◆Vinnie Colaiuta/Colaiuta◆
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Vinnie Colaiuta
Chick Corea
Herbie Hancock
Sting
John Patitucci
Michael Landau

1.I'm Tweeked/Attack of the 20 LB Pizza
2.Private Earthquake: Error
3.Chauncey
4.John's Blues
5.Slink
6.Darlene's Song
7.Momoska [Club Mix]
8.Bruce Lee1
1994年作品

●ユニバーサル・ビクター/MVCL-17007(GRS-00132)
●Musicians
Ds.Perc.B.Key.Vinnie Colaiuta
P.Chick Corea(6)/Herbie Hancock(7)
B.John Patitucci(4/6)/Sting(3)/Tim Landers(5)/Neil Stubenhaus(1/9)/Pino Paladino(2)/Sal Monila(7)
Org.B.David Sancious(2)
Key.David Goldblatt(4)
G.Michael Landau(1/8/9)/Mike Miller(4/5/6)/Dominic Miller(3/4/7)
Tb.Ron Moss
Sax.Steve Tavagliione(2/3/4/5/6/7)
Tp.Flh.Jeff Beal(4/5/6)
Perc.Bert Karl(7)
●コメント●
ジャンルを超えて引張りだこの超人気ドラマーVinnie Colaiutaの1stソロ・アルバムです。20年以上に渡るキャリアを持ちながら、ブレイクしたのは80年代後半以降というどちらかといえば遅咲きのデビュー作です。歌伴などのスタジオ・ワークも多い彼ですが、基本的にはインストの人といたイメージの強いドラマーですね。L.A.のスーパー・ドラマーJeff PorcaroやCrlos Vegaが亡くなってしまってからというもの、特にその人気度、注目度は増しているようですが、やはり歌伴でのプレイにはいまだ違和感がつきまといます。しかしKarizmaやStingバンド、Chick Coreaのトリオ等での演奏は実に活き活きとパワフルに、かつ繊細に彼の個性を発揮しているように思います。そして彼自身が天才的な閃きを持つ音楽家であるためか、リーダーシップの弱いセッション的なグループでの演奏では冗舌に叩きすぎて、あまりデリカシーを感じない部分もあるのですが、一度ツボにはまると、とんでもないエクセレントでスペシャルな空間へとバンドを運んでいってしまうとてつもないドラマーとなるのも事実です。

このアルバムでもその天才ぶりは遺憾なく発揮されているといっていいでしょう。全ての楽曲がColaiutaの作ということからも彼の並々ならぬ音楽的な資質が窺えると思います。参加しているメンバーも日頃から親交の深いる面々が顔を揃えています。Karizmaのメンバー、Stingバンドのメンバー、Chick Corea Akoustic Bandのメンバー、Herbie Hancock等々。そんなメンバー達の協力を得て、彼の独特の音楽世界が脈々と、一貫性を持った形として表現されているのは実に見事な物といえるでしょう。そしてセッション・ワークやRock系のサウンドからファンになった方には意外なほどJazz的な、いやJazz空間が広がっていて戸惑われるかもしれません。しかしChick Coreaのバンドでの経験が彼にとってとても大きな経験であったことはいうまでもありません。またFrank Zappaから学んだ事もはかりしれない大きさなのでしょう。そんなColaiutaの1994年時点での等身大の姿が本アルバムに反映されているのではないでしょうか。十分なインターバルを置いて、また次のアルバムを聴いてみたい感覚に襲われる独特の雰囲気漂うアルバムです。

1.これは・・・!!何て吹っ切れた感じのRockサウンドなんでしょう!セッション・ワークでは決して見せないMichael Landauの奔放でパワフルなギター・プレイもジミヘン・フリークならではの豪快な物ですし、Colaiutaもヘビーで切れ味鋭いリズムをたたき出しています。地をはうようなベースはLandau同様、現在Karizmaの同僚でにあるNeil Stubenhaus。この3人の生み出すパワフルでエキサイティングな空間には、しょっぱなから驚かされます。かねてから只者ではないとは思ってましたが、いやあ、こりゃ凄いです!そこいらのヘナチョコ・「プログレ」バンドなんかメじゃないですよ!

2.シーケンサー/リズム・マシンを使った同期物、いわゆるスムース・ジャズって感じの路線なんですが、これも結構凝っていて、なおかつとてもパワフルなんですよ。KarizmaのSax走者Steve Tavagloneのテナー・ソロがフィーチュアされていますが、それ自体は特にどうこういう内容ではありませんが、後半のPino Paladinoのベース・ソロのとその背後のVinnieの動きがなかなか面白いです。ループをうまく使って面白い効果を演出していますね。この人の頭の中身は一体全体、どういう風な構造になってるんでしょう!

