超不定期更新コラム

ワインが吹いた!

いやあ、このところ暑いねえ。
こう暑いと、食事とのときもついボルドーよりはブルゴーニュ、 赤よりは白、ワインよりはビール…としまう。

おまけに、この季節、常温で保存しているワインって、なかなか飲みにくいのだ。
というのも、

今日は食事のときにワインを飲もう!と思い立つ

家に「今から帰る」と電話する。

帰るころにはちょうど食事が出来ている

ということで、そこから、常温の 赤ワインを冷やすだけの時間がない。
だったら、家に電話をしたときに、「○○というワインを冷蔵庫に入れて冷やしておいてくれ」と頼めばいいじゃん、と思われたあなた、それは正解です。 でも、現実問題として、私はそこまで亭主関白じゃない、ということなんだな。

そうすると、飲むのは、冷蔵庫に常時無造作にほうり込んである白ワインか、セラーの中のワインということになる。

セラーも、棚を引っぺがしたおかげで多少余裕が出来たので、最近は寝室に野ざらしになっているワインも飲む数日前にセラーに入れておくということができるようになった。
それでも、気分的にセラーに入れるとなると、デイリーワインよりは、やや価格の高いワインを優先しがちになる。
そういうわけで、今セラーでごく近々の順番待ちとなっているのも、デュジャック の96モレ・サン・ドニとか、Ch.ロングヴィル・バロン94とか、カレラ・ミルズ96と か、 ルーミエの97シャンボール・ミュジニーとか、それなりのワインたちがまるで100 0円の デイリーワインのごとくガンガン開けられる予定となっているのだ。

夏の旅行費用をどうやって捻出しようかと悩んでる一方で、この状態って、 なんか違うよなあ、と思ってはいるのだけど、最後は、 「ひと夏越して熱で悪くなってしまうのなら、いっそ飲んでしまったほうが!」 というひとことが、妙に説得力を持ってしまうのだ。

でも、これってやっぱりなにか違うよなあ。。(苦笑)

さて、そんなこんなで、目下ハイペースで家のストックを消化しているのだけれど も、 先日、寝る前に寝室のラックにふと目をやって、愕然とさせられる事件があった。

そう、吹いてたのである。ワインが。

まさに現行犯的に、赤い液体がキャップの先端からにじみ出ていたのが、ジャイエ・ ジル の「オート・コート・ド・ボーヌ97」。 だらりとにじみ出た跡が残っているのが「Ch.シトラン92」。 他に、ボトルの下部などに瘢痕が残っているワインもあるので、きっとどれかが吹いて下にこぼれたのだろう。 この様子だとおそらくキャップの下で他に液漏れしてるのもありそうだ。

う〜む。

寝室のワインたちが過酷な状況にさらされているのは先刻承知ではあるけれど、 その証拠をまざまざとも見せつけられるとちょっとこちらも深刻だ。

私は考えた。
なんとか少しでもワインたちに負担の少ない環境にしてやることはできないだろう か。

そしたら、なんとあっけなく改善方法に思い当たったのだ。(←だったらもっと早く気づけ、 との声も…)

それはこういうことだ。

今、セラーに入りきらず、寺田倉庫にも入れてないワインたちは、セオリー通り、北 向きの寝室においてある。ところがこの北向きの寝室は意外なほど日が入るので、あんまり条件はよくない。

一方、カミサンは去年の今ごろはまだ働いていたが、今は専業主婦だ。 ということは、カミサンがふだん生活する「居間」は、常にエアコンが稼動している わけ。
夜はどうか。これがうまい具合に、寝室でエアコンをかけると冷えすぎるので、いつも居間 でエアコンをかけて温度調節しているのだ。

ということはすなわち、夏の間は寝室よりも居間の方がエアコンが効いていて、ずっ と環境がよいという、こんな簡単なこと、なんで今まで気付かなかったのかというような結論だ。

さっそく昨日、寝室のワインたちを居間の押し入れの中に移動。
これで我が家の可哀相なワインたちも、最悪の状況は免れるのではないかなと期待大だ。

ちなみに吹いたワインたちは、近々に飲む予定なので、それはそれで、「吹いたワインのお味は如何?」という ことで、お楽しみに。