■John Patitucci/On The Corner■
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→Chick
Corea
→John
Patitucci
→Dave
Weckl
→Michael
Brecker

| 1.On the Corner |
| 2.Avenue "D" |
| 3.Venetian Moonlight |
| 4.A Better Mousetrap |
| 5.Vaya Con Dios |
| 6.Kingston Blues |
| 7.Painting |
| 8.Strength to the Weak |
| 9.Flatbush Ave |
| 10.The Storyteller |
| 11.Bertha's Bop |
| 1989年作品 |
1.一曲目はPatitucciのチョッパーによる躍動的なリズムに乗せてお馴染の6弦ベースでのハイテクニックを疲労するという、前作同様のシチュエイションでのナンバー。結構ぽっぷでファンク超のリズムもきいているのですが、前作も1曲目、2曲目は比較的ビートの効いたポップなつくりだったので、どうかな、といった感じ。やはり故の手のナンバーでは前作同様Dave Wecklが叩いていますが、本当に気持のいいドラミングをしてくれる人ですね。
2.早速Michael Breckerをフィーチュアしたジャジーで躍動的なナンバー。ここでの目玉はMichaelのお馴染のパターン満載のソロなのですが、それに続く、まるでギターのような繊細なトーンでメロディアスに豊かな発送を効かせてくれるPatitucciのソロもなかなかのものです。Vinnie Colaiutaのドラムも非常に派手に活躍していますが、Breckerのソロの背後やエンディング近くでも、見事に曲をもり立てる、エネルギッシュなプッシュをしていて、ソロイストを煽りまくっています。この人は本当に強烈な個性と出会ったときには素晴らしいプレイをしますね。Chick Corea然り、Stingも然りですね。
3.まるでアコースティック・ギターのように美しい音色で歌い上げるPatitucciの6弦ベースのメロディーは本当に素晴らしいです。そしてChick CoreaとPatitucciの会話しているかのようなプレイには、ちょっと鳥肌が立っちゃいますよ。決して互いに腕をひけらかしあったりするような感じではなく、実にナチュラルに日常の会話を楽しんでいるかのようなさりげなさで繰り広げられる二人の高度な楽器による会話はやはりこのアルバムの中での大きな聞き所のひとつです。効果的なシンバルやハイハットなど、ドラムはベテラン、Al Fosterです。
4.シーケンス・パターンの上で、Elektric Band/Akoustic Bandの盟友Dave Wecklと繰り広げる二人プレイ。Wecklの非常にアクセントの効いたビートの上で延々と繰り広げられるPatitucciのエレクトリックによるベース・ソロ。日常的にきっとよく二人でこんな遊びをやってるんだろうな、っていう程実にピッタリと息があっていますね。Dave Wecklの反応の良さと強力なプッシュが、長いベース・ソロを決して飽きさせずに効かせてくれています。
5.これもChick Coreaを彷彿とさせるナンバーなのですが、まるでChick CoreaのようなタッチのピアノはDavid Withamです。ここでのピアノ・ソロもバッキングも非常にChickライクではありますが、躍動感に溢れrたなかなか素晴らしいソロです。続くドラム・ソロはAlex Acuna。これもパワフルで躍動的なエネルギーに満ちていていいソロですよ。Patitucciの作る曲は本当にChickに強い影響を受けているのが解ります。
6.レゲエのビートに乗っていかにも南方的なコーラスをフィーチュアしたナンバー。Patitucciのドロ、Electric Bandの同僚Eric Marienthalのソプラノ・サックスをフィーチュアしていますが、ソロとしてはそう、目新しい内容は見られません。後半patitucciとの掛け合いが効けますが、途中でフェイド・アウトされてしまっています。音色、フレーズともに今一つ魅力にかけるソプラノ・プレイという気がします。
