【ヨーロッパのお城… (1)】
ノイシュヴアンシュタイン城

やはり、ヨーロッパの城と言えば、第4代バイエルン王ルートヴィッヒU世が、国の財政を破綻させてまでワーグナーの楽劇の世界にのめり込んで築き上げたノイシュヴァンシュタイン城を真っ先に持ってこなくてはなるまい。人嫌いが嵩じて中世の騎士物語の世界に耽溺してしまった彼の人生は、悲劇の結末に終わったが、その端麗な白鳥のような姿をわれわれに残してくれた。
白鳥の姿にも似た騎士の城

門の前から眺めたファサード
中に入ると、各部屋ごとにワーグナーの楽劇に因んだ部屋作り、絵画が飾られているが、そこにわれわれが暮らすとなれば、いかがなものだろう。ルートヴィッヒU世の狂気が乗り移ってきそうな不気味さ。
玄関を入ったところには「ジークフリート」の壁画、書斎は「タンホイザー」の世界、居間は「ローエングリーン」、寝室は「トリスタンとイゾルデ」。
とくに夜。ローソクやランプの仄暗い光が届かない部屋の隅々には、彼の怨念が霧のように凝り固まって不気味な姿を見せそうな雰囲気で、到底、一夜も過ごすことは出来ないだろうと思う。
最初にノイシュヴアンシュタイン城を眺めた橋の下の深い渓谷には、一筋の瀧が流れ落ちていた。

城の裏手には深く切れ込んだ渓谷がある

ホーエンシュヴァンガウ村からは、ノイシュヴアンシュタイン城の門まで馬車が出ている。緩やかな坂道だが、歩いて登るとなれば約30分あまりかかる。私はちゃっかり馬車に相乗りしてトコトコと上がった。