
| 1.Ol' School |
| 2.You Are My Heaven |
| 3.Donna Lee |
| 4.Keep On Truckin' (Baby) |
| 5.Cute Song |
| 6.Let's get It On |
| 7.Cuban Nights |
| 8.The Long And Winding Road |
| 9.Close, But No Guitar |
| 1999年作品 |
●Viseoarts Japan/VACM-1143
●Musicians●
G.KeyVo.John Tropea
B.Vo.Perc.Will Lee
Org.Ricky Peterson(1/3)/Leon Pendarvis(4/9)
Key.Dave Delhomme(2/8)/Paul Shaffer(4)/Chris Palmaro(6)/Bob James(7)/Bette
Sussman
Ds.Vo.Steve Gadd(1)
Ds.Charley Drayton(2/8)/Cliff
Almond(3)/Rick Marotta(4/9) Shawn Pelton(5/6)
Fl.David Mann
Bs.Ronnie Cuber
As.David Tofani
Ts.Lawrence Feldman
Tp.Lew Soloff/Chris Rogers
Vo.Lalah Hathaway(2/8)/Mike Harvey(5)
●コメント●
よく歌うギタリストというとL.A.のLarry Carltonという名前がすぐに思い浮かびますが、さしずめN.Y.を代表する歌うギタリストといえばこのJohn
Tropeaといってもいいのではないでしょうか?常に流行のサウンドに敏感でありながら、グルーブを大事にした寛いだJazz/Funkテイストを感じさせてくれるN.Y.系のサウンドの中にあっても豊かな人脈を持ち、Jazzのルーツをしっかり感じさせてくれる楽しいアルバムを発表死続けているTropeaはHiram
Bullockと並んでN.Y.を代表するギタリストの独りと言って間違いないでしょう。1997年にはEric Claptonの大ヒット・ナンバーを収めた「Change
The World」というアルバムを発表して、その歌心の健在ぶりを示してくれましたが、本作はそれに続くアルバムとして1999年に発表されたアルバムです。Tropeaとともに共同プロデュースにあたっているのは古くからの仲間でもあるWill
Lee(B)で全編でベースをプレイしているのは無論の事、お得意のボーカルやパーカッションも担当していてTropeaのよき理解者・協力者として大活躍しています。そして歌姫Lalah
HathawayがThe Beatlesの8等で素晴らしい歌を聴かせてくれています。ちなみに邦題は「John Tropea
And Will Lee,Lalah Hathaway/Let's Get It On」となっています。
全体にスムース・ジャズのテイストを強く感じさせるリズム/雰囲気で貫かれてはいるものの、そこはJohn Tropea/Will Leeのコンビですから槻並で単調な退屈なサウンドとは一味違ったポップで楽しいファンク・グルーブの横溢した仕上がりになっています。Will Lee/Lalah HathawayといえばHiram Bullockとのコラボレーションも思い浮かべてしまうのですが、やはり、といった感じでCharley Drayton(Ds)Dave Delhomme(Key)のHiram人脈も参加していますし、中でもRicky Peterson(Org)の2曲での参加は嬉しいかぎりです。ファンキーでドライブするRickyのハモンドを2曲でしっかりと堪能できます。他にもWill同様古くからのつき合いでもあるSteve GaddやRick Marottaといった名ドラマーも流石の存在感を発揮していますし、Bob JamesやLeon Pendervisといったベテランのキーボード・プレイもフィーチュアされています。特にN.Y.のスタジオ・ワークで長いキャリアを持つPendervisのオルガン・プレイはRicky Petersonとはまた一味違った独特の音色&フレーズで実にいい雰囲気を醸し出しています。ホーン・セクションもN.Y.スタジオ・シーンで長いキャリアを持つ面々がズラリ顔を揃えていますが、中でも3で豪快なバリトン・ソロを聴かせてくれているRonnie Cuberの存在感が光っていますね!他にもドラム&キーボード・プレイヤーには私はあまりなじみのない面々も参加していますが、さすがにJohn TropeaやWill Leeの眼鏡にかなったミュージシャン達だけに、なかなかしっかりとしたいいプレイを聴かせてくれています。
