■John Patitucci/S.T.■
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→Chick
Corea
→John
Patitucci
→Dave
Weckl
→Michael
Brecker

| 1.Wind Sprint |
| 2.Searching, Finding |
| 3.Baja Bajo |
| 4.Change of Seasons |
| 5.Our Family |
| 6.Peace and Quiet Time |
| 7.Crestline |
| 8.Zaragoza |
| 9.Then and Now |
| 10.Killeen |
| 11.The View |
| 1987年作品 |
1.Elektric Band風のリズムでPatitucciのチョッパー・ベースの上で6弦ベースでメロディと縦横無尽のベース・プレイが展開されます。サビの部分のブラジルを感じさせるパートとのメリハリがきいていてなかなかいい感じです。それにしてもベースで実にギターみたいにパラパラと良く指が淀みなく動くベーシストですね!高音を多用した美しいベース・トーンはElektric Bandでも既に馴染んでいましたが、いやはや凄いベーシストだなあ、と思いました。J.PastriusやS.Clarkeとも違うし、A.Jackson,W.Lee,M.Miller,V.Baileyなんかとも全くタイプが違いますし、全く新しい個性を感じます。Ds.はD.Wecklです。
2.M.Brecker参加で、Patitucciのチョッパーベースが心地よい、フュージョン・タッチのナンバーです。1.同様に6弦ベースでの驚異的なベース・ソロが先発しますが、ただ指が早く動くだけでなく、フレーズが非常に良く歌っているのが印象的です。Michaelの定番ともいえるような豪快なソロを挟んで、MichaelとPatitucciの信じられないような掛け合いが続きますが、一瞬Jeff Berlinを思い出しちゃう位のテクニックです!!そして、ここではWecklのドラム・ソロもフィーチュアされていて、活きのいい、ややGaddライクなプレイも効くことができます。
3.M.Brecker/C.Corea/P.Erskineのカルテットによるストレートな4ビートナンバー。全員のソロをフィーチュアして、いかにもChickが係っているサウンドだなあ、ろいった印象ですね。ちょっと「Three Quartets」の雰囲気がしますね。ここでのMichaelのプレイは短いながら非常に構成の巧みな素晴らしいソロです。ここでもPatitucciは6弦によるのびやかな高音をきかせたメロディアスなソロをきかせています。Chick Coreaのソロの素晴らしいのは改めて述べるまでもありませんが、Peter Erskineのしなやかでデリケートなサポートも、パワフルで反応の早いソロ・プレイも非常に印象に残ります。このアルバムのベスト・トラックだと思います。
4.これはもう、完全にChick Coreaワールド。と思ったらChickとPatitucciの共作ナンバーでした。やっぱりねえ、といった感じです。「Madd Hatter」や「Music Magic」あたりに「Friends」「Three Quartets」あたりのアコースティック・ジャズの感覚がミックスされた感覚のナンバーです。ここでのChickのソロは素晴らしいです。他のトラックも素晴らしいのですが、Patitucci/Colaiutaとの丁々発止のスリリングなプレイはこのアルバムで一番のソロではないでしょうか。そしてここで忘れてはならないのがVinnie Cilaiutaのドラミング。いわゆる歌物やお行儀の良いFusionサウンドの中ではあまり印象に残るグルーブを感じないドラマーでしたし、インスト系の音楽ではややデリカシーに欠けるドラマーといった印象が強かったのですが、ここでのVinnieはまさにうってつけといった印象。Steve GaddやDave Wecklとはまた異なる個性で強烈にChick Coreaワールドの中で自己主張できるとは・・・正直ここでの彼のプレイで、かなりColaiutaというドラマーを見直しました。やや音色的に軽い感じはしますが、そこがまた彼rの個性でもあるのでしょうね。
5.David Withamのピアノによる軽快なテーマが印象的なナンバー。Withamも素晴らしい才能を持ったキーボード・プレイヤーだとは思いますが、やはりChickの影響が強いのか、他のトラックに比べるとやや陰が薄い印象です。Patitucciのベース・ソロもちょっと飽きがきちゃいますね。その分だけバランス的にVinnieのドラムが前に出てきちゃって、4.のようなバランスのいい、それでいてスリリングな空間とは異なった、ややうるさい印象のドラムになってしまっている気がします。しかし、この後の2ndにも3rdにもColaiutaが参加しているようにPatitucciとの相性は決して悪くはないように思います。実際にセッション・ワークでもこの当時、度々このコンビでクレジットされているものがありますから。
