◆Stanley Clarke/Journey To Love◆

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Stanley Clarke
George Duke
Jeff Beck
Chick Corea
John Mclaughlin
Steve Gadd
Lenny White

1.Silly Putty
2.Journey To Love
3.Hello Jeff
4.Song To John Coltrane(Part 1)
5.Song To John Coltrane(Part 2)
6.Concert Eor Jazz/Rock Orchestra
 a.Part 1
 b.Part 2
 c.Part 3
 d.Part 4

1975年作品

■EPIC/SONY/ESCA 5233

■Musicians■

B.Vo.Key.Perc. Stanley Clarke
Key.Chick Corea/George Duke
G.John McLaughlin/Jeff Beck/David Sancious
Ds.Lenny White/Steve Gadd
Horn. Lew Soloff/Jon Faddis/Tom Malone/David Taylor/Earl Chapin/John Clark/Alan Rubin/Wilmer Wise/Peter Gordon
 

●コメント●
前作「Stanley Clarke」ではTony Williams(Ds)Jan Hammer(Key)Bill Connors(G)Airto Moreira(Perc)というメンバーで、どちらかというとRock的なアプローチを大胆に押し出してみせたStanley Clarkeでしたが、2ndでは一味違った方向性と興味深いミュージシャンを曲に応じて使い分けて、これまた斬新なClarkeの世界へ誘ってくれます。前作では上記のメンバーを固定し、敢えてChick CoreaやLenny Whiteを起用していなかったわけですが、それは名目上の1stソロ「Children Of Forever」が実質的にはChickのアルバムに仕上がってしまった事に起因しているのではないかと思います。しかし前作を通じて自らのサウンドに地震を深めたClarkeは、あくまでも自分がプロデューサーとしてレコーディングを仕切り、本作では以前の轍を踏んではいません。そして何と言っても本作で最大の話題を読んだのはRock界のスーパー・ギタリストJaeff Beckの参加でしょう。後に1978年Jeff Beck/Stanley Clarkeはバンドを組んでワールド・ツアーに打って出ますが、おそらくここでのセッションがその端緒となったのでしょう。そして1980年代に入って双頭バンドを結成することになるGeorge Duke(Key)が参加している点もサウンドに大きな変化をもたらしています。Rockセンスに長けたJan Hammerからファンク色の強いGeorge Dukeへの変更は、全体のグルーブにも、かなり大きな変化をもたらしています。そしてChick Corea,John McLaughlinとClarkeのアコースティック・トリオによるJohn Coltraneに捧げた4.5.ではスピリチュアルかつスリリングなインプロビゼーション&インタープレイの応酬をじっくり聴かせてくれていて、Jazzベーシスト/アコースティック・ベース奏者としての高い資質を惜しみなく発揮してくれます。無論Chick CoreaもJohn McLaughlinも最上級の演奏でClarkeの期待に見事に応えているのも見事です。そしてラスト・ナンバーでは前作同様、壮大なJazz/Rockオーケストラ・ナンバーで締めくくるという、流れとしては前作を踏襲した仕立てにはなっていますが、一段とスケール・アップしたClarkeの様々な放免に対する意欲と野心がよち強く表現されているように感じられます。そしてさらに煮詰めてシンプルかつワイルドに、そしてポップな表現へと方向を定めた3rdアルバム「School Days」へと続いていく道筋が本作でしっかりと地固めされたのも間違いありません。

1.いあかにもSteve GaddというドラムとClarkeの癖の強いチョッパーでアルバムは幕を開けます。やはりDukeが参加してリズムはROck的はありますが、黒っぽいファンク・フィーリングが強くなっているように感じられますね。テーマはDukeのシンセで演奏され、バックでど派手なホーン・アンサンブルが突き刺さるように現れてきます。Dukeの闇ビネットのリズミカルなフレーズによるソロ&バッキングとClarkeのチョッパーを駆使したソロが交錯し、ClarkeのソロにDukeがクラビでファンキーなバッキングをつけるといった演出も盛り込まれていて、そのあたりはなかんかカッコいいですね。ワウをかけたクラビで、実にシンプルでファンキーなグルーブを作り上げるDukeのリズムはメジ協力です!

