
| 1.Who'll Be The Fool Tonight |
| 2.Danger Zone |
| 3.Further Notice |
| 4.Over |
| 5.She's Not In Love |
| 6.Morning Star |
| 7.Make It |
| 8.Aztec Legend |
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●コメント●
「Jungle Fever」「High
Gear」と快進撃を続けていたNeil Larsenのワーナー移籍第一弾はデビューを強力にサポートした名プロデューサーTommy
Lipumaのプロデュースを得て、盟友Buzz Feitenとの双頭バンド名義の作品として登場!!後にFull Moonとなるわけですが、A&M/Horizonからの2枚のインスト作とはうってかわって、彼等自身によるヴォーカルを大きくフィーチュアした、いうなればAOR的な作品ともいえるような仕上がりを見せています。骨細のところ、それ以前の2作品に参加していたMichael
Brecker(Ts)もフィーチュアされていませんし、めくるめくようなLarsenのオルガン・ソロはぐっと抑えられていますから、リリース当時は個人的にかなりガッカリしたのは事実です。ただLarsenの持つポップで明快なサウンドの方向性が変わったのかというと、そこは根本的に大きな変化があるわけでなく、従来からのサウンドをより吟味した上で、もうギリギリこれ以上ないところまでサウンドをシェイプし、ポップなヴォーカル・チューンを浮かび上がらせることに見事に成功しているといっていいと思います。そこはさすが名人Lipumaならではの名プロデューサーぶりと言っていいでしょう。ただ個人的には80年代のポスト・フュージョン期のアルバム制作としては、よくある路線でもあり、一大ブームとなっていた「AOR」路線での延命策という気もして、諸手を挙げて支持する気にもなれなかったのも事実でしたね(笑)。
しかしながら、この路線はAORファンの間で大きな支持を受け、「AOR不滅の名盤」として高く評価され続けてきただけあって、今聴いてもすっと自然に耳に馴染むというか、そんな変わらぬ新鮮味を持ち続けているアルバムです。Larsenのオルガン・ソロの露出が減った文、Feitenのエッジのきいたよく歌うギター・ソロの比重がぐっと増している感じですね。またSeawindホーンズを中心にしたホーン・セクションでのさらりとした味付けも押し付けがましくなくていいですし、ゲスト・ソロイストに依存せずにバンドとしてキッチリまとめあげるというアイディア/手法はLarsenの思惑は別にして実にいい所をついているな、といった感じを受けます。Willie Weeks(B)Art Rodrigez(Ds)のリズム・コンビに、お馴染みLenny Castro(Perc.)という基本メンバーの演奏もすっきりとしたまとまりだけにとどまらない+αも十分に感じさせてくれていて、なかなかご機嫌です。個人的にはその後のLarsenのドロ作品「Through Any Window」や「Smooth Talk」よりずっと印象に残るアルバムとなっているように思います。でも、非常に活き活きとしてみえるFeitenに比べるとLarsenは何処か精彩を欠いているように思います。ですから私自身はこのアルバム、Larsenのソロ作とは全く別個の存在と意識的に区別しているのです(笑)。
1.重めのリズムながら、どこかカラッと乾いた感じのL.A.風のリズムに、Boz Scaggs的なヴォーカルの乗ったポップなナンバー。Jazz/Fusion系のミュージシャンにポップな歌を歌わせてといった手法はお手の物の巨匠Tommy Lipumaならではのプロデュース手腕が冴えた一曲。ポップなメロディーの歌とコーラス、シンプルなホーンの使い方もまさに洗練の極地といったところでしょう。隠し味的なLarsenのオルガン・サウンドはやや残念ですが、Feitenのエッジのきいたギターがたっぷりとフィーチュアされています。さすが古くからのつきあいの二人だけあって、実に息の合ったところを聞かせてくれます。これは「AOR」好きの人にはたまらないトラックでしょうね。
2.これも基本的には1と同様のコンセプトを感じさせるナンバー。1のセンチメンタルな部分とは違ってややブルージーな男っぽいぶきら棒なBoz的なヴォーカルを前面に押し出していますね。曲としての面白み異常にアレンジ/プロデュースの妙味を存分に聞かせてくれるナンバーに仕上がっています。そしてここではかなりヘヴィなFeitenのソロをはじめ随所に技をきかせたそれぞれのプレイを楽しむことができます。地味ながら趣味のいいLarsenのオルガンはソロがなくともやっぱりいいですね!何と言ってもここではFeitenのギターがカッコいいですね!!