3.Stingがベーシストとして特別参加している気だるいリズムと、どこか怪しげな雰囲気を漂わせるナンバーです。Tavaglioneのテナーは音色は実にいいんですけど個性的ではないのが残念ですね。この怪しげな雰囲気の中ベーシストStingのプレイにも良う注目です。かつてKarizmaのメンバーとして来日したMike Millerが参加していますが、これも取り立ててどうこういったプレイではありません。とにかくColaiutaのイメージする音世界のある種異様な、それでいてとても自由な感性を感じるナンバーです。自然な形で4ビートが消化されていて、Colaiutaの懐の広さ、引き出しの多さというのが浮き彫りにされています。

4.陰鬱な雰囲気を漂わせるナンバー。どこかかつてのMiles Davisを連想させるような二官の響きも不思議な間隔を倍加させていますし、ピアノで反復される不安定な響きの上でのVinnieのドラム・ソロの個性的な事!パワフルでもあり、テクニシャンでもあるのですが、ただそれだけでない何か特異な要素をこの人は持っているようです。Dennis ChambersやDave Weckl、Simon Phillipsといったテクニシャン達とよく比較されるColaiutaですが、セッション・ワークや他のバンドでは決して表さない秘められていた何かがこのアルバムで噴出しているように感じます。

5.ここでもやはり一種独特なColaiutaのジャズ・ワールドが展開されています。めちゃめちゃテクニシャンなのですけど、とてもしっかりしたJazzの基礎の上に成り立っているように思います。そしてやはり彼もまたTony Williamsの強い影響を受けていることが見て取れます。巧い、カッコいい、存在感もある、独特の個性もある・・・これだけそろっていればそれは熟れますよね!

6.繊細なシンバル・ワークとDominic Millerのアコースティック・ギター、Patitucciのアコースティック・ベースにChick Coreaのピアノが乗って、なかなか素晴らしいJazz空間が生まれています。Patitucciのソロの巧みさはいつもながらの安定感ですが、Millerの表情豊かなソロはなかなか秀逸です。Stingバンドでの寅松氏かなかったので新鮮な(*_*)があります。Chickのソロらしいソロがフィーチュアされているわけではないのですが、ピアノを美しく響かせるだけでもChickの存在感はしっかりと浮き彫りになっているのですから凄いですね。Colaiutaのドラミングも単にテクニックを披歴するのではない、とても音楽的で、とても豊かな音楽性を感じます。

7.エスニックな雰囲気満点のアフリカン・リズム(?)に乗せてHancockのピアノ・ソロが堪能できます。ちょっと残念なのはアコースティック・ピアノではなく、エレクトリック・グランドを使っている点でしょうか。やはり陰鬱な響きを持ったモーダルなジャズ的なアンサンブルとストリングスのアンサンブルがやはりとても不安定な間隔にさせますが、これもアルバムに一貫して流れているColaiutaの個性なのでしょうね。それにしてもHancockは何らかの意図を持って、あえてアコピを弾かなかったのか、それともまた何か違った理由があるのかちょっと気になります。

8.ここでのピアノもColaiutaが弾いてるのでしょうか・・・。まるでChick Coreaをほうふつとさせるような楽曲といいプレイといい・・・他の曲でも色々な楽器を演奏しているようですが、この見事なJazz感覚には本当に驚かされます。そして途中で出てくるLandauのギターも1で聴かれたように存在感も満点で、その自由でワイルドなプレイはなかなかいいです!そしてまたまた陰鬱なオーケストレーションに乗せて暴れまくるColaiutaのドラム・ソロも一人バトルを演出しているようで実にカッコいいです!

9.再び1と同じ3人のメンバーによるパフォーマンス。ジミヘンをほうふつとさせるようなサウンドをLandauが見事に表現しています。ヘビーな面だけでなく、ブレイクを多用して、何か意Sっユ独特の雰囲気を持ったメッセージが込められているようにさえ感じられます。メロディーらしいメロディーも、ソロらしいソロもないのですが、思わず引き込まれてしまうのはそのせいでしょう。何か妙な、突き放されるような尾張方もいかにも彼らしい・・・。

以前TV番組の中でStingやDavid Sancious、Dominic MillerのStingバンドのメンバーが口を揃えて「彼はクレージーだよ!一体何を考えて、何をやろうとしてるのか解らない事が多い。最高の技術と音楽性を持った素晴らしいドラマーだけど、とんでもない変わり者だよ。彼は色々な意味でスペシャルな存在なんだ。」って行ってたのを思い出しました。要するに奇人であり、変人であり、最高の音楽家であるVinnie Colaiutaを表現するのにはピッタリの表現のように思います。一歩間違うとかなり危ない雰囲気は曲の雰囲気や突拍子もない構成やエンディング、SEの使い方からも十分に感じ取れます。しかしそれが彼一流の演出なのか、それとも本質なのか、それはColaiuta本人だけが知っている事なのかもしれません。


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