
| 1.Godzilla vs. King Ghidarah |
| 2.The Farther He Goes, The Farther He Falls |
| 3.Slipping Down |
| 4.Highway Roller |
| 5.Free Fall |
| 6.Coming Through |
| 7.Close Enough |
| 8.The Imperial |
| 9.The Making of "Coming Through" |
| 2002年作品 |
●Inside Out Music/6533
●Musicians
Key.Ryo Okumoto
G.Steve Lukather/Michael Landau/Jun Sumida
G.Vo.Alan Morse
B.Dave Meros/Dave Carpenter
Ds.Simon Phillips/Sage Okumoto
Ds.Vo.Nick D'Virgilio
Vo.Glenn Hughes/Bobby Kimball/Neil Morse/Michael Mishaw
As.Doug Webb
Ts.Andy Suzuki
Tp.D. Jon Papenbrook
●コメント●
元Creationのメンバーでキーボード・プレーヤー(現L.A.在住)の奥本 亮のニュー・アルバムが届きました。現在Spock's
Beardというプログレ・バンドでヨーロッパを中心に人気を集めており、またL.A.ではBobby KimballのライブのサポートやNatalie
Cole(Vo.)のサポート等でも活躍している日本人プレーヤーです。1980年代初頭にはJay Graydon(G)David
Foster(Key)Jeff Porcaro(Ds)Steve Lukather(G)等の錚々たるメンツを得て「Makin'
Rock」というソロ・アルバムをリリースしていますが、CD化・再発の声が大きいものの未だに実現していません。
正直なところ、彼の音楽的なバックグラウンド等の詳細については不勉強であまり詳しい事はわかりませんが、このアルバムを利くかぎりは、ジャンルにとらわれない柔軟な音楽性とハード・コアな音作りには非常に共感を覚えます。この手の音楽に「プログレ」とか「フュージョン」とかといったレッテル貼りをするのは容易なことなのでしょうが、そういった事に無頓着に、やりたい音楽をのびのびと楽しみながら作ったアルバムといった印象を受けます。壮大なオーケストレーションを施したシンセ・サウンドやオルガンの多用等からはプログレ的なニュアンスを感じられる部分も確かにありますし、アコースティック・ピアノ/アコースティック・ベース、ドラムスのトリオ演奏等からはJazz/Fusionへの憧憬のようなものも強く感じ取れる部分も多いですし、彼を始めゲスト・プレーヤーのインプロビゼーションを大きくフィーチュアしている点も大きな特徴の一つで、彼のチャレンジ精神が非常に良く表れていて、楽しめる音作りになっています。
1.荘重なシンセによるオーケストレーションで幕を明けますが、奥本(Key)Simon Phillips(Ds)Dave Carpenter(A-Bass)のトリオ演奏がなかなかスリリングです。アコピのソロではJazz的なアプローチをしているものの、さほどJazzテイスやスウィング感トは感じませんでしたが、なかなか個性的な音空間を感じました。どちらかというとオルガンを弾いているときの方が、彼自身の自然なドライブ感が感じられるような気がします。とにかくSimonのドラムスがプッシュするは、反応は素早いはで、JazzともRockともつかぬ不思議な空間に大きく貢献しています。Dave Carpenterのアコベもフレーズ的にはアコベの必然はあまり感じないものの、アコベ独特の音色がとても効果的で、私個人としてはこのアルバム中では、かなりお気に入りのトラックになっています。
2.どこか以前Lukeが参加していたMr.BigのドラマーPat Torpeyのアルバムを思い出してしまいましたが、こういったRock色の強い曲での奔放なLukeのソロは90年代後半以降のLukeの十八番といった感じですね。奥本のオルガン&シンセも、いい感じでドライブしていてなかなか気持いいです。
3.Bobby Kimballのボーカルをフィーチュアしたストレートなポップ・ロック・ナンバー。重低音の利いたビートにBobbyのハイトーンのボーカルはコントラストが利いていてなかなかカッコいいですね。ここでの奥本のオルガン・ソロは短いながらもメチャメチャカッコいいです。もうちょっと聴いていたいなという感じのところで終わってしまうのがちょいと残念ですが・・・・。やや薄っぺら意印象のホーン・セクションのアレンジにはもう一工夫あってもいいような気もしますが・・・。最後のKimballの「Yeah!」という声には思わずニッコリしてしまいますね。