1.Will Leeにしては珍しいあざとい感じのスラップ・ベースとSteve Gaddのたたき出すファンク・リズムに独特の風切音のようなRicky Petersonのオルガンが滑り込んできて、もうこれはいかにもNYファンクといったお膳立ての上に甘いジャジーなトーンのJohn Tropeaのギターが乗っかればもう、これだけで御機嫌になれちゃうのに、贅沢にもNYきってのホーン・セクションが加わっちゃうんですから、もう出だしから楽しいグルーブに乗せられてしまいます。Tropeaのメロウなギター・ソロは勿論の事、Rickyのハモンド・ソロもWillのスラップ・ベースも十分に堪能できちゃうんですから、こんな贅沢はそうそうありませんよ!その上Will/Tropea/Gaddのファンキーな味を感じるコーラス(?)まで入ってりゃ、もう完ぺきでしょう!これを聴いて身体が動かない人はちょっと危ない人かもしれませんよ(笑)。
2.甘いDX系のエレピにDavid T Walker〜George Bensonばりのメロウなギター、シンプルながら極上のグルーブを発揮するドラミング、ぶっとい重低音の利いたベースラインに乗せてWill Lee & Lalah Hathawayのボーカルが乗って・・・ああ、しっかり寛いじゃいますね。Hiram Bullock一家総出演でHiramの替わりにTropeaがハマったって感じでいい感じですね!それにしてもWill Leeのボーカルはライブでは聴けるもののアルバム中でリードを取ってるのは久しぶりじゃないですかね。それもLalahとのデュエットですから、これは実に嬉しいかぎりですね。それにしてもCharley Drayton/Will Leeのリズム・セクションのグルーブは何て事のないスムースJazz系のリズムを実にいい感じのグルーブに変えちゃいますね!地味ながらツボを心得たDave Delhommeのエレピもさすがです。しかし何と言ってもメロウに歌うことに徹するTropeaのギターは、まさに東海岸の歌うギタリス横綱です!
3.Charlie ParkerのオリジナルでJaco Pastoriusも取り上げている超有名ナンバーをスムース・ジャズ〜ファンク風なアレンジで物の見事に返信させています(笑)。Willの2002年のJazzアルバム「Bird House」でも取り上げていますが、そちらでもここでもWillはあの複雑なメロを弾きまくったり等は決してせずにグルーブ・メイクに徹していますから勘違いなさらないように!ここでもRickyのハモンドが豪快に唸りをあげていて最高に御機嫌なファンキーなサウンドに仕上がっています。ブレイクのところでWillの朗らかな笑い声が大きく聞こえていて本当に楽しそうですよ!そしてRonnie Cuberの豪快そのものといったバリトン・ソロも迫力満点ですが、軽快にドライブするTropeaのギターもブルージーに蛇ジーにスウィングしていますし、短いながらRickyのオルガン・ソロもフィーチュアされていてこれもまた嬉しいところですね!Tropeaが弾いてるのはフルアコでしょうかね?
4.この曲もファンキーで御機嫌なグルーブで楽しめますよ!パワフル&ヘビーなメリハリの利いたドラムスはRick Marrotta!Will Leeとの重戦車リズムのグルーブはもう最高にファンキーですよ!クラビネットでグルーブを引っ張るのはWillやTropeaのフルからの仲間の一人Paul Shaffer、そしてグルービーなオルガンを利かせているのはNYのベテラン・セッションマンLeon Pendervisと、これまた何て豪華な顔触れなんでしょう!Tropea&Willの人脈の凄さをつくづく実感しちゃいますね。Marottaのパワーだけでなく小技の利いたハイハット・ワークも実にカッコいいですよね!Tropeaの粘っこいギター・ソロが大きくフィーチュアされていますが、ファンキーな雰囲気を倍加させているPendervisのハモンド・プレイもバッキングにソロにと大活躍です!このグルーブを利かせるような仕掛けもちゃんと用意してあって、このグルーブに身を委ねるだけで十分楽しめちゃう事、請け合いです!!
