
| 1.Chatter (6:10) |
| 2.Silver Lining (6:37) |
| 3.I Know You (5:07) |
| 4.Mirage (6:46) |
| 5.If Only (5:32) |
| 6.Street Rhyme (6:38) |
| 7.Avenue B (6:14) |
| 8.Remember (For Bob Berg) (6:04) |
| 9.These Times (8:14) |
| 10.What You Believe (6:47) |
| 11.Last One Down (5:32) |
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●ビクター/Bhm/VICJ-61133
●Musicians
G.Mike Stern/Jon
Herington(10)
B.Vo.Perc.Richard Bona(2/3/5/10)
B.Will Lee(1/4/6/7/9)/Victor Wooten(8/11)
Ds.Dennis Chambers(8)/Vinnie Colaiuta
Perc.Don Alias(8/10)/Arto Tuncboyacian
Key.Jim Beard
Ts.Bob Franceschini/Bob Malach
As.Ss.Kenny Garrett
Banjo.Bela Fleck
Vo.Elizabeth Kentomanou
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具ラミー賞にノミネートされるなど話題を呼んだ前作「Voices」での、Richard Bona(B.Vo.)をフィーチャーしたワールド・ミュージック路線を残しながらも次なるステップを予感させる作品、というのが本作の率直な印象です。「Voices」には正直面食らってしまい、馴染むのに随分と時間がかかったアルバムでしたが、そればかりでなく、Richard Bonaのサウンドに触れる機会が増えたせいか、今回は予想以上にすんなりと入っていく事ができました(笑)。正直言って最初「Voices」を聴いた時には「Stern、おまえもか・・・」みたいに思ってしまいましたが、今では「Voices」〜「These Times」でのBonaとのコラボレーションを通じてSternの音楽世界画飛躍的に拡大したと思えるようになってきました。単にヴォーカル/ヴォイスの使い方や表面的なサウンドばかりでなく、Sternの作編曲や歌い方が、一段と幅が広がっているのが顕著に現れてきています。そしてそれをプロデュースにあたっているJim Beard(Key)が実に上手く交通整理して、前作との違いや次のステップを暗示させるようなアルバム構成が施されています。ですから本作には「Voices」路線の曲と「橋渡し」的な曲、そして一皮むけたいかにもSternらしい楽曲が混在しているので、アルバムとしての統一感といったものよりも過渡期的なイメージが強く感じられる作品となっています。 いつもながら今共演陣の顔触れは実に豪華そのもの!ドラムには8でDennis Chambersが叩いている以外はVinnie Colaiutaを起用。ベースはWill LeeとVictor Wooten、そしてRichard Bonaが曲に応じて参加しています。フロント陣ではKenny Garrett(As.Ss.)のプレイが際立った存在感を示していますね。Jim Beard(Key)のジャジーなプレイも、Don Alias等のカラフルなパーカッション・サウンドも需要な役割を果たしていますね。2006年1月のライヴでも強く印象に残ったのですが、Sternの次なる方向性はよりファンク色を強めたサウンドが打ちだされていくのでしょう。粘っこく跳ねるリズムに切れ字鋭いカッティング、その上でウネウネとした独特のメカニカルでテクニカルなギター・フレーズがジャズ本来の即興性の要素を強く打ちだしながら展開されています。来日公演でも新作収録予定のナンバーを演奏していましたが、まさにそんな感じでしたね。 本作を聴いて、改めて「Voices」を聴き治してみると、「Voices」だけでは気付かなかった新たな発見があって実に面白く聴く事ができました。またRichard Bonaの1st & 2ndあたりを聴いてみるのも面白いかもしれませんね。Jazzは本格的にワールド・ミュージックへと発展しつつあるのかもしれない、そんな思いを強く感じさせるアルバムですね。 1.ファンキーなリズムの上でSternらしい複雑なメロディが展開されるテーマ部とヴォイスをフィーチャーしたエスニックなワールド・ミュージック的なサビを組み合わせた不思議な魅力を感じさせるンバーでアルバムは幕を開けます。Colaiuta(Ds)&Will(B)とパーカッションによるリズムの跳ねるグルーヴ感は最高にカッコいいです!Sternのトーンを買えてのそれぞれのソロも、いつものメカニカルなフレーズを上手くこのリズムに乗せて歌っています。またGarrettのソプラノがなかなかColtraneしてていいですね!ColaiutaのドラムがどっしりとしたWillのベースに支えられて暴れまくっているのも印象的ですね。でもやっぱりこういう曲のベースはAnthony Jacksonが天下一品ですよね。 2.癒しの要素を強く感じさせるBonaのヴォーカルをフィーチャーしたナンバーです。きびきした小気味よいリズムの割にはたゆたうようなゆったりとした空気感を感じさせる曲調とBonaの声が絶妙のバランスで溶け合っています。クリーン・トーンでのジャジーなSternのソロはColaiuta、Bonaのプッシュもあって、なかなかのドライヴ感を感じさせてくれます。盛り上げる部分ではディストーションを効かせたロック的なアプローチも聴かせてくれます。中盤〜後半にかけてのBona〜Colaiutaのスリリングに盛り上がっていくあたりもまたいいですね!フェード・ア宇土していくあたりではColaiutaのボルテージはかなり上がってますね!