超不定期更新コラム

フルール・ド・プリムールのワイン会

10月21日に行われた表記のワイン会はとても印象的で面白かった。

フルール・ド・プリムールというのは世田谷区松原にある酒屋さん。どこで知ったのかというと、私が毎週楽しみに読んでいる某メールマガジンにワイン会のお知らせが載っていたのだ。それを見てなんとなくこれは良さそうだ!と閃いて、申し込んでみたのだ。

ところで、なにゆえここでメールマガジンの名前を隠すのか?
そう、それはあまりに私がここのワイン会を気に入ってしまって、参加人数が限られている中、次回開催の時の競合相手を増やしたくないからなんだな。(^^)

お店は閑静な住宅街の一角にあって、ガーデニングの店もかねているとのこと。どおりで店構えが緑にあふれていると思った。酒屋さんで行われる試飲会ということで、私はてっきり信濃屋のように会議室みたいなところを借りて行うのか、エノテカみたいに店頭でなのか、と思ってたら、店内にこじんまりとしたテーブルがちゃんと備えてあったのでした。

参加者の中には、私がお名前を存じ上げている方も何名かいて、みなさんの博識ぶりには舌をまく思いだった。 この日のテーマはジョルジュ・ルーミエ。銘柄は以下の通り。
・モレ・サン・ドニ・クロ・ド・ラ・ビュシエール96
・モレ・サン・ドニ・クロ・ド・ラ・ビュシエール95
・シャンボール・ミュジニー・レ・クラ93
・ボンヌ・マール85
・クロ・ヴージョ83
・ボンヌ・マール83

ワインはF氏という某メールマガジンにはよく名前が登場する御仁のコレクションからの放出とのこと。いや、世の中にはこんなすばらしいものをお持ちの方もいるんですねえ。ほんとありがたいことです。

ちなみにFさんの話を伺っていて印象的だったのは、その状態に対するこだわり。「ブルゴーニュはとにかく動かしてはダメ」「年代もののワインを一度動かしてしまったら、また何年も寝かさなければならない」 「飲むときは3ヶ月前から立てておく」 という徹底ぶりもすごいし、輸入元もフィネス(旧富士発酵)にこだわっておられるところなどさすが。

セラーに入りきらないワインたちを常温でほったらかしておいて、 感想欄に「あんまり劣化は感じられない」なんて書いてる私なんぞ爪の垢を煎じて飲まなければいけないな。

(なんて程度にこの時は思っていたが、その翌日、私はコンディションの重要さを身をもって思い知ることになる。詳しくは次回のコラムにて。)

ところで、ルーミエである。
これだけ熟成したビンテージを一同に飲める機会はそうはないので、思いきり期待していったのだが、実は一杯当たりの量がかなり多めだった(というのは本来ありがたいことなのだが…)のに加えて、ペースが速かったこともあり、途中から不覚にも相当に酔ってしまって、微妙な違いをよく覚えていないというなさけなさ。
もちろん、そんなへべれけの状態においても、この作り手が持っているすばらしさは十分に感じられたけれども。

すなわち、 決してギュッと凝縮したようなタイプでも、果実味がしたたるようなタイプでもないのだけれど、その分、 ピュアで透明感のある果実味、各要素の質感の高さと節度のあるバランス感、クリアで長い余韻、若いうちは凛として一種近寄りがたい雰囲気もあるが、それが年月とともにやわらかくふくよかに変容してゆくさまは見事というほかはない。ワインの状態もよかったし、いや、ほんとに貴重な機会だった。

ルーミエ終了後、Y氏が持参してくれたリースリングのアイスワインや、これも差し入れのミシェル・ゴヌーのポマール・リュジアン92などを皮きりに、参加者の方々の差し入れワインが出て来る出てくる…。

ブラインド。
香りは若い果実香主体、タンニンは極めてなめらかで、酸がかなりおとなしい。ジューシーなフレーバー。カリフォルニアのピノ?いや、それにしては線が細い。そうだ、これはピノではなくガメイでは?良いドメーヌのムーラン・ナヴァン、価格は2000円程度?…と答えて、思わず失笑を買う私。

→正解:TE KARANGA RESERVE96
NZのピノノワールでした。(^^;
価格は3500円ぐらいとか。
NZというと比較的冷涼な気候を想像しがちだが、これは北島のマルボロ産ということで、酸度が低めなんだろう。それにしてもある種のピノとガメイって、認定試験時以来の鬼門だ。

二杯目のブラインド。
ボトルはドイツのフルート型。色はそのわりにかなりしっかりしたルビーだ。
香りにハーブっぽい青いフレーバーが感じられる。ロワール?でもこれも意外に酸がなめらか。だけどアルザスだったら、もっと色が薄くて酸っぱいんじゃあ…。これはわからない。

→正解:アルザスのピノノワール98(銘柄失念)
はあ。こんなアルザスのピノがあるんですね〜



三杯目
うう、いかん、この辺になるとメモもとっていない。
確か、ナパのピノノワール、と答えた気が…(なんの根拠があって?(^^;)
→正解:シャンボール・ミュジニー(作り手失念)

 

四杯目
これは最後だったのでよく覚えている。フローラルなスミレのエッセンスやドライハーブのような香り。ストロベリーやカシスの豊かでみずみずしい果実。やや皮っぽいニュアンス。バランスもいい。これはかなり良いブルゴーニュ。ひょっとしてルロワ?なんて言葉も頭に浮かぶが、さすがにそこまではいかないか。先日飲んだコンフュロンのフレーバーに似てるということで、「ニュイ・サン・ジュルジュ。作り手はコンフュロンあたり」って、今から思うと赤面するような当てずっぽう…。

→正解:オ・ボン・クリマ・ピノノワール・サンタマリアヴァレー98

どっか〜ん! shinさん、Andyさん、笑ってやってくださいませ。
#しかしですねえ。少しだけ弁解すると、堀賢一氏著「ワインの自由」の89ページを読み返してください。この銘柄、マスター・オブ・ワインの受験者も間違えてますから…(苦笑)

いやいや、まあブラインドの惨状はともかく(^^;、楽しく飲みました。
それに料理の美味しかったこと。「簡単な料理つき」としか書いてなかったので、まさかあれだけの料理が出るとは思わなかった。 おかげで、初参加にも関わらず、すっかりくつろいで酔っ払ってしまい、 帰ってから床につくまでの記憶はないわ、翌日は二日酔いで夕方まで寝過ごす羽目になるわ…(^^;。

そのくせ、酔っ払ったままいつやったのか、夕方起きてみると、このHPの記録だけは途中まで作成してあったのだから、習慣とは恐ろしい…。