7.とても美しいナンバーです。テーマのハーモニカの音色はJudd MillerのEVI(EWIの金管楽器バージョン)だと思います。ここでは透明感のあるJohn Beasleyのピアノ・ソロが効けますが、これもなかなか曲想と非常にマッチしたいいソロを効かせてくれています。このアルバムでははじめてアコースティック・ベース・ソロを効かせてくれていますが、やはりアコベでのプレイもPatitucciの魅力の一つなのですからもっともっと聴かせてくれていいんじゃないですかね。それから、やはりハーモニカは本物がいいですね。この曲のドラマーはVinnie Colaiutaです。
8.ぽっぷでファンクのテイストも持ったナンバー。比較的ゆったり目のビートながら、その上でテーマ&ソロを取るKirk Whalumはファンキーな音色とフレージングに定評のあるテナー・プレイヤーだけに、R&B、ファンクの香がプンプン漂ってきますが、そのWhalumとPatitucciのベースでのファンキーな掛け合いはちょっとした違和感があります(笑)。いかにもテキサス・ファンク調のフレーズって何となくPatitucciのイメージと合わないんですよね。そういう部分もあるって事をPatitucciはいい買ったのだと思うんですけど、やっぱり、何か違うような・・・・。ここのでのドラムはDave Wecklです。
9.これもEVIを使った怪しい雰囲気のテーマの曲なんですが、ミュートのトランペット風の音色を使うなら、ミュートのトランペットそのものを使っちゃえばいいわけで、これはライブじゃないんだから・・・・てな感じがします。BeasleyのピアノもPatitucciのベースも何れも素晴らしいソロを効かせてくれていますが、ここでもWecklのドラムに耳が行っちゃいます。さりげないフィルとかも、強力にメリハリのきいたWecklが叩くと全く新鮮な物にきこえてきちゃうから不思議です。
10.M.Breckerの幻想的で抑制の効いたテナーを大きくフィーチュアしたスローでメロディアスなナンバー。D.Withamの美しいピアノ・ソロの後のMichaelのソロは実にのびやかで、豊かな音色で、朗々と貫録十分のソロといっていいでしょう。まだ90年代後半以降の、口数の少なく陰鬱な印象のソロではありませんが、少しその萌芽がみられるようにも思います。ここでは、再びPatitucciがアコースティック・ベースに持ち替えて、ソロも聴かせてくれています。短いながらもJazzベーシストPatitucciの実力を感じさせる内容です。驚いたのが、ここで控えめながらしなやかで繊細ないいプレイを効かせてくれているドラマーがColaiutaだという事。クレジットを見て、へえーっと思っちゃいました。
11.ラスト・ナンバーはC.Corea/A.Fosterとのトリオによるストレートな4ビート・ナンバーです。このAl Fosterは長年のMiles Davisとの共演で知られていますが、こういったピアノ・トリオなどでのバッキングでもなかなかの定評のあるドラマーで、決して派手な存在ではありませんが、主役を引き立てる名バイ・プレーヤーとして有名なドラマーです。ここでも、その個性を遺憾なく発揮していて、前作でのPeter Erskineとはまた違った味わいを付加してくれています。先発のPatitucciのアコベのソロは、やはりEddie Gomez的ではありますが、なかなかどっしりとしたよく歌う素晴らしいソロです。そしてChick Coreaのソロですが、いつもの弾むようなChickのソロとはやや趣の異なる、しかし非常にダイナミックなソロをたっぷりと効かせてくれています。Al Fosterのドラム・ソロも、決して新しい感覚のソロではないものの、以外とパワフルなところをきかせてくれています。恐らく、この3人の顔合わせというのはきっとそうあるものではないので、結構皆、気合いが入っているように思うのですが(笑)。
この第二作は前作のChick Coreaによるプロデュースから、Patitucci自身のセルフ・プロデュースに替わっています。前作以上に色々なPatitucciの顔が見えてきたのも確かですが、その分、アルバムの印象がかなり散漫になってしまったのも事実です。Patitucciの才能の素晴らしさは認めますが、それとアルバム・プロデュースは別な次元の話です。前作よりもChickの影響が薄まった分だけ、散漫な印象に繋がってしまったのでしょう。ここはPatitucciというアーティストをよく知る第三者の手によるプロデュースが適切ではなかったか、という気がしてなりません。