超不定期更新コラム

5/18 中国茶房体験記

あ〜〜〜、ワインを飲みたい!!!!!!

喉の不調はどうやら喉そのものではなくて、食道がやられているらしいとのこと。ひと月ぐらいしても治らないなら内視鏡(胃カメラ)をやりましょうと言われて、胃カメラは苦手(って好きな人はいないと思うが…)なので、なんとか治そうと、ここ3日ほどは流動食ばかり。それにしても、日頃のワイン三昧も健康な体があってのことなのだなあと、今更ながらここ数ヶ月の不摂生を反省している。

そんな鬱々とした日々をおくっていたところ、sinpさんから「気分転換に中国茶など飲んでみたら?」という趣旨のメールをいただいた。なかなかに奥深く、ワインに共通 する点も多い世界だとか。
目先を変えるのもいいかなと思い、ちょうど会社からの帰り道でもあったので、 早速sinp氏ご推薦の表参道の中国茶房「遊茶」 に行ってみた。

場所はまさに表参道。同潤会アパートの向かいあたりだ。1Fに茶葉や器の売り場があって、茶房は5F。

中はこじんまりとしていて、大きなテーブルの真ん中にポットがたくさんおいてある。これで自分でつぐわけね。メニューは何がなにやらチンプンカンプン。なんだか黒茶だとか緑茶だとかいろいろジャンルがあって、各茶の名前の難しいこと…
これって、きっとワインを知らない人がワインリストを見たら同じ思いをするんだろうね。
そんな中から選んだのは、同じくsinpさんご推薦の岩茶肉桂
説明文によると、「しばしばキンモクセイにたとえられる岩茶中随一の鮮烈な香りを持つ。含香さえ華やか」。

運ばれて来たトレイを見て驚いた。えっ、なにこれ?と不安な気分になる。
やたらと器が多いのだ。6種類くらいあるぞ。これって、何か作法みたいなものがあるのだろうか、とおそれおののいたのも束の間、店の人が説明しながら全部やってくれた。

ここから先は私の乏しい表現力ではうまく伝える自信がないのだけど、
まず、大きな鉢があって、その中に手のひらに載るような小さなキュウス(といっていいのか?)がある。
これに茶葉を入れる。大きな鉢はお湯をこぼしてもいいように、という目的だけらしい。
そして、30秒ほどむらして、今度はこれも手のひらサイズのガラスのポットみたいなのに注ぐ。
次ぎに、 手前にある、杯のような二つの小さな器 のうち、まず背の高い方にお茶をそそぎ、それをもうひとつの平たい方に移し替える。
そしてこの平たい器でいただくのだ。
じゃあ、いったん注いだ背の高い器は何かというと、これは「香りをかぐ」ためのものだそうだ。

嗅いでみると確かに素晴らしい香り。
麦藁、線香、白い花の蜜、そして文字通りシナモン。
さらにちょっと経つと甘〜い香りがまざってくる。良い香りだ。

色は、輝きのあるオレンジがかった茶色。

味わいは基本的には烏龍茶の系統らしいのだけど、ちょっとホコリっぽいようなプーアール茶のような味もする。渋みは上質で心地よく、後味はさわやか。
まあ、香りほど意表をついてはいないけど、とっても上品な中国茶だ。

お茶うけには、カボチャの種とパンプキンパイがついてきて、これで1300円。

面白くなって、さらに「2杯で2000円」というセットを追加。

「特級明前獅峰龍丼茶」(メイゼンシホウロンジンチャ)
「わずかに感じられるさわやかな苦みとひかえめな甘みがあいまった豊かなコク。清涼感の中に力のある、覚醒の茶」

緑茶。香りは…ええと、青草、ハーブ、っていうか日本茶の香りだなあ。味は さっぱりした苦みがあって口の中が洗われる感じ。わりと日本茶に似ている。店員さん曰く、「かすかな甘みとコクがあって美味しいですよ。」
う〜ん、私には甘みの感覚はよくわからなかったけど、相対的には、ということなのかな。

次は、
「峰頭単樸 」(レイトウタンソウ:漢字はちょっと違うかも)
広東省の青茶だって。「濃い褐色の茶葉から抱くイメージとは違い、甘くフルーティな香りが立ち上る。キリッとした味わいは清々しく甘美」

どうです?読んでるだけで飲みたくなるでしょ?
店員さん曰く「フルーティで女性に人気があります。」
色はコハクがかった茶色。香りはバニラ、ジャスミン、いわれる通りになにかの果 物(でもうまく表現できない)
味わいは渋みがしっかりしていて、メリハリがある。ワイン風にいうと骨格のしっかりしたタイプ。 香りは女性的、味は男性的。

お茶うけは乾燥イチジクと和菓子みたいなものだったけど、和菓子には手をつけられなかった。

3種類飲むとさすがに胃がアップアップ。それにトイレが近くなる(^ ^;。
でも総じて満足。この店、雰囲気もいいし、メニューも難しいけど親切に書いてあるし、店員さんが感じよくサポートしてくれる。中国茶ってほんと奥が深いね。なんだかリゾートに行って、新しいスポーツにチャレンジしたあとのような、不思議な充足感に満たされて家路についた。
sinpさん、貴重な情報ありがとうございました。
(一緒にご紹介いただいたHPもあるんだけど、紹介の許可とってないので
割愛します。)

ところでこの店、私の隠れ家にしよう、と思ったら、なんとタイミング良く(悪く) 今週号のHANAKOに載ってるじゃん…