
| 1.Breakaway |
| 2.Casa Loco |
| 3.Penetration |
| 4.Some Sharks |
| 5.Uncle Roy |
| 6.Suitcase (For Folon) |
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●Polydor/POCJ-1895
●Musicians
G.Steve Khan
B.Anthony Jackson
Ds.Steve Jordan
Perc.Vo.Manolo Badrena
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「なんじゃ、これ?」最初にこのアルバムを聴いた時の印象です。結局2〜3度聴いただけで売ってしまいました(笑)。そしてCDで復刻されたアルバムを再び購入した時も、正直ピンと来なかったアルバムでした。それが、久しぶりにCD棚から引っ張り出して聴いてみると、意外や意外、ハマってしまいました(笑)。Eyewitnessの1st & 2ndは結構お気に入りなのですが、エレクトリック・ドラムの仕様や、表面上ガラリと変わったサウンドに騙されていたのかもしれません。かつて70年代後半にはColumbiaレーベルから3枚のリーダー作を発表するなど、フュージョン・ギタリストとして将来を嘱望される存在として活躍したSteve Khanが80年代に入って、日本国内レーベルの企画制作によりリリースしたEyewitnessのアルバムは、80年代の新しいJazzの姿を感じさせるに十分の手応えを持った作品でした。出ニュー作となる「Eyewitness」、そしてライヴ盤「Modern Times」と、彼等のサウンドにはかなりハマったものでした。そして3rdとなる本作では、それまで拘りを見せていた「Jazz」を、あっさりと捨て去ってしまった様に見えたからなのかもしれません。派手で刺激的なエレクトリック・ドラムやシンセサイザーの使い方、Badrenaのヴォーカル&ヴォイスをフィーチャーしたワールド・ミュージック的なアプローチ、そして何よりもアルバム全体を貫く立て乗りの強烈なグルーヴは、1stや2ndとは明らかに異質な物を感じさせます。しかし、見せかけのサウンドこそ様変わりしたものの、浮遊感や奥行き感広がり感、そして色彩感、緊密でスリリングなインタープレイ/インプロヴィゼーションというEyewitnessの音楽の持つ本質はどっしりと揺らいでいない事に気付きます。あくまでもバンドの独自性を高めるためのサウンド・デザインの一部に、私も惑わされていたに過ぎなかったようです。 後にRock/Pop系の売れっ子セッション・ドラマーとして大成する事になるJordanの端緒も見て取れますし、ビートこそ違えAnthonyの強力無比のグルーヴも相変わらずですし、Badrenaのヴォーカル/ヴォイスはWeather Report時代からの強烈な個性の一つでもあります。それらを余すことなく見事に活かしきったKhanのアイディアというのは見事に的を射た物と言えるでしょう。そして、そのわうんどに乗せてゆったりと大きなグルーヴを感じながらプレイするKhanは、それまで以上にシンプルでよく歌っているように思えます。独特の音遣い、響きはそのままに、空間を活かし更に想像力を膨らませるサウンドへと進化しています。4ビートであるか否か、アコースティックかエレクトリックか、とかいった次元ではなく、純粋に創造的に音楽するという原点を見つめ直し、研ぎ澄ました結果、生まれたサウンドと言えるのではないでしょうか?そして当時その進化のスピードに私は付いていけていなかったという事を改めて思い知らされました(笑)。おそらく本作である程度の到達点を見たからなのでしょうか?この4人のオリジナル・メンバーによるアルバムは本作で最後となりました。その完成度の高さは、エレクトリック・ドラムの時代を感じさせる音以外は非常に高いレベルにあると思います。つまらない先入観抜きで、彼等の音楽に耳を傾ける事が出来さえすれば、本作にはとても多くの宝物がぎっしりと詰まっています。 1.3分強のアルバム中最短のトラックながら、アルバム全体のイメージを示唆するようなサウンドとなっています。