5.スムース・ジャズ的なリズムにジャジーなTropeaのギターが乗って、よく歌うプレイを利かせています。とてもダイナミクスを利かせたプレイで単調なドラミングながらそう感じさせないのは見事ですし、黙々と重低音をきかせたWillのベースといいグルーブを醸し出しています。がしかし、あまりにもありふれた感じのスムース・ジャズ的なリズムなので個人的にはややアルバム中中だるみを感じてしまうあたりなのですが(笑)。Tropeaのオクターブ奏法を交えながらの落ち着いたジャズを感じさせるソロに注目するとなかなかのプレイなのですが、リズムやアレンジの面白さに欠ける分だけ損してるって感じでしょうか。
6.これもほぼ5と同じメンバーによるゆったりとしたファンク・ナンバーですが、これがまたなかなかいいんですよ!ドラマーもシンプルなビートながらメリハリを利かせたドラミングでWill Leeとのコンビネーションも実に心地よいですし、背後でずっと鳴っているハモンド・オルガンも実に雰囲気満点で、決してRidkyやPendervisのプレイと比べてもひけをとらない、いいプレイを利かせてくれています。Will Leeのアドリブっぽいボーカル(?)もファンキーな雰囲気満点ですし、何処かあの懐かしいStuffの音を思い出しちゃうようなナンバーです。テナーのオブリガートはイマイチ個性的じゃないので面白くはないですが全体のファンキーなグルーブは心地よいです。
7.何かフォープレイみたいな感じのメロウなスムース・ジャズのテイストだなあ、と思っていたらやっぱりピアノがBob Jamesでした(笑)。Lee RitenourやLarry Carltonに比べるとTropeaはイマイチ知名度/人気が低いようですが、その実力、キャリアともに彼等にまったくヒケを取らないのがお分かりいただけると思います。Will LeeのボトムのきいたベースがどこかNathan Eastのベースとイメージ的にだぶってきちゃいそうですよね(笑)。いっそのことWillもNathanばりにスキャット歌いながらベース弾いてパロっちゃえばいいのに、なんて不謹慎な事を考えながらしっかり寛いじゃってるのは私だけでしょうか(爆)
8.Lalah HathawayのボーカルをメインにフィーチュアしてThe Beatlesの有名ナンバーを取り上げています。この曲でもDrayton/Will/DelhommeのHiram軍団が控えめながら実にセンシティブな演奏を聴かせてくれています。Lalahのややハスキーがかったベルベット・ボイスとでもいったような落ち着いたいい味わいのボーカルもとても洒落てますし、Tropeaのギター・ソロ/オブリガートは、もうこれ絶品です!!まさに名人芸と言った素晴らしいプレイです!Lalahの歌、バンドの演奏、名曲と素晴らしいアレンジでBeatlesの名曲を見事なまでに巧みに料理して見せる彼等は本当に只者じゃないです。
9.再びドラムスにRick Marotta、オルガンにLeon Pendervisを迎えてのゆったりと落ち着いたグルーブを味わえるナンバーでアルバムは幕を閉じます。重たい、いや重すぎるくらいのMarotta/Willのグルーブにトーンを見事にコントロールしながらのPendervisのハモンド・ソロもTropeaの多彩なギター・プレイも間を実に活かしたプレイで、まさに大人のファンクといった熟練のプレイを感じます。個人的にはWillのセンス抜群のフレーズを活かしたベース・プレイとMarottaの超ヘビーなリズム・コンビが最大の聞き所だと思います。地を這うような重低音に洒落たフィルを挟み込んで、Marottaの重すぎる位のリズムと寄り添って生み出されるグルーブは、もうこれWill/Marottaならではの物でしょう!!カッコいいです!
Will Lee(B)のファンならHiram Bullockと並んでこのJohn Tropeaのアルバムは見逃せませんよね。ほとんど全ての作品にWillは参加していますし、現在でもWillはこの二つのグループはしっかりバックアップしているようですから。いやあ、それにしてもほぼ全編でRicky PetersonやLeon Pendervisといった名手のハモンド・プレイが利けて、WillとGadd/Drayton/Marotta等々組み合わせの異なるリズム・セクションを楽しめるというのもなかなか贅沢な話ですよ。とにかくHiram同様ファンキーで御機嫌なグルーブを利かせてくれるJohn Tropeaのアルバム、とにかく寛いで楽しめる素敵なアルバムです!