
| 1.Sara's touch (5:51) [Mike Mainieri] |
| 2.Manhattan Update (7:15) [Steve Gadd] |
| 3.Hang Glidin' (8:00) [David Spianozza] |
| 4.Praise (7:10) [Warren Bernhardt] |
| 5.New Moon (8:27) [Warren Bernhardt] |
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●ビクター/Arista/BVCJ-5015
●Musicians
Key.Warren Bernhardt
Ds.Steve Gadd
G.David Spinozza(1/3)
Vib.Mike Mainieri(1/4)
B.Anthony Jackson(2/3)/Tony Levin(1/4/5)
Key.Pat Rebillot(2/5)
Perc.Errol "Crusher" Bennett
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1970年代後半、Fusionムーブメント全盛期にMike Mainieri(Vib)の周辺で活躍、80年代以降もMainieri/Michael Breckerの双頭バンドSteps Aheadの三代目ピアニストとして参加していたWarren Bernhardt。巨漢ながら繊細で目立つのが苦手な心や挿し木ピアニストであるBernhardtは幼少期からクラシック・ピアノを本格的に学び、後に転載ピアニストBill Evansに深く傾倒、そのピアノの腕前を磨いていたそうです。彼が本格的に私達の前に姿を表したのは1977年のMainieriのリーダー作「Love Play」からだったように想います。時代が時代でしたからアコースティック・ピアノに限らず、エレクトリック・ピアノやシンセサイザーも操るマルチ・キーボード奏者としてシーンに登場してきたというわけです。そして彼の名を一躍有名にしたのが1978年のMontreuaux Jazz Festivalでした。Aristaレーベルのミュージシャンを大々的にフィーチャーしたプログラムでのArista All Starsの一員に抜擢されたことからでしょう。そしてそれだけに留まらずMike Mainieriとのデュオでもステージに登場し、喝さいを浴びたのでした。その模様はAristaレーベルによってライヴ・レコーディングされArista Allstarsは「Blue Montreaux 1&2」として、またMainieriとのデュオは「Free Smile」としてリリースされたのです。「Blue Montreaux 1&2」はCD化され今日でもFusion期の名盤として人気の高いアルバムですが、残念な事に「Free Smile」の方は未だCD化されておらず長らく廃盤状態となっています。しかしMainieriとともにその叙情的な美しいサウンドは注目を集め、それから1年半後の1980年1月、Aristaレーベルの手で本作「Manhattan Update」が録音されることになったのです。そしてMainieriの作品や渡辺香津美のアルバムへの参加等を機会に日本でも注目を集める存在へ、それと相まって本作「Manhattan Update」もよく売れたようです。今日でもFusion系のサイト等の人気/評価はかなり高いものがありますね。 前置きが長くなりましたが、本作でも多彩なエレクトリック・キーボードを操る演奏も収められていますが、やはり彼の本領はアコースティック・ピアノでのプレイでしょう。アコースティック・ピアノをしっかりと鳴らし、美しく響かせるテクニックは実に見事としか言い様がありません。クラシック・ピアノの確かな技術とBill Evansを研究し尽くした事が実によく現れています。エレクトリックな演奏も決して苦手というわけではないのですが、その図抜けたピアノの腕前が反映されない分だけBernhardtには不利な印象を持たざるを獲ません。とにかく彼のBill Evans直系のアコースティック・プレイに注目していただきたい作品なのです。参加メンバーも当時のN.Y.シーンきっての超売れっ子の強者揃い。それも曲によってころころとメンバーを買えるのではなく(ベースだけ二人で分担していますが)、アルバム全体がすんなりと統一感を持った仕上がりとなっています。楽曲的にはMainieri、Gadd、Spinozzaが1曲ずつ持ち寄り、Bernhardtのオリジナルが二曲収録されていますが、それぞれに異なる切り口でBernhardtやメンバー達のプレイが楽しめる仕上がりを示しています。