
| 1.First Love |
| 2.Every Day |
| 3.Strokin' |
| 4.I Wanted It Too |
| 5.Virginia Sunday |
| 6.Jesus Children Of America |
| 7.Take The A Train |
| 8.Happy Farms |
| 9.Dixie/Up on the Roof |
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●Videoarts/Tappan Zee/VACM-2019
●Musicians●
Kwy.Vo.Richard Tee
G.Eric Gale
B.Chuck Rainey
Ds.Steve Gadd
Perc.Ralph
McDonald
Ts.Lyricon.Tom Scott
Ts.Michael
Brecker
Harm.Hugh McCracken
Bs.Seldaon
Powell
Tb.Barry Rogers
Tp.John Faddis/Randy
Brecker
& Strings & Vocals
●コメント●
1993年、癌のため惜しくもこの世を去ったワン&オンリーの味を持つキーボードの「職人」Richard
Tee。ブギウギやラグタイムの要素を取り込んだ個性的なストロークが光るアコースティック・ピアノ、美しく透明な広がりを感じさせるエレクトリック・ピアノ、Billy
Prestonにも通じる絶妙のドローバーの使い方で多彩なプレイを聴かせるハモンド・オルガン、いずれのプレイも他に類を見ない個性を発揮するものばかりです。R&B/ソウル系のセッション畑出身ならではの抜群のゴスペル・フィーリングをベースにしたスピリチュアルなプレイから、踊りだしたくなるようなご機嫌なグルーヴまで自由自在にキーボードを操るそのプレイは数多くのミュージシャン/ファンから根強い支持を受け続けたものです。1970年代後半のFusionブームの火付け役ともなった伝説のグループStuffの中心メンバとしての活躍、1980年代後半にStuffの盟友Steve
Gadd(Ds)Cornell Dupree(G)等と結成したThe Gadd Gangでの活躍も、今もなお音楽ファンの間で語り継がれる伝説の一つといっていいでしょう。
私は1978年のNew York All Stars、Stuff、1988年のThe Gadd Gangでの来日公演など、何度か彼のライヴ・パフォーマンスに接することができましたが、本作のレコーディングの前後だったNew York All Stars公演では本作に収録されている「Virginia Sunday」も披露、この演奏は「深町 純/ライヴ」にも収録されていますね。そしてStuffやThe Gadd Gangでは、本作でも2曲で聞くことのできるSteve Gadd(Ds)との絶妙のコンビネーション・プレイを目の当たりにして、ただただその名人芸に感じ入った事を忘れることはできません。このGaddとのコンビ・プレイはThe Gadd Gangのライヴ映像やRichard Teeの教則ビデオにも収録されていますので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか?
本作はは1979年にリリースされたRichard Teeの1stリーダー作です。レーベルはBob Jamesの主宰するTappan Zeeレーベルから。参加メンバーはStuffの僚友Steve Gadd、Eric Galeをはじめセッション・ベーシストの重鎮Chuck Rainey、NY録音では必ずといっていいほどRichard Teeを起用していたTom Scott、超売れっ子テナーのMichael Breckerとまぶしいほどの豪華メンバーが顔をそろえています。それにホーン・セクション、ストリング・セクション、コーラスを多用した実に豪勢な作りとなっています。しかし、だからといってRichard Tee本来のグルーヴやゴスペル感覚が薄められているかというと、そうではなく、Bob JamesとRichard Teeのアルバム制作の巧みさをうかがい知る事のできる作品となっています。Teeの持ち味を様々な側面から浮かび上がらせ、そのキーボード・プレイのみならずヴォーカルやアレンジの個性的な味わいまで余すところなくいさめるだけでなく、局によってフィーチュアされるソロイストのプレイもたっぷりと堪能できる、実にご機嫌なデビュー・アルバムと言えるでしょう。
