米国B/R社 高純度溶剤リサイクルシステムの使用レポート

 

高純度リサイクルシステム9400PCA-12型を用いたキシレンの再生を経験しましたので報告致します。

 米国B/R社9400PCA-12型(白井松器機株式会社扱い)を用いて、主に脱パラフィンや染色系列で使用したキシレン、アルコール溶液、あるいはパラフィンや染色色素が混入した廃液(混合溶剤)を使用しました。10L の溶剤を約3.5時間で処理し、8Lの80%濃度のキシレンと不純液(エタノール成分)が回収されました。処理は、自動ですので特に人手はいりませんが、パラフィンや組織くずの除去を定期的に実施するメンテナンスが必要です。今回、再生したキシレンを脱パラフィン及び染色系列で使用してみましたが、特に問題はありませんでした。

 
エオジンが混じった廃液が無色透明な再生液として回収された
キシレン蒸留中のポットフラスコを示す
再生液を新日本環境計測に委託検査したところ以下の分析結果がえられました。
分析方法:GC-FID法

分析項目

単位

処理前
処理後

キシレン

W/V%

26.6
80.8

エタノール

W/V%

36.6

考察:今回再生に使用した廃液は、脱パラフィンや染色系列で使用した溶液が混在しており、廃液の濃度がキシレン26.6%、エタノール36.6%と低濃度であったが、再生後は80.8%の高濃度のキシレンが回収されていた。これは一般に市販されているキシレン一級と同程度の純度である。実際にこのリサイクルシステムを可動させる際は、使用したキシレンを使用目的ごとに分別したものを再生すれば、より高濃度のキシレンが回収できると思われる。現在の型はコンパクトになった9700型プロサイクラープラスがでておりキシレン用とアルコール用の二つのカラムが設置されており、一台でアルコール・キシレンの処理が可能とされている。尚、このリサイクル装置を使用した使用期間中では、一ヶ月のキシレン購入量が通常の半分ですみ、今後の病理検査室には、是非必要な装置と思われた。

関連文献:

病理と臨床 1999年 vol.17 no.6 P667
病理技術「病理検査室における有機溶剤の高純度回収」山崎友義 他

2000.3.11

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