シンプルなエレクトリック・ドラムにAnthonyの強力なグルーヴを発するベースが滑り込んで来て、立て乗りのグルーヴ全開!時にリズミカルに、時に幾何学文様を嗚もさせるようなKhanのギターが、実に心地よさ気に乗っかり、Badrenaのヴォイスが、パーカッションが大地の匂いを振りまいてEyewitnessサウンドが構築されていきます。このグルーヴを感じるだけでも十分お腹いっぱいになれるトラックですね。 2.一転ゆったりとしたグルーヴに乗せて、トーンを巧みに切り替えながら独特のKhan節が炸裂してます。大きなグルーヴに包まれる中、それぞれの個性を十分にフィーチャーしながらのインタープレイ空間が次々と切り替わっていく様は、あたかもスライド・ショーを見せられているかの様です。Jordan/Badrenaの一体となったり、個別の持ち味を発揮したりといったリズムの面白さや、Anthony独特のテンション感の高いベース・ラインとKhanのフレーズの対比、Badrenaのヒューンな声もとても効果的です。途中たっぷりフィーチャーされるJordanのドラム・ソロもBadrenaのパーカッヨン・ソロも、メロディを感じさせる実に素晴らしいプレイです。聴き手の根源的な感覚に訴求して、不思議な安らぎ感を感じさせてくれる音楽です。 3.これってきっとヴェンチャーズを意識したサウンドなんでしょうね。トリッキーな様でいて、とてもナチュラル&シンプルにすっと入ってくるポップなメロディ・ラインとあざといコード・ストロークを巧みに操るKhanのプレイが素晴らしいですね!シンプルなリズムの上でのKhanのソロは音遣いもユニークで実に面白いですね。決して安易なポップ・サウンドというわけではないのですが、とても素直に音楽に引き込まれてしまう自分を感じてしまいます。全体に波のイメージを強く感じさせてくれるトラックです。 4.南米の香りを強く発散するBadrenaのヴォーカルを大きくフィーチャーしながらもスリリングなインタープレイや強烈なグルーヴは更に加速していきます。静と動、そしてダイナミックスの表現をフルに使ったサウンドは腕達者の彼等の特徴を見事に表現していますね。AnthonyのテクニカルなフレーズとKhanのソロ・フレーズがもつれあうように複雑に絡み合うあたりは、もうあまりのスリルに背筋がゾクゾクしてきますね!彼等のリズム/グルーヴはまさにパルスとなって聴き手に押し寄せてきますね! 5.このトラックが従来のEyewitnessの路線に最も近い感じですかね?この空間の奥行き、広がりを感じさせるサウンドはそうそう体験できませんね。ここでのKhanによるギターのテーマは日本やアジア各国の子供の遊び歌のような味わいを持っていて不思議な魅力を感じます。シンプルなリフの繰り返しの中での各人の動きがなかなかスリリングです。とりわけAnthonyお得意のフランジャーをかけたトーンでのふれージングには痺れます!そして間を活かしたKhanのモーダルなアプローチのギター・ソロの世界は圧倒的な個性を発揮しています。安らぎ感と不安定感を往き来しながらKhanにしか表現できない世界を構築して見せてくれます。とても視覚的な音楽を感じますね。 6.1ほどの強烈さはないものの単調なフレーズの繰り返しを上手く使ったリフをベースに不思議な音世界を作り上げています。メカニカルなようでいて、どこかのんびりとしたヒューマンな味わいもあって、とにかくこのユニークな音世界に引きずり困れてしまいます。KhanとAnthonyのまるでツイン・ギターの様な部分ではシンプルでパワフルなビートで、Badrenaのヴォーカルをフィーチャー下部分ではのどかでヒューマンな味わいのリズムとカラリングで、とことん個性的なサウンドを織り上げていきます。これだけ個性的なグループってWeather Report以外にありましたっけ? 幸いにして私はたまたま国内盤が最初にCD化された時に購入したアルバムだったのですが、今では長らく復刻もされず非常に入手の困難なアルバムとなっているようです。元々アルバムの企画制作を行っていた国内レーベルが倒産する等の諸事情もあったようですが、80年代のシーンにおいて非常に重要なグループなだけに、是非とも復刻を望みたいところですね。 |