Tom Scott/Intimate Stranger
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Tom Scott
Jaco Pastorius
Richard Tee
Eric Gale
Steve Gadd

1.Intimate Stranger(Suite) Part 1.〜Sudden Attractiom 1)Hi Steppers 2)Lost Inside The Love Of You
2.Intimate Stranger(Suite) Part 2〜A Day & Nite Out Together 1)Gettaway Day 2)Nite Creatures
3.Intimate Stranger(Suite) Part 3〜Loving & Leaving 1)Lost Inside The Love Of You(Reprise) 2)Do You Feel Now 3)Hi Steppers(Reprise)
4.Breezin' Easy
5.You're So Good To Me
6.Puttin' The Bite On You
7.Beautiful Music

1978年作品

●SME Records/Epic/SRCS 9539●
●Musicians●

Ts.As.Ss.Lyricon.Tom Scott
G.Eric Gale/Hugh McCracken
Key.Richard Tee/David Paich/Steve Porcaro
B.Jaco Pastorius/Gary King
Ds.Steve Gadd/Rick Marotta
Perc.Ralph MacDonald
Tp.Flh.Chuck Findley
& Background Vocals

●コメント●

 「New York Connection」や「Blow It Out」でStuffのメンバーを中心にしたメンバーによるご機嫌でファンキーなエンターテイメント路線を打ちだしたTom Scott。いかにも黒人らしいアーシーでブルージーなブロウを聴かせるGrover Washington Jr.とは対照的に、抜けの良い陽気な雰囲気のトーンで人気を獲得することに見事に成功。フュージョン・ブームの中ではMichaerl Breckerと並び、白人テナーマンの代表格といった扱いを受けた存在です。そのTomがN.Y.のお気に入りミュージシャンをベースに、Weather Reportで人気沸騰のJaco Pastorius(B)や、売り出し中だったTOTOの二人のキーボード奏者David Paich/Steve Porcaroをゲストに迎えて録音したアルバムが本作「Intimate Stranger」です。TOTOの二人とはL.A.のセッション・ワークで度々共演している関係なのですが、Jacoとの接点というとちょっと首を傾げる向きもあるのではないでしょうか?直接の因果関係、レコーディングの前後関係等はよくわかりませんが、Jacoのデビュー・アルバムはTomと同じEpicレーベルからリリースされていますし、1978年には{Michel Colombier/S.T.」で共演を果たしているので、その辺から実現したのでは?と創造しています。Jacoの参加トラックにはPaich/Porcaroの二人も参加しており、スタジオで共演していたかどうかはわかりませんが、実に珍しいJacoとTOTOメンバーとの共演ということにもなりますね。

 本作では恐らくTomとしては初めてとなるコンセプチュアルな組曲がLPのA面を占めているのが目新しい所でしょう。とは言っても、個人的にはJaco参加以外のナンバーでは、さほどそういった感覚を持たずに聴けてしまいます(笑)。当時CTIやColumbia等、様々な所でこのN.Y.リズム・セクションをイヤという程聴かされてきたのもあってか、本作にはさほど新鮮味を感じなかったというのが正直なところです。ただしJacoの参加トラックを除けばの話ですが。ここでのJacoのプレイは、Michel ColombierやFlora Purimのアルバム等で聴ける様な、実に美しいトーンで、独自の世界を創り出しています。少なくとも、このトラックばかりは主役であるTomの存在すら意識させないほどの存在感を放っています。恐らくそれはTomも重々承知の上での起用とは思いますが(笑)。今日においてもようやく国内盤は根強いJaco人気にも支えられて復刻となっていますが、海外版は長らく廃盤状態が続いています。恐らくはアメリカ本国でのセールスは思いの外良くなかったのかもしれません。正直な話、私もJacoの参加がなければこのアルバムを購入していたかどうかは、かなり怪しいものですから(爆)。とは言ってもJacoファンはこの1トラックのためだけにでも購入する価値は十分にありますし、Tomの安定したプレイ&サウンドは健在ですから、決して購入して損をするといったアルバムでないことも確かです。ただ、一部にはJacoが参加していること、意欲的にコンセプト・アルバムに挑戦していること、この二点を必要以上に強調して「Jazz/Fusionの名盤」的な扱いする向きもあるようですが、個人的にはそれほどのアルバムとは思いませんけど・・・・。

1.(a)冒頭からライヴ仕立てのお馴染みのファンキー・サウンドが飛びだしてきます。この独特なリズムの味わいはGadd〜King〜Tee〜Gale〜MacDonaldならではの物で、時代を感じはするものの、やはり他ではそうおいそれと出せない味がありますね。ここではTomのテナー&リリコンのプレイがたっぷりとフィーチャーされていますが、個人的にはやはりリリコンでのプレイにOne & Onlyの魅力を感じてしまいますね。
 (b)(a)がフェード・痾宇土していき次に現れてくるのは、いかにもTom & Stuffといったメロウな美しいバラード・ナンバーです。ここではTomのメロウなアルトがフィーチャーされていますが、テナー/アルト/ソプラノ/リリコンを持ち替えて、そのどれもがしっかりとTom印のプレイなのにはつくづく感心させられます。極力ビブラートをかけずにストレートにテーマを吹ききるのは流石ですね。ここではEric Galeのアコースティック・ギターによるソロが素晴らしいです!確かに何処出聴いても同様のワン・パターンではありますが、この手のソロを弾かせたらもう他の追随を許さない名人芸ですよ、全くもって!