3.「Jungle Fever」「High Gear」の路線上にあるラテン・フィールを打ち出したポップな旋律を持った仁淑トゥルメンタル・ナンバー。ちょいと捻ったイントロはともかくテーマからLarsenのオルガン・サウンドが嬉しいですね!!そして間にFeitenの軽やかにドライヴするギター・ソロをフィーチュアするあたりも程よい匙加減ですね。その分Larsenのソロらしいソロがフィーチュアされていないのは残念ではありますが、メロを弾いていてもソロを弾いててても、とにかくよく歌っているのでソロを聴いた後のような錯覚に陥ってしまいますね。
4.こんどはAirplayやTOTOに通じるようなサウンドを聴くことができます。こうして聴いてみるとLarsenのシンセ・サウンドもなかなか個性的なんだなあと関心してしまいます。何気なく挿入されているようなフレーズの中にしっかりとLarsenらしさ、が込められているといった感じですね。この当時急激に台頭してきたJay Grayfon/David Fosterのプロデュース/arennjiの手法をも取り入れてのLipumaのこのバンドに対する意気込みには並々ならぬものがあったようですね。まあ、それだけNeil Larsenというミュージシャンに対しては強い思い入れがあったのでしょうね。当時氾濫していたGraydon/Carlton/Lukather的なギターとは一味違うFeitenのギター・ソロがやはり聞物でしょう!!
5.これもLarsenのオルガンとポップなメロディ、そして当時流行のL.A.サウンドが見事に一体となったヴォーカル・チューンでしょう。LarsenやFeitenのお得意の手癖ともいえるお馴染みのフレーズと、計算しつくされたアレンジ、出るところと押さえるところを極端なほどに明確にした非常にプロデュースのきいたサウンドは好き嫌いはあるものの、この当時の風潮でもあったプロデュース手法といえるでしょうね。ここ一発、他のサウンドとの明確な差別化が図られてもよかったかな?そんな気もするトラックですね。
6.ちょっと疎な感じのゆったりしたレゲエ・テイストのヴォーカル・チューン。ここでは間奏部分等でLarsenのオルガンが効果的に聞こえてきますが、その割にはさほど印象に残るプレイというわけではありません。ポップで印象的なメロディとCastroのパーカッション、そして後半出てくるFeitenのソロの方が印象的ですね。まあ、Larsenのソロではなくバンドとしてのプロジェクトですから、やはりギターが花形になるのは止むを得ないところでしょうね。
7.これはサンバ・テイストとポップ・ロックのテイストをうまくMixしたアレンジが見事なナンバー。中盤のLarsenの弾くインスト・パ^ト(ソロというのとは違いますね)、いかにもLarsenらしいメロディ・ラインを感じさせてくれますね。キャッチーな感覚を百r込みながら色々と楽しめるといった贅沢に楽しめるナンバーですね。ヴォーカルをフィーチュアしていながらインスト・ナンバー的なニュアンスもしっかり出していて、ある意味この辺りがこのLarsen・Feiten Bandの肝なのかもしれませんね。
8.ラストはLarsenのアコースティック・ピアノを大きくフィーチュアした叙情的なインスト・ナンバー。路線としては前2作の延長線上にあるといっていいでしょう。Lipuma自らのプロデュースということもあって「Jungle Fever」的な感じがとても強く出ているように思います。敢えてSteve GaddやAbe LaboeielといったJazz/Fusion系の超・売れっ子を起用せずにバンド・メンバーとしてArt Rodorigezを起用したりWillie Weeks/Lenny Castroといった「Jungle Fever」参加メンバーを廃したりと、「AOR」ファンと「Fusion」ファンの双方にアピールする細かい気の使い方は、いかにもLipumaらしい欲張った手法ですね(笑)。
歌については可もなく不可もなくといったところでしょう。それにしても聴いてすぐにそれとわかるFeitenらしいギター・ソロはさすがですね!ある意味ワンパターンなのかもしれませんが、しっかりとしたFeitenならではの個性/方法論が確立されているといった印象です。David Sanbornのアルバムでも同様のソロを聴くことができますね。「Casino Lights」や「Full Moon/Live!」といったライヴ盤よりも、しっかりとプロデュースのきいたスタジオ盤の方がすっきりしてるように思いますね。よく出来たアルバムだとは思うのですが、何かまたまたTommy Lipumaの掌の上で転がされているといった部分がどうも癪に障るというか、鼻につくというか・・・・。