1.ミディアム・テンポのノリのいいリズムの上でTeeのアコースティック・ピアノとストリングス・セクションが見事にブレンドされたサウンドを聞かせています。とにかくGadd/Raineyの作り出すリズム空間の心地よいことといったらありませんね。絶妙な間でのカッティングを聞かせるE.Galeのギターも印象的です。この曲はC.Raineyのオリジナルですが、Teeのダイナミックで豊かなアコピ・プレイとファンキー一発のTom Scottのテナー・ソロとの対比がなかなか見事ですね。アルバムのオープニングにふさわしい豪華なナンバーですが、Teeの本領はまだまだこれからといった感じですね。
2.決してお世辞にも巧いとは言い難いTeeのヴォーカルをフィーチュアしたナンバーです。StuffやPaul Simonのアルバム等でもTeeの個性的で味のあるヴォーカルは抜群のゴスペル・フィーリングを発揮していましたが、やはりこういった比較的スローなブルージーなナンバーではその本領を十分に発揮していますね。まさにゴスペル感覚の塊といったアコースティック・ピアノ、時折合間合間から浮かび上がってくるハモンド。オルガン、Richard Teeの本領ここにあり、といったプレイで酔わせてくれます。Eric Galeの間を活かした絶妙のギター・プレイも究極の名人芸ですね。スピリチュアルな香り溢れるナンバーです。
3.踊りだしたくなるようなリズミカルでご機嫌なグルーヴいっぱいのナンバー。お得意のコースティック・ピアノによるストローク・プレイでグイグイとドライヴするグルーヴは、まさにTeeの真骨頂といったところでしょう。しかし何と言っても途中で聞くことのできるTee〜Gadd〜MacDonaldによるコンビネーション・プレイが最大の聞き所でしょう!!ダイナミックなTeeのストロークとGaddの粘っこいハイハットの絡みはまさに絶品。ストリングスとの絡みを経て登場するMichael Breckerのテナー・ソロも洗練された中にも豪快な持ち味が活きたプレイでなかなかイケます!!
4.これも軽快なミディアム・テンポのナンバー。ここではTom ScottのリリコンによるテーマとHugh McCrackenのハーモニカ・ソロをフィーチュアしていますが、この二人のプレイがまた絶品です。そしてここではTeeのハモンド・プレイが大きくフィーチュアされていて、彼の個性的なドローバーの使い方を十分に楽しむことができます。やはりこのトーンの作り方はBilly Prestonの強い影響を感じずにはいられませんね。Chuck Raineyの重厚なスラップ・ベースも効いてますね!めちゃめちゃカッコいいトラックです。
5.N.Y.All Starsでの演奏よりもかなり落ち着いたゆったりとしたテンポで演奏される「Virginia Sunday」。ここでは透明感と拡がり感に定評のあるエレクトリック・ピアノを全面にフィーチュアした演奏となっています。バリトン・サックスの低音の効いたホーン・セクションも印象的ですが、ここでは何と言ってもTeeのエレピとScottのリリコンのソロ、そして絶妙の絡みが最大の聞き所でしょう。ダイナミクスとトーンをコントロールしながらのデリケートな二人のプレイの美しい絡みもまた絶品です!!Tom Scottという人、本当にリリコンを吹かせたらこの人の右に出る者は居ませんね!見事なまでの名人芸を聴かせてくれます。
6.Stevie Wonderのナンバーを、これまたエフェクトを巧く使ったエレピを前面に押し出したプレイで聞かせてくれています。きらびやかなストリングスやホーンがかぶさってくるとややエレピのプレイが沈んでしまうのがちょっと残念。しかしこの曲ではEric Galeのスペシャル・ワン・パターンながらも、これぞ歌うギター・ソロ!!といった入魂のプレイを聴くことができます。Teeのエレピもよく歌っているのですが、ここでのGaleの泣きのギターには勝てませんね。これまた名人芸ですね。
7.列車の動き始めるところから停車するまでを見事に表現したTeeのアコースティック・プレイ、そのダイナミクスを十分に活かしきったプレイはアルバム最大の聞き所です。ここではRichard Teeのアコースティック・ピアノとSteve Gaddのドラムスの二人だけで演奏されていますが、この二人の抜群のコンビネーションによるプレイは、たった二人だというのにもかかわらず最大限の効果を発揮しています。二人のコンビネーション・プレイも3で既にフィーチュアされているため、かなり短めではありますが、もう互いに手の内を知り尽くした間柄ならではの抜群のチーム・ワークで聴き手を魅了してくれます。教則ビデオのプレイと聞き比べてみるのもなかなか面白いですよ!
35分強とCD時代の今日ではかなり短めの作品ですが、的確にRIchard Teeの姿を捉えたアルバムに仕上がっています。彼の5枚のリーダー作はすべて持っていますが、この「Strokin'」と現在廃盤(?)の「Inside You」は大のお気に入りアルバムですね。