4.何処かで利いたことのあるような(?)軽快でドライブ感のあるポップ・ロック・ナンバー。何とGlenn Hughesの元気で伸びのあるシャウトがたっぷり楽しめます。それにこういったいかにも80年代といったサウンドではSteve Lukatherのギター・ソロの構成力の見事さは他の追随を許さないものがありますね。はまり方はもう、真打ち登場といった風格すら感じられます。確かHughes-Lukatherの共演はNaiacinのアルバムで利いたのが初めてでしたが、オルガン・サウンドとチョイと懐かしいHRボーカル+Lukatherというシチュエイション、サウンド的に新しいとか古いとかではなく、なかなかいいマッチングに思えるのですが、いかがでしょうか。
5.ここでは大物ゲスト陣を迎えるのではなく、日頃の仲間達を中心に伸び伸びと普段着の音楽を演奏しているように感じます。これをプログレだとかフュージョンだとかいったカテゴライズするつもりは毛頭ありませんが、何かとても楽しそうに和気あいあいとした雰囲気で音楽を作り上げているような印象を受けます。至る所に色々なアーティストの影響が見て取れますが、そんな事も気にならない程に自由に伸び伸びと音楽を作り上げている姿が目に浮かんできます。
6.美しいバラード・ナンバーです。Neil Morseの情感をこめたセンシティブなボーカルがなかなかいいです。スケールの大きな素晴らしいバラードなのですが、ここにガツンとくるような良く歌うソロか何かがフィーチュアされていたら一段とカッコ良かったのになどと思ってしまいます。奥本のオルガン・ソロか、Lukeのメロディアスなギター・ソロか何かが欲しいところです。でも、とても良く出来た美しいナンバーだと思います。
7.オルガンを前面に押しだしたその曲想が何処か70年代のEL&Pを思い起こさせるインストから始まるナンバー。途中からBobby Kimballのボーカルがフィーチュアされますが、この曲にはややブライト過ぎるような気がするほどによく伸びる高音が印象的です。組曲仕立ての大作ですが、ピアノやシンセを使った部分も悪くはないのですが、やはりオルガンによるソロが最もよく歌っていて、主楽器としてはオルガンが最も彼に似合っているような気がして仕方がありません。奔放なソロ・プレイもふんだんにヂーチュアされていて十分楽しめます。Michael Landauのソロはさほどのインパクトのあるものではありませんが、後半フィーチュアされるSimon Phillipsのドラム・ソロといい、全編を通じての軽快でドライブするプレイが非常に印象的です。本当にSimonのこの独特のグルーブ、好きなんですよ。ばかなりの大作ですが、1徒並んでこのアルバムのベスト・トラックだと感じました。
8.奥本のアコピ、シンセによるワンマン・プレイ。シンプルな美しさを持ったリリカルなピアノはクラシック音楽への憧憬を深く感じます。こういった当たりには多くのプログレ・キーボーディストとの共通点を非常に強く感じますし、シンセやオルガン等によるオーケストレーションも、いわゆるJazz/Fusion系のそれとは全く異なった雰囲気を強く感じさせてくれます。ただ、ちょいと月並みな感じもしないではないですが・・・・。
9.アルバムとしては8で終わりですが、もう1枚のディスクにはメイキング映像などが30分程収録されています。
久々にSteve LukatherやSimon Phillipsがセッション参加したアルバムをアップしましたが、既に皆さん御存知の通り、私は無類のハモンド大好き人間なものですから、このアルバムは何度も何度も聞返しました。Jimmy SmithやKeith EmersonやChester Thompson、Neil Larsen,Ricky Petersonといった様々なジャンルのオルガンを主楽器とするキーボード奏者達の音同様に十分楽しめる内容を持ったアルバムだと感じました。12月のライブ行ってみようかな・・・。
●補足●
2002年12月22日の「奥本 亮スーパー・ジャム・セッションVol.2」は大変な盛り上がりを見せ、実に素晴らしいライブでした。その折り、ボーナス・トラック入りの「Coming
Through」国内盤を購入し、サインを頂きました。このボーナス・トラックが何と1曲目の「Gozilla Vs. Kihg
Ghidallah」のエレクトリック・ベース・バージョン!!最もお気に入りのこの曲の別バージョンもなかなかいいですよ。やはりエレベになると曲の雰囲気も随分と違ってきますね。まだ購入されていない方には、この国内盤がお薦めです!!(別にクール・サウンドの回し者ではありませんが)
◆奥本 亮Live〜Super Jam Session Vol.2〜Live Report◆