◆Grover Washington Jr./Winelight◆
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Grover Washington Jr.
Richard Tee
Eric Gale
Marcus Miller
Steve Gadd
Payl Griffin
Ralph MacDonald

1.Winelight
2.Let It Flow
3.In the Name of Love
4.Take Me There
5.Just the Two of Us
6.Make Me a Memory (Sad Samba)

1980年作品


●Elektra/7559-60338-2
●Musicians
Ts.As.Ss.Grover Washington Jr.

Key.Richard Tee/Paul Griffin/Bill Eaton/Ed Walsh
G.Eric Gale
B.Marcus Miller
Ds.Steve Gadd
Perc.Ralph McDonald
Vp.Bill Withers
& Others

■コメント■

 CTIレーベルのスターGrover Washington Jr.がElektra移籍後放った空前の大ヒット・アルバムが本作「Winelight」。中でもシングル・カットされた「Just The Two Of Us」はBill WithersのボーカルをフィーチャーしてJazzチャートやR&Bチャートに留まらず全米No.1を獲得する大ヒットとなった楽曲として特に有名ですね。プロデュースに当たっているのは従来のCreed Taylor/Bob Jamesではなく、Grover自身とRalph MacDonaldが当たっています。Ralphといえば大ヒットした「Mr.Magic」の作曲者ですね。全体のサウンドも以前の派手やかなストリングス&ホーン・サウンドではなく、付き合いの永いStuffのメンバーを中心としたリズム・セクション中心となり、じっくりとメロディ&グルーヴを聴かせる作りへと変化しています。時代的にもAORブームを背景にした洗練されたブラコン・サウンド等が人気を博していた時代でしたから、まさに本作はそんな時代のニーズに見事に応える作品だったのかもしれません。収録曲吸うは6曲と少ないもののいずれもポップで親しみやすいメロディと心地よいグルーヴ感を持った佳曲揃いで、大きなヒットとなったのも十分に頷ける作品です。ただ大衆的な人気とは裏腹に、多くのジャズ・ファンからは厳しい評価を受けた作品でもありましたね。

 このアルバムの注目点としてはGroverのSax以外のサウンドはメンツの割には、あっさり目といった印象な事でしょう。もたり気味でブルージーなフィーリングを身上とするGroverだけに大衆的なヒットを狙うたえにそういった配慮もあったのかもしれません。個人的にはベーシストの違いが大きいように思えてなりません。従来であればベーシストにはGary Kingあたりを起用していたところなのでしょうが、ここでは急速に頭角を現してきた逸材Marcus Millerが起用されていて、切れ味鋭いスラップ・ベースを中心に若々しい力を与えているように感じられます。ちなみにこの後に収録されたライヴ映像「In Concert」ではAnthony Jacksonがベースを引いていて、Stuffのメンバーとご機嫌なファンキー・グルーヴを聴かせているので、あくまでもこの起用はアルバム制作面での戦略からと思われます。それにしてもこの時期のMarcusはMiles Davis(Tp)バンド、Brecker BrosにDavis Sanborn(As)バンド、そしてLuther Vandross(Vo)とまさに引っ張りだこ状態で凄い人気ぶりだった事を思い出してしまいますね。

1.小洒落たグルーヴ感のあるリズムとインスト・ナンバーにしては覚えやすいポップなメロディが印象的なナンバーでアルバムは幕を開けます。ファンキーなリズムとブルージーなGroverのSaxが見事に夜のムードを演出していますね。個人的にはメロにソロにとGroverが吹きまくりなので若干辺かが欲しいと感じてしまうのですが、下手なシンガー等は全く寄せ付けない程のGroverの歌心溢れるブロウで持たせてしまっているのもまた凄い所ですね。やはりMarcusのスラップは超カッコいいですね!

2.これもまた素晴らしいメロディを持ったインスト・ナンバーに仕上げられています。ドライヴするファンク・リズムとブルージーこの上ないGroverのSaxが程よくブレンドされているのが実にいいですね。Eric Gale/Richard Tee、Steve Gaddといった超アクの強いプレーやーが、実に巧みに脇役に徹しているのが実に功を奏している様ですね。でも、さすがに2曲立て続けにGroverのSax吹きまくりのナンバーが続くと個人的には飽きてきちゃいますけれど(笑)。

3.これまたGroverのサブトーンの効いた美しいトーンを活かしたメロディが素晴らしいナンバーです。ここでもTeeやGale,Gaddの個性を巧みにコントロールしながらの渋いサポートが光りますね。フィルのフレーズ等にさりげなくそれぞれの特徴を出しながらも決してでしゃばらないプレイは実にいぶし銀といった味わいを感じさせてくれますね・

4.ミディアム・スローのボサノバのリズムによるバラード・ナンバーです。ここではGroverはテナーの音色を存分に発揮したプレイで逞しいブロウを効かせています。ソロ・パートではサルサ調やサンバ系のドライヴするリズムに乗ってGrover本来の豪快なブロウを効かせています。それにしても4曲連続でメロ、ソロともにGrover一人の吹きまくりというのは如何なものでしょうかね?やはりセルフ・プロデュースの悪い面が出ちゃってるんじゃないでしょうか?

5.大ヒットした素晴らしい名曲なのですが、正直ここでのBill Withersの歌にはそれほどの魅力を感じないんです。確かに声はこの曲にベスト・マッチしていますし、妙にソウルフルなアクを出さないのはいいのですが、あまりにも素っ気ない歌いっぷりには疑問符が付いてしまいます。ここでは女性コーラスをフィーチャーしたり、Steel Panの音色を使ったPaul Griffinのキーボード・ソロ等もフィーチャーされて、Groverのソロはその後に登場してくるのでまだいいのですが、如何せんこのアルバム・バージョンは長すぎます(笑)。確か邦題は「クリスタルの恋人達」とかいう陳腐なタイトルじゃなかったですかね(爆笑)。

6.アルバム中では楽曲的には一番影の薄い曲の様に思うのですが、イントロから控えめながらGeleのギター・ソロが効けたり、Teeの広がり感のあるあの独特のエレピ・サウンドが心地よいナンバーなのが嬉しいですね。個人的には4.5の様にテナーでのブルージーなブロウよりもアルトやソプラノでのブロウの方があまり黒っぽく鳴りすぎないので、このアルバムにはマッチしてる感じですね。ところで途中乾燥でも一瞬Galeのギターがフィーチャーされているのですが、これじゃあまりにも勿体なさ過ぎますよね。最後の最後までGroverの吹きまくりの印象のまま・・・・終わっちゃうんですねえ、やっぱり(笑)。

 大ヒットした当時は街のあちこちでこのアルバムの曲が聞えてきたのを思い出します。実はそんな時の方がじっくり聞込むよりもずっと印象が良かったりしたアルバムなんですよね。飲みに行ったお店でなにげなくBGMでかかってたりすると、「あ、Groverもたまにはいいかなあ・・・」なんて思ったものでしてね(笑)。プロデュースにはやや首を傾げる部分もありますが、楽曲の良さとサウンドのバランスがとてもいいアルバムですね。                       




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