◆Mike Mainieri/Wanderlust◆

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Mike Mainieri
Michael Brecker
Randy Brecker
Peter Erskine
→→Marcus Miller
Tonny Levin
Don Grolnick
Warren Bernhardt
Steve Khan
渡辺 香津美
Manolo Badrena

1.Bullet Train
2.Bamboo
3.Flying Colours
4.L'Image
5.Pep's [*]
6.Crossed Wires
7.Sara's Touch
8.Wanderlust

1981年作品


NYC/NYC 6002 2●
●Musicians●

Vib.Marimba.Perc.Mike Mainieri
Key.Warren Bernhardt(4)/Don Grolnick
G.渡辺 香津美(2)/Steve Khan
B.Tony Levin(4)/Marcus Miller
Ds.Peter Erskine
Perc.Manolo Badrena/Sammy Figueroa/Roger Squitero
Fl.Jeremy Steig(2)
Tp.Randy Brecker
Ts.Michael Brecker


●コメント●

 1977年の「Love Play」、そして1978年のArista All Stars、日本でのN.Y.all Starsで一躍Jazz/Fusionシーンの表舞台に躍り出たベテラン・ヴァイヴ奏者Mike Mainieri。多忙なセッション・ワークやプロデュース生業の合間を縫ってはMichael Brecker(Ts)やEddie Gomez(B)、Don Grolnick(P)等とセッションを繰り返していたStepsが1980年代に入ると注目を浴びるようになります。そしてこの1981年という年はMainieriにとって最も多忙かつ精力的な活動を繰り広げた1年であったのかもしれません。「Love Play」から4年、Warner Bros.から満を侍してのMainieri名義のソロ・アルバムが本作「Wanderlust」です。この年は日本のBetter DaysレーベルからStepsのデビュー作となる「Smokin' In The Pit」をリリース、その来日字にスタジオ盤「Step By Step」をレコーディング、秋には3rdアルバムとなるライヴ盤「PARADOX」をN.Y.のクラブSeventh Avenue Southでレコーディングする等、日本ではSteps人気に沸いた年となりました。自己名義となる本作のリリースに併せて行ったライヴ・ギグ(これもSeventh Avenue Southにて収録)をビデオ収録した映像作品「Manhattan Express」(LD)も同じく1981年の物です。ちなみにこの映像作品は、1990年代になってからMainieriのレーベルNYCから「Maike Mainieri Quintet/Kuve At The Seventh Avenue South」としてCDがリリースされていますね。

 以上からもお解りいただけるように、1980年代の新しいJazzを模索する動きの中でMainieriの果たした役割というのは決して小さなものではありません。この「Wanderlust」やSteps名義の3枚のアルバムからSteps Aheadとバンド名変えて後、当初のアコースティック色の強いスタイルから次第にポストWeather Report的なエレクトリック・サウンドへと変貌を遂げていくことになるのです。そしてその端緒とも言える本作には当時のN.Y.シーンの中心的なミュージシャン達がずらり名を連ねています。Stepsの同僚Michael Brecker(Ts)にDon Grolnick(P)、Peter Erskine(Ds)にMarcus Miller(B)、Steve Khan(G)を加えたメンバーをベースに、日頃から親交の深いミュージシャン達をゲストに迎えて録音されています。珍しいところでは日本から渡辺 香津美(G)の参加や、ノイジー・フルートの名手Jeremy Steigの参加でしょうか?日本では「Love Play」がその代表作として圧倒的な人気ですが、私の個人的な好みとしてはJazz色を強めた本作を挙げたいところです。楽曲的にはStepsのアルバムと重複する部分もありますが、あくまでも全世界的には本作がオリジナルということになるのでしょう。前述した映像「Manhattan Express」や、CD「Live At The Seventh Avenui South」等と聴き比べてみると、当時のN.Y.シーンの人脈のようなものも見えてきて、なかなか面白いと思います。

1.Stepsのアルバムにも収録されているナンバーです。出だしのパーカッション&ドラムスのアンサンブルにMarcusのベースが入ってくるあたりは今聴いてもかなりカッコいいです!Michael Barecker(Ts)とMainieri(Vib.Marimba)のユニゾンで演奏されるテーマ、ラテン・フレーバー漂うサビ部分といい、楽曲、アレンジ、演奏と三拍子揃ったトラックに仕上げられています。テーマ部の進行で先発そろを取るのはMainieriのヴァイブ。Stepsではややマンネリに感じる時もありますが、ここでは実に淀みなく湧き出るようなフレーズのアイディアはまさに見事としか言い様がありません。Marcusのスラップ・ベースに乗せてファンク・パートでソロを取るMichaelは、Fusionスタイルで行くかJazzスタイルで行くか、やや迷いが見られる感じでイマイチ平凡なプレイに周している印象ですね。個人的にはソロ云々よりもアレンジのアイディアにとても感心させられたトラックです。

