超不定期更新コラム

ボジョレーの季節
11月も半ばになって、公私ともどもせわしなくなてきた。

今週は、木曜日がボジョレーの会、
金曜は、前から楽しみにしていたS氏主催のカリフォルニア銘醸ワイン会。
土曜日はエノテカのラフィット垂直。
日曜日は友人の披露宴が夕刻からあるんだけど、その前にやまやのセール によって、ペトリュス他86ビンテージの水平試飲。

週が変わって来週木曜日の祝日はかもしださんたちとジャドをメインにしたワイン会。
日曜日は、とあるワイン会。

う〜ん、忙しい(笑)
これだけなら、プライベートで忙しいだけなんだけど、話がややこしいのは、 このタイミングで、会社の異動の内示があるかもしれないことなのだ。
異動があるとすると12月1日づけ。新しい職場が土日休みとは限らないので、 そうすると12月以降の予定がたてずらい。それにさすがに異動日の前後は歓 送迎会などのイベントがたてこむことになる。


そんなわけで、おそらくこれを読んでいる多くのかたが参加するであろう大イベント、 12月1日(金)の「BVCアンドゥ・ジャック」、翌2日(土)の「CWFC総 会」には、 参加表明ができず、宙ぶらりんの状態だ。

まあ、それはともかく。

そろそろボジョレー・ヌーボーの季節である。

今回自分のHPをふりかえってみて、改めて気づいたんだけど、私って、ほとんどボジョレーを飲んでない。(笑)
去年の解禁日には会社でいただきもののボジョレー・ヌーボーを飲んだはずなんだ けど、記録から漏れてしまっている。

ガメイのアルコールっぽさがちょっと気になるといはいえ、私は、別にとりたててボ ジョレーを毛嫌いしているわけじゃないし、たとえば野外で、カジュアルなジャンク フードとともに飲むときなどには最適だとさえ思っている。でも、考えてみればそう いう機会ってあまりない上に、最近はカジュアルな場の主役を新世界ワインにとら れてしまっているようなところがある。

もちろんいい造り手のクリュボジョレーの実力は上級のブルゴーニュにすら匹敵する ことはよく知っている。
ブラインドでしばしばだまされるのがこの出来のよいボジョレー、たとえばマルセル・ラピエールとかシャトー・デ・ジャックとかのもので、私なぞはその原体験があるため、しばしば過剰反応しすぎて、逆に新世界のピノをガメイと答えてしまう。

でも、だからといってよい作り手のクリュ・ボジョレーを積極的に購入するかというと、そう いった価格帯になれば選択肢は他にもあって、良いことはわかっていてもなかなか購入まで至らない。
そういう意味では、私はガメイの本当のよさというものをまだわかってないのかもしれないのだけれど。

でも、これって、わりとみな同じように思っているんじゃないかな。

加えて、日本でのボジョレー販売って、かってのボジョレー・ヌーボーブームの傷 跡とでもいうべき、「ボジョレー=素人むけ安ワイン」というイメージが払拭しきれていないこともあって、難しいものがあると想像する。

そんなボジョレーを飲み倒す数少ない機会が、11月第二木曜日の解禁日。
マセラシオンカルボニック製法による色素の抽出によって、色は濃いのに、タンニンの少ない、フレッシュなもぎたての果実のような味わいがボジョレー・ヌーボーの魅力だ。
よくバナナの香りがするといわれるけど、私はあんまりこのバナナの香りって嗅ぎわけ られたことがない。きっと、本当に良質なボジョレー・ヌーボーを飲んでないのかも しれない。

ところで、このボジョレー・ヌーボーだが、解禁日直後の価格は 2000〜 3000円もする。航空便で送られてくるから仕方ないとはいえ、この値段はさすがにちょっと抵抗がある。
もっとも、解禁後1ヶ月もすると、今度は船便で輸入されたものが半値ぐらいで買えるようになるし、空輸のボトルも、クリスマスケーキのごとく一週間もすると結構ダンピングして売られはじめるようになる 。

そして、船便のものが出回り始める前の、時期を逃してお安くなったボジョ レー・ ヌーボーについては、意外とお買い得だと私は思うのだ。

というのも、 ふつうこのクラスのワインに航空便が使われることはないし、リーファーコンテナを使っているかさえ疑わしい。おまけに店頭でも一番環境のよくないところに野ざらしにされている場合が多いから、万全の状態で飲めることって、大切に運搬、保管される高級ワインよりずっと少ないのではないかとさえ思うのだ。

そんな中で、逆説的ではあるけれど、安いカジュアルなワインをフランスで飲むのと 変わらないような状態で飲めるという数少ない機会がこの航空便輸入のボジョレー・ヌーボーではな かろうか!空輸後少し時間が経ったぐらいの方が、状態も落ち着いているだろうしね。

なんだか最近私が興味を持っているワインのコンディションに関する話に帰結してしまったけど、 そんな視点でボジョレー・ヌーボーを飲んでみるのも面白いと思う。
フライドチキンとか、宅配ピザとか、そんなのをつまみに1週間後のボジョレー、 試してみませんか?2000年の収穫に思いをはせながら。