2.Clarke自身のボーカルをフィーチュアしたナンバーです。ミステリアスでスペーシーな雰囲気を持ったなかなかよくできたメロディのナンバーです。この曲にはRock界のギター・ヒーローJeff Beckが参加していて、いつもとは一味違ったプレイでグイグイ聴き手を惹き付けていきます。二人の出会いについては詳しくは知りませんが、ここでのBeckのプレイには、さすが・・・と唸らせるだけのものが十分に詰まっていますね。2ndソロはギター・ライクなシンセ・ソロで、恐らくGeorge Dukeだと思います。Jan Hammerのアプローチとは随分と違いますが、いかにもギタリストが考えそうな音/フレーズを駆使してJeff Beckのソロに対抗しています。それにしてもメロといい曲の構成といい実によく考えられた曲/アレンジですね。

3.ClarkeとJeff Beckの二人を大きくフィーチュアしたナンバー。2と打って変わって今度はJeff Beckのお得意のストレートな8ビートのナンバーでC、ギター・ヒーローJeff Beckの本領を発揮しています。ベースのメカニカル&テクニカルなプレイは確かに凄いとは思いますが、アレンビック・ベースでバチンバチン弾きまくるClarkeのベースは、ワイルドを通り越して、ちょいとやり過ぎで下品な感じまでしてきちゃいますね。このナンバーの聞き所はやはりJeff Beckのギター・プレイに尽きるといった感じです。

4.2部構成のアコースティック組曲のPart 1。Coltraneに捧げる鎮魂歌のように美しく、深い精神性を感じさせるテーマをClarkeはアコースティック・ベースのアルコ奏法で、そしてMcLaughlinのアコースティック、ギター、Coreaのアコースティック・ピアノと引き継いでいきます。もちろん三人とも単純な旋律の繰り返しではなく、大胆にフェイクして、いずれももう立派なソロといっていいほどのプレイを聞かせてくれます。そして各々のソロのバックでは堅実に、そして静かにではありますが、旋律をより際立たせるために実に緻密であり創造的な音空間が構築されているのですが、おそらく主旋律、コード進行程度の打ち合わせを元にした即興演奏でしょうし、まさに高い芸術性を持った見事な演奏に思わず溜息をついてしまうほどです。1〜3とは全く異なるシリアスな音楽家三人の楽器を通じての会話のクオリティの高さは本当に圧倒的としかいいようがありません。

5.モーダルな雰囲気を持ちながらも軽快で躍動的なリズムを持つナンバーです。Clarke/McLaughlinがユニゾンでテーマを演奏した後、Corea→McLaughlin→Clarkeの順に交互にソロを回しながら、互いのフレーズを引き継ぎながらまるでウィrトに富んだ会話を楽しんでいるかのようです。その即興演奏の質の高さといったらもう4とは違った緊張感を保ちながら高い芸術性を保持していて、これまた見事な演奏になっています。しかもソロのフレーズの緻密な構成力、発展性ばかりでなく、三者が阿吽の呼吸でバッキングのリズムを支え合い、ソロイストもそのリズムを活かしたリズミカルなフレーズでグルーブ感、疾走感を生み出しているのですから、もうここまで来ると私なんぞのような凡人にはただただ信じられない神業としか考えられない領域のプレイとしか云いようがありませんね。エンディングは三者の息の合ったテクニカルなフレーズのユニゾンでビシッと決める所は決めていて、もうこの全くといっていいほど隙のない見事な演奏は体操競技ならなさにオール10点満点といったところでしょう。

6.前作に引き続き、壮大なスケールを持つ大作の組曲です。DukeのピアノとClarkeのアコースティック・ベースが美しく神秘的に響くオープニング。そしてボーカル(ハミング?)をフィーチュアしたり、ど派手なブラス・セクションをフィーチュアしたりと巧みな構成で練り上げられたサウンドはやはりアルバム中の白眉といえるでしょう。基本的には各パートでClarke/Dukeが大きくヂーチュアされ、節目節目でホーンとGaddのドラムが大活躍という感じですね。個人的にはClarkeのソロよりもDukeのエレピ/オルガンでのバッキング、Steve Gaddのパワフルかつエキサイティングなドラミングが最も印象に残ります。George Dukeのピアノってとてもいい響きしてるんですよね。リズミカルなプレイだけでなく、叙情的なプレイでも実に美しい響きを聞かせてくれていますね。

Clarkeのエレクトリック・ベースのプレイはあまりにアクが強すぎて好きにはなれないのですが、この人のアコースティック・ベースはもっともっと表舞台に出てきて欲しいですね。確かに前作、そして本作と非常に高い策編曲能力の持ち主であることも事実なのですが、とことんアコースティック・ベース・プレーヤーとしてのClarkeの凄さ、素晴らしさ聴かせて欲しいですね。Chick Corea/Lenny WhiteとNancy Wilson(Vo)の共演映像でのClarkeのプレイは本当に見事ですよ。アコベ一本でNancyの歌う「Yesterday」のバッキングを努めたプレイはテクニックもセンスも抜群のものを感じさせてくれていますから。アレンビックのあの音はもう十分過ぎるほど聴きましたから(笑)。


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