◆Steve Khan/Tightrope◆
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⇒Steve
Khan
⇒David
Sanborn
→Randy
Brecker
→Michael
Brecker
⇒Don
Grolnick
⇒Bob
James
⇒Will
Lee
→Steve
Gadd
⇒Ralph
MacDonald

| 1.Some Punk Funk |
| 2.Darlin'Darlin'Baby(Sweet Tender Love) |
| 3.Tight Rope |
| 4.Big Ones |
| 5.Star Chamber |
| 6.Soft Summer Breeze |
| 7.Where Shadows Meet |
| 1977年作品 |
●CBS SONY/Columbia/25AP 797
●Musicians
G.Steve Khan/Jeff Mironov/David Spinozza
Ts.Michael Brecker
As.David Sanborn
Tp.Randy Brecker
Key.Don Grolnick /Bob James
B.Will Lee
Ds.Steve Gadd
Perc.Ralph MacDonald - Percussion
●コメント●
The Brecker Brothers Bandの2ndアルバム「Back
To Back」で大きくソロをフィーチュアされ、話題となったSteve Khanというギタリスト、実は幾多のスタンダード・ナンバーを手がけた作詞家Sammy
Khanの息子という事で、端役から音楽に親しみN.Y.シーンではBS&Tに在籍したり、CTI/Kudu系のセッション・わーく等でも既に活躍をしていた実力派です。このColumbiaでの1st〜3rdではどんどん成長、発展していく彼の姿が非常によく表れています。そしてLarry
CoryellとのDuoでも有名なアコギの腕前もかなりの物です。Khanを当時のジャーナリズムはフュージョン・ギタリストという評価を下していましたが、彼の本領はやはりJazzギタリストなのだと思います。80年代二入るとすぐ、脱フュージョン的な方向へどんどん加速していき、あの伝説のEyewitnessやMike
Sternのプロデュースなどで、その手腕を発揮していくのですから。そんなKhanの記念すべきソロ作第一弾がこのアルバムです。バックアップしているBrecker
Bros.の面々をはじめとする錚々たるミュージシャン達と臆せずに渡り合えるというのは決して只者ではありません。強心臓もさることながら、確かなテクニックとセンスに裏打ちされた緻密な音楽性がこのデビュー作からも十分に感じ取ることができます。
1.ファンク系のベース・ラインなのに、何故かハネないリズムがロック的な雰囲気を醸し出しています。Michael Breckerのテナーも実に幻想的でJazzっぽく効果的に演出していますし、エフェクトを使ったソロではファンキーでパワフルな面もたっぷり効かせてくれます。そして本作の主役であるSteve Khanのギターはというと、決してテクニックを前面でひけらかすようなプレイはせずに、メロディアスに歌い上げる事を第一に考えた実に落ち着いたソロを取っています。決して難解なJazz的なスケールを駆使するでなく、比較的Rock依りのアプローチが感じられるナンバーとなっています。途中から次第にWill Lee(B)Steve Gadd(Ds)のリズム・コンビがいい感じでハネていたグルーブを出してきて前半と少し雰囲気を変えているようですね。実に細かい所にまで神経を使っていますね。
2.今度はガラッと雰囲気を変えてゆったりとしたテンポ、ダイナミクスを効果的に使ったJazzっぽい音色で効かせてくれます。サビ(?)の部分でDavid Sanbornを効果的に挟んで、ソロというよりもフェイクみたいな感じで起用していますが、これが実にSanbornにピッタリのシチュエーションとなっていてとてもいい演奏になっています。Khanのソロは実に表情豊かでジャジーなトーンで他のギタリスト達とは全く異なった個性を発揮しています。音遣いや歌い回しに彼独特の味があって、それがストレートに出ている感じです。Don Grolnickのエレピが実にいい感じで効いています。
