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地震とワイン |
穏やかでないタイトルで、特に阪神大震災を経験された関西の方にとっては思い出したくないようなことかもしれないが、最近三宅島の噴火に触発されてか、日本各地がグラグラと来ているのもまた事実だ。 三宅島では過去の噴火で一度も起こったことのなかった火砕流が発生し、ついに全島民島外避難となった。 それにに住む我々も決して人事とは思えない。 特に心配なのは、富士山の噴火とか、東海地震とか、といった大災害の前兆ではないか、ということだ。 新聞などによるとその心配はないらしいとのことだが、それでもやっぱり心配だ。 東海地震は日本で予知が可能な唯一の地震と言われている。 それは予測不能な直下型地震とは違って地震発生のメカニズムがある程度把握されている海溝型の地震であり、そのため駿河湾から遠州灘にかけて膨大な予算をつぎ込んだ観測態勢を敷いていてる
からでもある。 判定会により、これは危ない!という結論が出れば、「警戒宣言」が出される。 警戒宣言が発令されると、学校は休みになり、銀行の営業も停止 、鉄道や高速道路などもストップするなど、市民生活にはかなりの影響 が出る。
ちなみに警戒宣言が出されてから、東海地震が発生するのは2〜48 時間後と予想されているが、こればっかりは相手が天変地異であるの で絶対とは言い切れない。 東海地震で想定される東京の震度は5位だといわれている。 最近は伊豆諸島の群発地震のせいで、震度5とか6という数字にも感覚が麻痺している感があるけれど、震度5が東京で起こったのは私が生まれてから一度だけ。震度6に至っては関東大震災以来経験 がない。 さて、そんな地震が来たら、私のワインはどうなるんだろうか? …という前に自分のことを心配しろというご意見は全くもっともだ。 次にセラーのワイン。 寺田倉庫に預けている分はどうか。 このあたりの対応について、どうなっているのか、寺田倉庫に電話して聞いてみた。 私「あの〜、つまらないことを伺いますが、そちらは地震の時は大丈夫なんです か?」 寺田「弊社は耐震倉庫になっています。」 私「たいしん、…ということは、震度6ぐらいの地震なら大丈夫ってことですね。」 寺田「そうですね。」 私「 棚においてあるワインが落ちたりすることはないんですか?」 寺田「棚についても転倒防止の処置をしてあります。」 私「なるほど。もうひとつだけ教えてください。地震で電気が止まってしまった場合、 温度管理が出来なくなってしまいますよね?そんな場合は?」 寺田「専門家の方に相談しましたところ、空調が止まってしまった場合、ワインの温度が一度上がるのには24時間かかるとのことです。 したがって24時間あれば、自家発電で電気を起こして復旧することができます。」 私「えっ、温度が一度上がるのに24時間もかかるんですか?」 寺田「実際にワインの中の液体の温度が一度上がるには、ということです。」 私「はあ。よくわかりました。どうもどうも。」 さすが寺田倉庫。体制は万全(みたい)だ。 家のスペースのせいで仕方なく分散している我が家のワインだが、これがかえってリスク回避になっている面もあると再認識。 それよか、我が家の場合、来客用にかなりの数購入してしまったリーデルの「金魚鉢」グラスやデキャンタが粉々にならないかを心配したほうがよいかもしれない。金銭的な打撃もさることながら、後片付けがえらく大変だからだ。 まあ私のストックなどせいぜい300本ぐらいだけど、数百本、数千本とお持ちの方もおられるようだし、額的にもひと財産になる方の心配は私どころではないんだろうなあ、と思う。 地震、起こってほしくないですよねえ。 |