やはり最後は暴れまくりです(笑)。 3.美しいメロディ・ラインとBonaのヴォーカルがこれまたベスト・マッチのナンバーです。バンジョーがユニークな雰囲気を醸し出しているあたりやストリングスの使い方も絶妙です!これはもうJazzであるとかそうでないとか、そんな事はどうでもよくなっちゃいますね。美しい音空間をとことん追究するSternとBona、そしてBeardの感性が見事に結実したナンバーと言っていいでしょう。 4.これも1同様Bona抜きで、Stern独自のワールド・ミュージックを展開しています。ここでのSternのギター・ソロのアプローチは、特に序盤のスケールや音遣いに、いつもとは違う工夫が施されています。お得意の高速のメカニカルな展開はいつも道理ですが、ソロ全体の構成からもいつもとは異なる雰囲気が強く感じ取れます。ただここでフィーチャーされているテナー・ソロ(Malach?)は、どうもそういった工夫や配慮が感じられない気がします。テナー・ソロとしては決して悪いソロではないのですが、おそらく曲の解釈がSternとは微妙に違っていたのでしょうね。その分だけこのトラックの密度が薄まってしまっているのは惜しまれるところです。 5.これもまたBonaのヴォーカルをフィーチャーした実に美しいナンバー。本作のBonaとのコラボレーション4曲の中では最も私のお気に入り度の高い曲です。Bonaの歌世界を引き継ぐSternの訥々とした味わいのあるギター・ソロもまたGoodです!そしてBeardもColaoutaも実によくBonaの音世界を理解したプレイを聴かせてくれます。Jazz的ではないかもしれませんが、曲とアレンジ、演奏そして美意識が見事に一つになったトラックでと思います。これはいいです! 6.スキャット・ヴォーカルやコーラスを起用してBonaとは異なるエスニックな感覚を打ちだしているナンバーです。ちょっとコミカルな雰囲気さえ漂うファンク・リズムのテイストもあったりして面白いワールド・ミュージック感覚を醸し出していますね。ここでのSternのソロ・アプローチは比較的ロック寄りな感じを受けますね。とは言っても彼の事ですから一筋縄ではいかない音遣いを駆使してるわけなんですけどね。ここでのよく歌う朗々としたテナー・ソロ(Malach?)は、シンプルな味わいながら曲になかなかよくマッチしていますね。 7.ちょっと重苦しいダークな感じのブルージーなナンバーです。ここでもGarrettのアルトがフィーチャーされていて、何処かMiles Dvisグループでのプレイを彷彿とさせていますね。ジャズっぽくもありブルースっぽくもあり、また全くそれとも違うようで、不思議な感じの漂う演奏となっています。 8.4ビート感覚とラテン感覚がごく自然に交錯するドライヴ感いっぱいのインスト・ナンバー。ここではVictor Wooten(B)Dennis Chambers(Ds)がリズム・コンビを組んでいて、パワフルでしなやかなグルーヴで大きく貢献しています。テーマはテナーとギターのユニゾンで演奏されていますが、けです。ここでのSternは軽くディストーションをかけたトーンでジャジーなアプローチを中心にしたパワフルなソロを聴かせています。メカニカルなフレーズにディストーションの効いたフレーズでアクセントをつけての構成はまさにSternのお手のものといったところでしょう。テナー・ソロもフィーチャーされていますが(Malach?)ここでのSternのソロの前にはすっかり影が薄い存在になってしまいますね。ChambersのJazzドラマーとしての成熟度の高さを強く感じる反面、Wootenにはもっと積極果敢なインタープレイが欲しかったところですね。Anthonyのようなテンション感のあるフィルやスケール・ア宇土するスターンについていくような柔軟性が欲しかったところですね。 9.がらっと雰囲気の変わった抑えたハード・ボイルドな感じが漂うナンバー。何と言っても冒頭からWillの印象的なベース・ラインに引き込まれてしまいます。Sternの音を選ぶようなソロの入りからピーンと張りつめた緊張感が何とも言えないですね。Colaiutaのブラシ・ワークもソロの展開に応じてパターンを変化させていて実に見事なプレイです。そしてここではGarrettが素晴らしいアルト・ソロを聴かせています。ドリーミーな出だしから逞しいトーンで盛り上げる終盤まで気合いの入ったプレイで起用に応えています。途中Miles Davisの「Jan Pier」の一節が出てきたりするのも面白いですね。終盤のSternとのかけあいも聞き応え十分です! 10.透明感、広が罹患のあるSternのギターとBonaのヴォーカルがまたまたなかなかいいマッチングを聴かせてくれるナンバーです。ここでのSternのギター・ソロの展開はSternの成熟したJazzギターのセンスが見事に表現されていますね。そしてこの曲でもBonaのベースは決して派手なプレイはしていませんが、Jaco以来の逸材と言われる彼の安定した確かなテクニックと音楽的な成熟度の高さがとてもよく表れて居るように思えます。 11.シンプルなファンク・リズムに、Stern独特のウネウネした感じのメロディ・ラインを乗せたナンバー。お得意のテナーとのユニゾンでのテーマに続いてエフェクトエフェクトを効かせたSternのギター・ソロが大きくフィーチャーされています。彼の特徴ともいえるBe-Bopフレーズにあざといロッ区・フレーズを効果的に織り交ぜたプレイは、パワフルかつエモーショナルで、まさにSternの持ち味全開といったところでしょう。そしてここではBeardのアコピ・ソロもフィーチャーされています。音数を控えめにした、間をうまく活かしたプレイはいかにもBeardらしい個性が存分に発揮されていますね。 2006年1月の来日公演を機に、Sternのアルバムを改めて聴き返してみたのですが、Sternの20年以上にも及ぶソロ・キャリアの充実ぶりが十分にうかがえます。「Voices」〜「These Time」を契機としてますますジャズ・シーンの中心的存在賭して大きな期待を抱かせてくれる存在となっていきそうですね! |