プロデュースを他人任せにせず、不器用ながら自らの手で行ったその実直で誠実な人柄がうかがえるような作品と言えます。ひんぱんに効く作品というわけではありませんが、時折無性に効きたくなる一枚です。ただ甘美なメロディだけと想ったら大間違いですよ! 1.Maike Mainieriのオリジナル。実に美しいメロディを持つバラード作品で、Minieri自身も「Wanderlust(1981年)」やStepsのデビューライヴ・アルバム「Smokin' In The Pit(1981年)」にも収録されているのでお馴染みの方も多い事でしょう。でも初録音は前述した「Free Smile」です。この美しいピアノの響きは間違いなく本物中の本物です。ここでのソロはJazz的というよりもかなりクラシック的な香りが強い演奏になっていますね。続くMainieriのソロがその分Jazzッぽい感じを出してるのかも知れませんね。SpinozzaのアコギもLevinのフレットレス・ベースも、控えめなGaddも実に繊細で音楽的な成熟度を感じさせてくれる繊細なプレイです。 2.こちらは一転して乗りのいい16ビートのナンバー。Gaddのオリジナルと言われれば確かにGaddの利かせど頃が実に多い曲ですよね。テーマはしんセで演奏されていますがソロはやはりアコースティック・ピアノでしっかりとしたタッチとフレーズで効かせてくれます。背後の獲れぴでのコード・ストロークと相まってなかなかドライヴ感のあるソロになっていますね。そしてこの曲ではGaddお得意のマーチ風のドラム・ソロがフィーチャーされていてGaddファンにとっては見逃せない演奏でしょう。ピアノ・ソロとエンディングのシンセ・ソロの背後でのGadd〜Anthonyのリズム・コンビの強力にドライヴするリズム・プレイもまさにこのコンビならではのものですね! 3.Spinozza作のオリジナル曲。浮遊感のある美しい響きを活かしたテーマ部とN.Y.風の小気味よいグルーヴを感じさせるサビの組み合わせの妙を感じさせてくれる曲です。Spinozzのデリケートなタッチのギター・ソロもとてもよく歌ういいプレイを効かせています。そして続くBernhardtの表情豊かなピアノ・ソロも美しい響きを聴かせる部分とジャジーなフレーズを聴かせるをうまく組み合わせたよく練り上げられたソロといった所でしょう。お得意のフランジャーをかけた音色でギターのような効果を生みだしたりGaddとの絶妙なコンビネーションを発揮したりとAnthony Jacksonも大活躍していますね。エンディングにかけては元気のいいSpinozzaのプレイも聴くことができます。 4.これもMontreauxでのライヴ「Free Smile」に収録されているナンバーで、Bernhardtのオリジナルです。クラシカルな部分とポップなフィーリングが見事に融合した佳曲です。メロはピアノ、バイブ、ギターで代わる代わる演奏されていますが、どちらにしてもいい曲である事に代わりはありませんね。ここでのBernhardtのピアノ・ソロはファンキーなフィーリングからじゃジーなフィーリングまでを見事に表現していて素晴らしいです!続くMainieriのソロも曲を十分に知り尽くしているだけに差すがといったところですね。Tony LevinとGaddのコンビもAnthonyとのコンビとはまた違ったグルーヴ感でご機嫌ですね。 5.多彩なエレクトリック・キーボード群を操りながらも優しくまどろむような雰囲気を感じさせるBernhardtの作曲センスが光るナンバーです。メロディの中心的役割を果たしているエレピのプレイですが、こえrまたGaddのStuffをイメージするプレイともなかなか相性のいい所を聴かせてくれます。バンド全体のダイナミクスを自由自在に使いこなす巧みさも特筆すべき点でしょう。そしてBernhardtのエレピ・ソロがまたなかなかいいんですよね。Richard TeeやDon Grolnickなんていう個性派ともまた微妙に違うんですけど、アコピとはタッチの感覚の違うエレピでのプレイも超一流を感じさせてくれます。終盤聴かれるホンキー・トンク・ピアノのソロはちょっと余分な気もしないではないですが、なかなかユーモラスですね(笑)。 正直な話、Bernhardtのような実力派がもっと評価されて然るべきだと想います。彼が本格的なピアノ・トリオ作品をどんどんリリースできるような環境とは言い難い今日の音楽シーンの状況は実に憂慮すべき傾向だと想います。私自身も気付かずにいたのですが、輸入盤ではまだ何枚か彼のリーダー作がリリースされているようなので、是非それも効いてみたいと想います。 |