2.渡辺 香津美のアコースティック・ギターとJeremy Steigのフルートをフィーチャーしたナンバーです。先発のSteigのソロは流石!腰はの面目躍如といったところでしょう。MainieriのマリンバのソロはSteigにしっかり食われてしまった印象で、ちょと退屈に感じてしまいますね(笑)。渡辺のギターはバッキングと終盤フェード・アウトされていくあたりでフィーチャーされていますが、ソロという感じではありません。この手のパーカッションの効いたワールド感覚のサウンドは当時WRのメンバーだったErskineの得意とする所ですね。

3.ドリーミーなイントロからMichaelのソプラノによる幻想的なテーマが浮かび上がってきます。ここではMainieriのヴァイブ・ソロが全面的にフィーチャーされていますが、ソロ単体というのではなく、リズム・セクションとの絡み、特にSteve Khanのアコギでのカッティングとの絡み、Mainieriのうなり声もとても効果的で(笑)、めちゃめちゃカッコいいです!しなやかで切れ味鋭いErskineのドラミング、スラップでなく、何処かJacoっぽい匂いを感じさせるMarcusのベースにも要注目のトラックです。個人的にはアルバム中のベスト・トラックに挙げたいところですね。

4.ゆったりとしたたゆたうような雰囲気のナンバーです。この曲ではKing Crimsonへの参加で話題を呼んだTony Levin(B)、Warren Bernhardt(Key)といったあたりが参加しています。Mainieriのヴァイブ・ソロも4曲目あたりではややマンネリ気味に感じられてきますが、意表をついてLevinのベース・そろなんかをフィーチャーされてしまっては、ついつい演奏に引き込まれてしまいますね(笑)。正直言ってあまり趣味のいいとは思えないシンセ(シンセ・ヴァイブ?)は要らないかなあ(笑)。ちょっとアルバム的には中だるみした印象になっちゃってますかね。

5.Randy & MichaelのBrecker Bros.をフィーチャーしたトラックです、この曲が追加収録されたボーナス・トラックです。どうなんでしょう?アルバムの途中にボーナス・トラックを入れちゃうのは、ちょっと反則っぽいですよね(笑)。楽曲的にもノーテンキな雰囲気のする、さほど面白い曲でもありませんし、アルバム全体の流れと違和感があります。Mainieriのヴァイブ、Randyのトランペットとそろがフィーチャーされていますが、いずれもさほどインパクトのあるソロという訳でもありませんし、少々がっかりって感じです(笑)。

6.何処か緊張感に欠ける5の後だけにやたらカッコよく感じてしまうのか、楽曲としてカッコいいのか・・・とにかくこの曲で空気が引き締まった感じがしますね。でもサビの部分はWRのパクリっぽいですね(笑)。不思議なことにMainieriのそろも4.5あたりとは比較にならない程、気合が入って聞こえるのは私だけでしょうか?地味ではありますがErskineの繊細なシンバル・ワーク、Mainieriのそろの後ろでのGrolnickのエレピのバッキング・負レーズも妙に印象に残ります。

7.あまりにあちこちで演奏されているため、効き飽きてしまった感もありますが、やはりいい曲ですよね。ここではMichaelのテナーが先発ソロを取っていますが、ふわーっとした幻想的な入りから抑揚を効かせたフレーズで勝負かと思いきや、やや手癖的なフレーズが紛れ込んでしまって雰囲気が保ちきれていないのが惜しまれます。こういったあたりにプレイの方向性に迷うMichaelが感じられてなりません。なんか惜しい感じがしてしまいますよね。名曲なんですけど、この曲で素晴らしいソロをとるのってやはりめちゃめちゃ難しいんでしょうね。

8.ラストはMainieriのヴァイブのそろ・パフォーマンスと、実に渋い締め括り方ですよね。それも妙にまったりしたプレイではなく、リズミカルなフレーズを中心に、あまりパラpラとフレーズを弾きまくらないのがいいですね。やはりこの人のプレイ/発想って並大抵じゃないですね!多くのミュージシャン達に尊敬され続けているのも妙に納得できちゃったりしますね(笑)。これ聴いてたら無性に「Free Smile」(1978年のモントルーでのWarren Bernhardtとのデュオ・ライヴ)が聴きたくなっちゃいました。CDで復刻してくれないものでしょうかね?

 今回使用したCDは後にNYCレーベルから復刻されたCD(カナダ盤)で、オリジナル・リリースには収録されていなかったボーナス・トラック(5)が追加収録されています。またアルバム・ジャケットもオリジナルからは一新されています。ポスト・フュージョンを見据えたなかなかの力作、好盤です!


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