Robben Ford/Super Natural
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Robben Ford
Ricky Peterson
Michael McDonald
Vinnie Colaiuta
Tom Breckline
Jimmy Earl
Louis Conte

1.Let Me In
2.Supernatural
3.Nothing to Nobody
4.Water for the Wicked
5.Don't Lose Your Faith in Me
6.Hey, Brother
7.Deaf, Dumb, and Blind (For O.T.)
8.If
9.When I Cry Today
10.You Got Me Knockin'
11.Lovin' Cup
12.Jimi's Dream
1999年作品


●ビクター/MVCB-2405
●Musicians

G.Vo.Robben Ford
Key.Ricky Peterson/Russell Ferrante/Greg Kurstin
B.Jimmy Earl
Ds.Vinnie Colaiuta/Tom Breckline
Perc.Luis Conte
Arr.Roger Kellaway
Tp.Lee Thornburg
Sax.David Woodford
P.Vo.Michael McDonald
)Vo.David Batteau/Sweet Pea Atkinson/Julie Christensen/Anne Kerry Ford/Perla Batalla/Kevin Sandbloom
●コメント●
 Tom Scptt & L.A.Expressのメンバーとして70年代半ばから広くその名を知られるRobben Ford、フュージョン全盛の頃はLarry Carlton、Lee Ritenourと並んでL.A.を代表する三大ギタリストの1人といわれた人ですが、実際の彼のプレイはロック、R&Bに傾倒したブルース・フィーリング溢れるプレイが最大の特徴といえるギタリストです。そのブルースに対する愛着の強さから、よくLarry Carltonと比較されがちですが、あくまでもJazzにルーツをおいたCarltonに比べ、かなりRock寄りのプレイを新庄とし、また一貫して自らのボーカルをフィーチュア質漬けているあたりにも彼のこだわりが感じ取れるように思います。実際に数多くのセッションでもそのエッジのきいたとても存在感のあるギター・プレイはCarltonとはまた一味違った個性を感じさせてくれて、なかなか魅力的な存在のギタリストです。しかしさしたる理由も見当たらないのですが、何故か私は彼のリーダー作やライブにはあまり縁がなくて、このアルバムもプロデュースにあたっているRicky Peterson(Key)の音がお目当てで購入したといった状態なんです。しかしながら、日頃のBlue Lineのメンバーではないミュージシャンを主体にしたこのアルバムですが、肩肘張らずにリラックスして、彼rのやりたい音楽をストレートに表しているような機がしてなかなかお気に入りのアルバムの1枚となっているのです。Rickyのプロデュースというとアダルトでムーディなスムース・ジャズ的な路線をすぐイメージしてしまうのですが、このアルバムでは一切打ち込みサウンドを使わずに、ストリングスの生々しい音を上手くつかったりして、あの手この手でRobbenの個性を際立たせる事に貢献しています。無論、Ricky自信のハモンドB-3も大きくフィーチュアされているのも私にとってはとても大きな魅力となっているわけですが(笑)。

 決して上手いというボーカルではないのですが、どこかAOR的な甘さをたたえた声質もブルージーな歌い回しも独特の世界が感じられてなかなかいい感じですし、ソロになるや一転して、非常に音の輪郭のはっきりした結構パワフルなプレイが聴けて、思わずゾクっと身震いしてしまう瞬間がたまりません。甘い音色からエッジのきいた音色、ストレートなブルース・アプローチから、アグレッシブなジャズ・フィーリング溢れるソロ、アコースティックのシンプルな響きと、何れもがみなRobbenの世界を構成する重要な要素になっています。ジミヘンばりのワイルドなプレイも何曲かフィーチュアされていて、またこれがカッコいいんです!Vinnie Colaiuta/Tom Breckline(Ds)/Jimmy Earl(B)/Louis Conte(Perc)のリズム・セクションもビシッといい感じのグルーブを発揮していて、それにRicky Peterson(Org)/Russel Ferante(Ep)/Michael McDonald(P)/Robben Ford(G)がいい感じに絡んでいて、ぱっと聴いた感じの地味な印象以上にスリリングな空間が生まれています。TOP風あり、ジミヘン風あり、クラプトン風あり、ゴスペル風ありと、色々なブルース感覚をシンプルに表現しているのがとても好感を与えてくれています。Roben Fordのオリジナルを基本に、Michael McDonaldとの共作、はたまたPaul Butterfieldのナンバーまで多彩な素材をモチーフにしながら、一貫して流れているのはとても人間味あふれるブルース・フィーリンングです。ギターという楽器のみでなく、ボーカルという直接的な「楽器」まで駆使してトータルにブルースを表現しようとするRobbenの姿勢がとてもよく伝わってくる実にヒューマンな味わいに溢れたアルバムに仕上がっています。ただしこのアルバムをJazz/Fusion的に楽しみたいという向きにはちょっと物足りないかもしれません。あくまでもとてもよくできたポップ/ロック的な仕上がりのアルバムだと思います。

 そしてプロデュースにあたっているRicky Petersonですが、彼お得意の生楽器と打ち込みの絶妙なバランス感に満ちた独特のグルーブ・ワールドは使わずに、生楽器だけで、実に絶妙の間を活かした演出でRobbenの個性を上手く弾きだしていますし、そのオルガン・プレイと全体に一貫しているアダルトでムーディーな音世界にはしっかりとRicky Petersonの刻印が押されているかのようで、プロデューサーとしてのめざましい成長ぶりを感じずにはいられません。かっれこれ15年近くになるDavid Sanbornバンドの音楽監督としての活躍や幾多のシンガー、ミュージシャンのプロデュース、そして自らのリーダー作で培われた経験の蓄積がこのアルバムに見事に結実しているように思います。実はこのアルバムを聴いていると、RickyがBoz Scaggsのプロデュースをしたらどんなもんだろう?という考えがムクムクと頭をもたげてきてしまいます。それほどまでにこの作品でのRickyのプロデュース感覚は素晴らしいです。ホーンの使い方や単にゴージャス感を倍加させるだけでないストリングスの新鮮な使い方等、彼のプロデューサーとしての最高傑作かもしれません。

 それにしても先日(2003年4月)のモーション・ブルー横浜での来日公演にいけなかったのはかえすがえすも残念でなりません。Ricky Petersonと並んで私の大のお気に入りのハモンド奏者Neil LarsenにJimmy Haslip(B) Tom Breckline(Ds)といった気心の知れたミュージシャン達とのライブはなかなか素晴らしかったようで、次回こそは是非見逃すことなくそのサウンドを十二分に体感してきたいと思っています。
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