3.ちょっと面白いリズムと、オリエンタルなムードすら感じさせるメロディー、そしてそこにいかにもBrecker Brosというホーン・セクションが不思議と気持ち良くマッチしているんですよね。ここでのKhanのソロのバックでの Will Lee(B)とSteve HGadd(Ds)の動きはなかなかどうしてスリリングに聴こえます。特にSteve Gaddはお得意フレーズのオンpレードといった感じですね。Khanのソロは、ペンタトニック・スケールを基本にしたちょっとLarry Coryell的な雰囲気を感じるソロですね。ただ音色の作り方や決して直情的にならない冷静沈着さはKhanの方に軍配を上げてしまいますね、私は。
4.個性的にハネるWill Leeのベースが非常に印象的なナンバーです。この頃この手のエフェクトをかけたファンキーに跳ねるベースは引っ張りだこでしたね。とてもクールな感じのホーンもカッコいいですが、先発で飛び出してくるのはDavid Sanbornのロング・ソロ!ここでは決して直情的にならずに、よく構成を錬ったクールなソロがたっぷりと聴けますよ。KhanのドロもSanbornのソロをモチーフにしたかのようなフレーズを連発していて、よく歌うソロに徹しているのがいいですね。でも、もうちょっと弾きまくってくれてもいいような気もしたりして(笑)。
5.ジャジーな雰囲気を漂わせるメローな味わいのソプラノ・サックスは珍しくもMichael Breckerが吹いています。ここではKhanはアコースティックのソロを帰化してくれていますが、音遣いはエレクトリックそのままですが、非常に表情豊かなアコギの腕前は非常に素晴らしい、高いレベルにある事が解ります。そういえばMichaelはこのSteve KhanのアルバムやBilly Cobham、Al Fosterのアルバム等数える程しかソプラノでのソロを残していないんですよ。最近ではまずないでしょうね。
6.このアルバム中で最もメロウで、いかにもフュージョンといった感じに聴こえるナンバーです。軽快でちょっと気恥ずかしくなる位の甘ったるさすら感じるテーマですが、ちゃんと後半からはどこか怪しげな雲行きになってきて、おどろおどろしい展開に(笑)。この甘い部分でのソロはかなり硬めのジャズ系のトーンでひたすらメロウな味わいで、そして怪しげな部分では歪ませたRock系のトーンで、音遣いもかなりRock系の雰囲気を出してますね。でもこの人の音遣いは、基本的に何処かかなり怪しげな雰囲気の方が似合ってるような気がするんですよね(笑)。ジャズやってもロックやってもちゃんとその怪しさが顔を出す、強烈な個性です!
7.実は私、この曲結構好きなんですよね。リズム・アレンジがとてもJazzっぽい雰囲気を持っているナンバーです。Khanのソロの背後で動き回るWill Lee/Steve Gaddのリズム隊、揚げ句の果てには4ビートにまでなっちゃうなんて、思わず笑っちゃいます。ちょっとだけですが、滅多に聴けないWill Leeのウォーキング・ベースですよ!Khanのソロもソリッドな感じのジャズっぽい雰囲気満点のソロですが、どうもこの曲はソロを聴かせるというよりも曲やアレンジを聴いて欲しいという感じで、あまりソロには執着していない様子が見て取れます。
何度も繰り返し聴いていると70年代のあの熱い頃の記憶が蘇ってきます。Brecker Bros.を中心とするムーブメントの中から飛びだしてきた個性的な実力派Steve Khanのその後の活躍は本当に凄かったですから。1978年のモントルーでのCoryellとのアコースティック・デュオのアルバムや、2nd,3rdもなかなか充実した無いようでした。何れも本作参加メンバーを核にしての作品ですが、あまり触れませんでしたが、Don Grolnick(Key)とRalph McDonald(Perc)の存在も実に大きいようです。Ralphは何気にGaddとのコンビ・プレイや、是つめようなカラリング、Grolnickも音色&グルーブで縁の下の力持ちぶりを存分に発揮していますよ。2nd/3rdも続けて聴いてみるといいかもしれませんね。