◆Mark Gray & Super Friends/The Silencer◆
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Mark Gray
David Sanborn
Bon Mintzer
Tom Browne
Barry Finnerty
Marcus Miller
Steve Gadd

Randy Brecker
Michael Brecker

1.Her Sweetness
2.Night Watch
3.Chameleon
4.Tangerine Rose
5.Happy Street
6.Don't Want Lose You
7.Snappy Finger
8.The Silencer
1984年作品


●東芝EMI/East World/
EWJ-90032
●Musicians
Key.Mark Gray
G.Barry Finnerty
B.Marcus Miller
Steve Gadd
As.David Sanborn
Bcl.Bob Mintzer
Fl.Dave Valentin
Tp.Randy Brecker
Ts.Michael Brecker
Flh.Tom Browne

●コメント●
 1982年の快作「Boogie Hotel」で華々しくデビューを飾ったMark Grayの2ndアルバムです。前作同様にN.Y.在住のベーシスト中村照夫のプロデュースで、超豪華なサポートを得ての2年ぶりの新作は前回とは若干趣を事にするもののN.Y.の当時の音楽シーンの最先端の息吹を感じさせられたものでした。基本的にはBrecker Bros色の濃かった前作に比べるとややリラックス・ムードが感じられるものの、Brecker Bros以来の名コンビBarry Finnerty(G)の強力は勿論、新たにMarcus Miller(B)Steve Gadd(Ds)のリズム・コンビを軸に、David Sanborn(As)Tom Browne(Flh)Bob Mintzer(BCl)、そしてRandy(Tp)&Michael(Ts)のBrecker Brosという、当時これ以上は望む子との出来ない位の贅沢な布陣でのアルバム制作は、プロデューサー中村照夫はじめ、レーベルの期待もかなり大きなものであったことがうかがえますね。前作のTDKレコードからレーベルは移籍したものの基本的な路千二は大きな変更泣く、伸びやかなMark Grayの個性が十分に発揮されたアルバムに仕上がっていると思います。

 1.ミディアム・テンポのポップなメロディー・ラインを持つナンバーでアルバムはスタートします。メロディーをDavid Sanborn(As)に任せ、間奏でさりげなくシンセ・ソロを挟み込むなんて、粋な芸当をしてくれます。押さえ気味のSanbornがまた曲調にうまく馴染んでいるのも面白いです。Marcus & Gaddのジワジワ盛り上げてくるリズムもご機嫌ですし、Markのシンセ・ソロをもっと聴きたい感じもしますね。Sanbornにひたすら繰り返しメロを更かせるというのもプロデュースとしてはなかなかのものだと思います。

 2.押さえ気味のゆったりとしたバラード・ナンバー。曇ったトーンのシンセ・サウンドのメロディーとSanbornの吹くサビのバランスが絶妙です。今度はSanbornのお得意のよく歌うアルト・ソロをフィーチュアしています。この曲はとてもよく出来た曲だと思います。メロディーと構成、キーボードの音色とグルーブだけで聴かせてしまうのは流石です。プロデューサー中村照夫の特徴は、あまりソロを詰め込まない、大人のプロデュースといったところでしょうかね。

 3.Herbie Hancockの御存知大ヒット曲です。ビシバシのシーケンサーによる打ち込みサウンドですが、ファンキーでダンサブルなビートを上手くハードな感じに領しています。ここでメロディー&ソロでフィーチュアされるBob Mintzerのソロが出色の出来なんです。マシンの機械的なリズムといかにも人間的なバスクラの音色が絶妙にブレンドされていてカッコいいのなんの!!決してスケールを多用せずにシンプルなフレーズの繰り返しでソロをまとめあげてしまうあたり、このMark Grayの非凡さが十分に表れているといっていいでしょう。

 4.Marcus & Gaddのややゆったりめながらご機嫌に跳ねるリズムにのせて、これもなかなかポップなナンバーに仕上がっています。GRPからリーダー作を出しているDave Valentinのリズミカルでよく歌うフルートを前面に押しだしたナンバーとなっています。メロディー&ソロをたっぷりとフィーチュアして、Gray自らは裏方に徹するというのは、そうそう出来ることではありませんよね。Barry Finnertyのリズム・ギターもなかなか存在感がありますね。

 5.Marcus Millerのチョッパー・ベースに乗って、ミディアム・テンポのご機嫌なテーマをMarkのアコピがリードしていきます。そしてBrecker Brosのホーン・セクションをバックに、アイデディアの豊富なシンセ・ソロが展開されていきます。曲想の割にはSteve Gaddのドラムが今一ハネ方が足りないような気がしてしまいますね。

 6.シーケンサーによる打ち込みのリズムに併せて、如何にもBrecker Bros.といったメカニカルなホーン・アンサンブルが絡んで、ただの単調な打ち込みとは一風異なったカッコ良さを持ったナンバーに仕上がっています。Barry Finnertyのワイルドなリズム・カッティングも決ってますし、ボコーダー風のシンセ・サウンドによる演奏もいい感じにバランスが撮れています。これといったソロはフィーチュアされてはいませんが、印象に残る1曲となっています。

 7.これも打ち込みを使っていますが、一転してメロディアスでポップな味わいの軽快なナンバーに仕上がっています。ここではRandy Breckerではなく、Tom Browneがフリューゲルホーンで豊かに歌い上げているのが印象的です。ちょっとMarcusのチョッパーでのバッキングのパターンがマンネリ気味に聞こえてしまいますが、何気に凄いことをやってるのはわかるんですけど、もっと別のアプローチも聴いてみたい気がしますね。

 8.再びシーケンサーによる打ち込みを前面に打ちだしたファンキーなナンバーです。Barry Finnertyのファンキーなリズム・カッティングをもっと前に出しても良かったように思いますが、打ち込みをバックにジャジーでモーダルなピアノ・ソロを展開するMarkのプレイは流石ですね。シンセの使い方のセンスも抜群で、もっと彼のソロをたっぷり聴かせて欲しいという気持を引きずったまま、あっけなくアルバムが幕を閉じてしまうのには、本当に名残惜しさすら感じてしまいます。

 前作に比べてこの2ndアルバムは、Mark Grayの作編曲の才能にスポットをあてたプロデュースになっているような気がします。盤石のリズム・セクション、豪華なソロイストの起用でメリハリをつけながら、決してキーボード・ソロを詰め込むことなく、快適に演奏を楽しませるといったコンセプトがよく伝わってきます。私はこの中村照夫のプロデュース作品を何枚か持っていますが、N.Y.に根を下ろして活躍してきた中村のジャズマンでありながらもソロの押し売りにならない、洗練されたプロデュース感覚は、単なる豪華メンバーの起用の陰で、実にプラスに作用しているといっていいでしょう。


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