2.(a)今度は素プアのに持ち替えて軽快なグルーヴに乗せて歌うTomのプレイが印象的です。短いソプラノ・ソロもしっかりとした構成でまとめあげているあたりは見事です。1(b)から引き続きRichard Teeのえエレピが実に効果的です。
 (b)Teeのハモンド・オルガン、McRackenのスチール・ギターがファンキーでありながら独特のサウンドをお膳立てしていますね。Tomお得意のワンマン・サックス・セクション+αが乗っかると、これぞまさにTom印のファンキー・ホーン・サウンドの出来上がりと言ったところですね。何処かで聴いたようなメロディではあるのですが、ついつい乗せられて最後まで聴かされちゃうんですよね(笑)。

3.(a)Jacoの美しいベース・ソロから、そこにPaich/Porcaroのシンセ・サウンドがかぶさって。Jacoワールドが展開されていきます。ドリーミーでいて、どこか哀愁を感じさせるメロディ・ラインもJacoにピッタリとハマっていますね。短いトラックではありますが大きな聞き所となっています。
 (b)Tom自身のヴォーカルをフィーチャーしたナンバーです。決して上手な歌という訳ではありませんが、甘いメロディ・ラインと頼りなげなヴォーカルが実にいいマッチングを見せています。これはもう一工夫でシングル・ヒットしても不思議じゃない曲ですよね。女性コーラスやホーン・アンサンブルの使い方もなかなかカッコいいですし、テナー・ソロも十分に効果的です。この辺をすっきり整理すれば一般受けしたのかもしれませんね(笑)
 (c)1(a)を受けてのライヴ仕立ての締め括り部分です。ここでお馴染みのN.Y.リズム・セクションのメンバー紹介がされているのも面白いですね。

4.組曲が終わったところで、いつものポップでご機嫌なTomサウンドに戻るわけですが、そう大きく雰囲気が変わるという訳でもありません(笑)。シングル・ヒットしそうな位にポップなメロディをTomのアルトがしっかりと歌い上げています。全体にやはりTeeのエレピの響きとフィルがとても個性的でいい味出していますね。これまたOne & Onlyの職人芸の持ち主ですからね!出だしと間奏部で出てくる鳥の鳴き声みたいな音はRalphが出しているんでしょうかね?面白い効果をあげています。

5.ゆったりとしたリズムに乗ってTomのテナーが朗々と歌い上げています。序盤はシンプルに抑え気味なリズムですが、次第にStuff風のリズムへと変化していくのが妙におかしかったりします。ここでは実にいい感じにMcRackenのスチール・ギター&ハーモニカがフィーチャーされていて、そのユニークな個性をしっかりと発揮しています。この人ももっと評価されて然るべきミュージシャンの一人ですね。Tomが自分のソプラノ・ソロでフェード・アウトしていく決断をするのも納得がいきますよね(笑)。

6.ちょっとハード・ボイルドなタッチのメロディを、またまたワンマン・サックス・セクションに、サビ部分とソロはリリコンで演奏されています。このTomの楽器の洗濯というのもまた巧いんですよね!ここにリリコンが入るといいなあ、と思っていると大抵ドンピシャそこにリリコンがハイってくるといった感じで、さすがにプロデューサーとしての力量もかなりの物ですね。ここでエンディング近くでフィーチャーされているのはMcCracken?なんかGaleっぽくないですから。

7.アルバムの最後は乗りのいいご機嫌なファンキーなリズムと陽気なメロディを合体させたTomならではのサウンドで締め括られています。ここではRichard Teeのアコースティック・ピアノが、あのStuffでお馴染みのファンキーなフィルを随所に聴かせてくれていて、もうメチャメチャ格好良いです!ここではTomのファンキーなリリコン・ソロがたっぷりフィーチャーされていますが、珍しいところでChuck Findley(Tp.Flh)のソロがフィーチャーされています。この人、実に数多くのアルバムにホーン・セクションの一員として参加している人で、音色の美しさ、音抜けの良さは絶品ですね!こういう人にスポットを当てちゃったりするTomって、きっとメチャメチャいい人なんでしょうね(笑)。明るく楽しく、実にいい余韻を残してアルバムは幕を閉じていきます。

なんやかや言っても私は結構Tomのアルバムは聴いているんですが、小難しいこと抜き荷して、エンターテイメントして割り切って楽しむ分には非常にクオリティの高い作品を安定して創り出すことにかけては抜群の腕を発揮する超一流の職人、を感じさせてくれるミュージシャンです。妙にコンセプト・アルバムを意識せずに気楽にその職人芸を楽しむのがいいんじゃないでしょうか?購入をお考えの方は、再び廃盤にならないうちにお買い求めください(笑)。



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