかネーミングされている、まさに究極のカリフォルニアワインの会が11月17日(金)の夜、広尾のカーディナスで催された。

主催者はこのHPの掲示板でもおなじみの、カリフォルニアの大御所Shinさん。それにしてもこんなワインたちを一同に集めてワイン会を開くなんて、Shinさん、あなたはすごすぎます!
参加者はCWFCナパ会長、Andy副会長、CWGのSatoさん、Nappeさん、世田谷太郎さん、ちょうど日本に帰国中のエミーさん、それに私。

会はいきなりキスラーのピノノワールから始まり、「アラーホ、オーパスワン、インシグニア、ドミナス」の96ビンテージのブラインド。
メインイベントに出てきたのが、コルギン、ブライアント・ファミリー。
さらに、このあとナパ会長から超太っ腹の差し入れ。なんとマヤとマーティン・レイ。さらにロバートモンダヴィの76ピノノワール・リザーブなども出て来たりして、まさにグレートワインの飲み倒し状態。
おかげで翌日は頭がガンガン。カルトワインの飲みすぎで二日酔いなんて、ほんと罰当たりな私だ。

各ワインのコメントについては、「こんなワイン飲んだ」に書いたし、CWFCの掲示板にも人の迷惑顧みず、超長文のアップをしたので、ここでは繰り返さないが(ちなみにCWFCの掲示板では、『香りの表現が実感がわかない』と指摘され、自分の未熟さを痛感してます。(^^;)、他に気づいたことを、無粋とは思いつつ…。

◆もっとも熟成させたいと思ったワイン =キスラー
Shinさんのおすすめのカリピノ。飲んでみると、確かに私にとって、カリフォルニアのピノのイメージを変えるのにふさわしいインパクトがあった。コート・ド・ニュイのような骨格を持ちつつ、果実味もたっぷり。凝縮感があるんだけど、無骨でなくてエレガント。単なるソノマコーストでこうなら、キュベ・キャサリンなんてどうなるんだろう?
個人的に家のセラーに欲しいワイン。せめて、もっと手に入りやすかったらいいんだけど。

◆もっともボルドーチックだったワイン =アラーホ
もっと力強いワインなのかと思ったら、思ったよりスリムというかバランス重視の造りだったのが意外だった。 コメント欄にも書いたけど、バランスが高次元にとれていて、口中でまるで丸い球体のような味わい。そしてフィニッシュも羽毛のような軽やかさ。
一緒に飲んだインシグニアもすばらしかったが、これと比べると、やっぱり味わいに少し角があるような印象だった。 でも、ほんとにわずかの差だけどね。
#ちなみにこのワインのラベル、すごく格好良い。これも家に欲しいけどなあ…。

◆もっともインパクトがあったワイン =マヤ
これは私にとっては、未体験の味覚体験だった。うねるような凝縮感。それでいて、それでいて各要素はとても緻密で、 不思議なまったり感。ちょっと、ポートワインのような雰囲気があるけど、酸もしっかりしているところがグレートなワインたる所以なんだんろう。

◆もっとも濃かったワイン =コルギン
これもすごい凝縮感。マヤよりも硬質なイメージというか、塊っぽい雰囲気があって、いかにもパーカーさんの好きそうなワイン。それでいて、各要素の緻密さが出色。 これが一番好きという人も多かった。

◆もっとも完成度の高さを感じたワイン
             =ブライアント・ファミリー
これはアラーホの延長線上のワイン。アラーホの持つバランスを崩さず、各要素の凝縮感を高めた感じ。ちなみに、このワインのPPは97+。 パーカーさんもひたすら濃いワインだけじゃなく、こういうワインもきちんと評価してるのね、と妙なところに感心。

いやいや、それにしても、これらのワインって、総額幾らになるんだろう。私ももし見つけたら欲しいなあ、と思うワインが多かったけれど、一本5万円超の投機的な価格だとさすがに尻込みしてしまう。そんな中で…

◆もっともコストパフォーマンスが高かったワイン
          =ジョゼフ・フェルペス・インシグニア
結構手に入りやすいし、日本でもせいぜい1万円台半ばで買えるし、ということで、 以前からお買い得じゃないかと思ってた銘柄なんだけど、今回それが証明された格好。我が家にも95が一本鎮座しているけど、もう一本買ってもいいな、と思った。


ちなみに私のふだんの酒量はせいぜいボトル半分ぐらい。まあそれぐらいの方が健康にも良いだろうと思ってるんだけど、この日ばかりはカルトワインの数々を前に、途中から酩酊してしまう自分の酒量の少なさが苛立たしかった。

とにもかくにも、Shinさん、ほんとうにありがとうございました。