葛飾・足立清掃工場連続差別落書事件

再発防止に向けて各団体が見解文と再発防止策を提示

葛飾・足立清掃工場連続差別落書事件第3回対策会議で


 

 葛飾・足立清掃工場連続差別落書事件第3回対策会議を6月30日に台東区民会館でおこない、東京二十三区清掃一部事務組合、葛飾区、足立区、荒川区、台東区、東京清掃労働組合、清掃・人権交流会、自治労・公共サービス清掃労働組合、部落解放同盟東京都連・各支部、オブザーバ参加の東京都と社団法人東京環境保全協会、48名が参加した。
 会議はまず、部落解放同盟東京都連から、長谷川委員長が「今後、それぞれの立場で再発防止の取り組みがおこなわれることが期待できる。その意味で今日の会議はこうした取り組みの大きなステップになると思う」とあいさつ。
 つづいて、足立区、葛飾区、東京二十三区清掃一部事務組合の見解文が明らかにされた。足立区の見解文では「足立区は、東京二十三区清掃一部事務組合管理の葛飾及び足立清掃工場において、人権にかかわる落書き事件が連続して発生したことについて、同和地区出身者及び民間事業者や行政を含めたごみ処理の仕事をする者の人権を否定する極めて悪質な差別行為であり、清掃事業に従事する関係者の間での不信感を招きかねない行為で断じて許すことができないことと受け止めました。同時に、足立区のごみ収集の関係者の関わりも否定できないことから、区として重く受け止めできる限りの対応を行うこととしました。…(略)…
 今回の取り組みで、事件発生の原因や背景を考察するための手がかりが得られたと同時に、多くの関係者の人権に対する意識啓発が進んだものと考えます。…(略)…効果的な人権研修を通じて、人権意識の高い職場づくりを進めていきます。加えて、区の清掃事業に携わっている雇上事業者社員の意識向上についても、東京二十三区清掃一部事務組合、東京環境保全協会等と連携し、努力していきます。…(略)…啓発・教育の充実も図っていきます。」と事件に対する見解・再発防止策を明らかにした。
 つづいて、都連の見解文(解放新聞東京版7月15日号で全文掲載)を明らかにした。つづいて、再発防止策について問題提起と意見交換がおこなわれた。都連からは、「特別区長会への申し入れ、各区への申し入れ、同和研修のアンケート調査の取り組みなど」都連としての今後の取り組み内容が明らかにされた。また、東京清掃労働組合からは「特別区人事・更生事務組合および各区長への申し入れ」をおこなうことが明らかにされた。その後意見交換をおこない、行政、労働組合、解放同盟から明らかにされた再発防止策については、今後それぞれの立場で取り組みを進めることを確認した。
 今後、都連では再発防止策を確立していくために、特別区長会への申し入れをおこなう。今回の事件を23区の共通課題として受け止め、雇上会社をはじめ清掃労働者全体において同和研修・人権研修がおこなわれるように対策を講じる事を求めていく。また、同和研修に関するアンケート調査への協力を求めていく。

 

「葛飾・足立清掃工場連続差別落書事件」に寄せて

 

陰湿な差別に怒り

部落解放同盟足立支部  書記長 関 忠男

 

 清掃差別落書き事件は、働く人達の、労働格差の問題ととらえています。と同時に、東京で生きる部落民にとっては、許しがたい部落差別事件です。清掃業務が東京都から区に移管され、区の職員、委託業者、雇上業者、それ以外にも業者がいるのかもしれない。その中に働く労働者が臨時、派遣など多くの労働者が働いています。賃金格差、清掃事業に温存されている差別構造を変えていかなければいけない。この事件を契機に、清掃事業の重要性と、働く労働者の人権を守る施策を考えなくてはならない。企業の責任、行政の責任を再度考えなければいけない。

差別行為は断じて容認できない

東京清掃労働組合 中央執行委員長 西川卓吾

 今回の葛飾・足立両清掃工場男子トイレ内における差別落書事件は、日夜、住民の快適な環境を守る立場から、日々清掃事業にまじめに携わる者として、人権を踏みにじり、名誉を著しく傷つける誹謗・中傷は断じて容認できるものではありません。
 しかし、人権尊重が叫ばれる一方で、今回の事件のように部落差別をはじめとした悪質な差別事件や人権侵害が後をたたないのも厳しい現実であり、このような具体的な差別現象や人権侵害の現実を直視し、様々な人権問題の解決に向けた取り組みを積極的に進めて行きたいと強く考えます。

 

格差の是正に取り組む

自治労・公共サービス清掃労働組合執行委員長 田辺 義人

 

 清掃労働者による行為だとしたら、非常に残念だ。 清掃下請けでは、社員の退職を正社員で補充せず、その穴を労働者供給事業や派遣の労働者などで埋めている。彼らは正社員と同じ仕事をしていながら、労働条件に大きな差がある。
 仕事上のトラブル、人間関係のもつれなどで、会社は簡単に彼らを解雇する。アンケートの回答でも、こうした事が指摘されている。毎日の仕事の中で、蓄積されている不満、不安が事件の背景にある事は、同じ清掃で働く者として、想像できる。
 格差の是正、人権意識の向上など、取り組んでいかなければならない。

 

職場を変える活動を

清掃・人権交流会 事務局長 西田 久

 今回の差別落書きは書いた人がどのような意識で書いたものかは断定できなかった。しかし、今の社会、今の清掃職場では差別事件が起こっても不思議ではないという背景が改めて明らかになった。
 非正規労働者の問題を同じ職場に働く者として、公契約のあり方、同一労働、同一待遇を主体的に考えなければならない。
 「絆」という言葉がよく聞かれる。人と人のつながりがなくなったところに差別は生まれる。
 私たちに突きつけられている問題を受け止め、職場に広め、職場を変えるため活動していきたい。