6.Chick CoreaのPerc.だけをバックにPatitucciのソロ・ベース・パフォーマンスがたっぷり楽しめます。本当にボサノバのアコースティック・ギターを効いているような錯覚にとらわれる程に見事なプレイを効かせてくれています。彼の特徴の一つにこういったボサノバやサンバのリズムがありますね。実に自然な感じでラテン・フレーバーを出していますね。さりげない感じのトラックですが、かえってPatitucciという人の歌心を感じさせるナンバーです。
7.M.Brecker参加の非常にドリーミーなバラード。Jazz/Fusion作品でのバラード・ナンバーに名演の多いMichaelの起用はさすがChick、名プロデュースです。Patitucciは、ここではあまりパラパラ弾かずにメロディアスに歌心いっぱいのソロを効かせてくれています。そしてMichaelは、バダードだからといって、やたら思い入れたっぷりのソロではなく、十分にテンションの効いた素晴らしいソロを展開しています。こういっらアプローチがMichaelの魅力なんですよね。ここでの非常に繊細なドラミングはPeter Erskineです。
8.やはりChickのピアノが入ると彼の個性が強力に前面に出てきますね。Chickがいるといないでは、本当に曲の印象がガラッと違いますね。それにColaiutaのドラムが決してうるさくきこえずに、非常にサウンドの中にブレンドしてしまうのは、Chickの強力な個性のなせる技なのでしょうね。ここでのChickのソロは、メロディアスな美しさを重要視した印象のソロで、決してChickの個性が強力に出たソロというわけではないのですが、たはりソロイストとしての各の違いというのをまざまざと感じさせられてしまいますね。
9.これはChickのペンによるナンバー。幻想的なムードをPatitucciのアルコ(弓弾き)奏法が一層盛り上げています。ここではアコースティック・ベースによる指弾きのソロがフィーチュアされています。ソロの雰囲気は非常にEddie Gomezのそれに近い感覚を持っていて、ChickがPatitucciを気に入って使うようになったのが非常によくわかるような気がします。サウンドのテイストは非常に70年代後半の「Mad Hatter」あたりの雰囲気をかんじます。ここの曲でのドラマーはDave Wecklです。
10.M.Brecker参加のほのぼのとしたメロディーを持つナンバー。Michaelのお馴染のパターン満載の、でも非常に歌心満点なソロから、バンドのインタープレイで盛り上がって怪しくなってみたりと、なかなか面白いソロが聴けます。Dave Wecklの非常に気持ち良くメリハリのきいた、それでいて煽りまくるドラミングにさすがにクールなMichaelも煽られちゃったのかな(笑)。
11.C.Corea/P.Erskineとのトリオによる非常に優しい印象の4ビート・ナンバー。Patitucciの6弦ベースでのソロもかなりマンネリの印象が強くなってきてしまいます。こういったシチュエイションでは、やはりアコースティックで真っ向から菖蒲して欲しかったという感じでしょうか。確かに美しいメロディーラインを活かすにはこの6弦がいいのでしょうが、やたらこの6弦のベース・ソロが多くフィーチュアされているので、せっかくのいい持ち味がちょっと失われてしまっている気がします。ChickもErskineも非常にダイナミクスのきいた繊細なプレイを聴かせてくれています。
12.静かで幻想的なメロディーにサンバのリズムが効いた不思議なナンバー。曲想やコード進行などにChick Coreaの影響が非常に強く出ているのがお解りになると思います。この当時PatitucciはElektric Bandでのプレイが圧倒的に多かったのでしょう。Chickのような強烈な個性と年中一緒に演奏していたら、物凄い大きな影響、というか感化を受けて当然でしょうね。ここでのColaiutaの抑えた中にパワーを秘めたドラミングはなかなかいいですね。
全体を通してみると非常にプロデューサーChick Coreaの色が鮮明に出ていますね。確かにPatitucciの曲もChickの影響をモロに受けているなという印象ですし、ある意味仕方のない事なのかも知れません。そしてやはり、印象に強く残るのはChickやMichaelの強力なソロ。そして彼等の持つ独特の世界にPatitucciが飲み込まれてしまっているような気さえします。しかし、デビュー作としては、その非凡さを十分にアピールするないようでもあり、セールスの為の目玉としてはCorea/Breckerというビッグ・ネームなしでは冒険すぎます師ね(笑)。ただ、もっとアコースティックでのプレイがたっぷり聴きたかったといった印象が残ってしまいます。エレクトリックとアコースティックを五分五分とは言わないまでも2:1位の割合で聴きたいアルバムです。それから、最後になりますが、曲によって交代で起用されている3人のドラマーが、とても適材適所で、それぞれの個性をとてもよく活かした好演を聴かせてくれています。いずれも現在の音楽シーンの中で重要な位置をしめるトップ・ドラマー達ですが、その個性の違いも十分に楽しめるアルバムではないかと思います。