
| 1.Take This! |
| 2.Gemini |
| 3.Back in the Day |
| 4.Seven Groove Interlude |
| 5.Tell It (Like It Is) |
| 6.Big Foot |
| 7.The Clave Groove |
| 8.Billy Groove Interlude |
| 9.Believe Me |
| 10.Solid |
| 11.Baby You're a Rich Man |
| 12.Just for Kicks |
| 13.Seven Groove Interlude |
| 14.The Battle's Over (For Jaco) |
|
|
● Victor/ ESC/VICJ-60732
●Musicians
G.B.Vo.Dean Brown
Key.George Duke/Ricky Peterson/Bernard Wright/George Whitty/Deron
Johnson/Gerry Etkins
B.Marcus Miller/Christian McBride/Schuyler Deale(5)/James Genus/Richard
Patterson
Ds.Billy Cobham/Michael Bland/Rocky Bryant/Ju Ju House
Perc.Don Alias/Daniel Sadownick
As.David Sanborn/Andy Snitzer
Tp.Randy Brecker/Tony Kadleck
Ts.Michael Brecker
Ts.Ss.Bill Evans
Vo.Jerry Barnes/Katreese Barnes
Prog.Jason Miles
●コメント●
2003年のグラミー賞に輝いたRandy
Brecker「34th 'N Lex」もそうでしたが、近年「Dennis Chambers/Outbreak」「Victor
Bailey/That's Right」等N.Y.系の硬派なJazz/Fusion作品をリリースしているESCレーベルから2001年にリリースされたのがこの「Dean
Brown/Here」です。David SanbornやBrecker Bros、そしてMarcus Millerのレコーディングやツアー・メンバーとして華々しい活躍を続ける腕利きのギタリストでありながら、決して派手で目立つ存在ではない彼にスポットを当ててアルバム制作を行うこのレーベルの確かな眼力、ポリシーには敬意を表したくなってしまいますね。近年スムース・ジャズの隆盛のためなかなかレコーディングの機会に恵まれずにいる実力派ミュージシャン達にとっての光明ともいえるこのレーベルでのレコーディングに燃えないミュージシャンはいないでしょう。そしてこのDean
Brownもメラメラと燃え上がるような情熱の炎をこのアルバムで見事に表現してみせてくれます。最近ではMarcus Millerとの活動が多いためかファンク・ギタリストといったイメージが先行するBrownですが、Sanbornのツアー/レコーディング等でもその間の取り方の巧い、音の立つスバらしいソロもきかせてくれていた実力派です。Hiram
Bullockなどと同様にJimi Hendrixからの強い影響を感じさせるRock寄りのプレイからかなりJazz寄りのプレイまで実に多彩なギタリストだけに引っ張りだこなのも当然ですよね。そんなBrownの輝かしい音楽キャリアを証明するかのような豪華な顔触れを結集してのBrownのデビュー・アルバムは、その顔触ればかりでなく実に多彩な音楽性がぎっしりと詰め込まれた力作となっています。
1.Sanbornバンドのかつての同僚Ricky Peterson(Org)Richard Patterson(B)にRickyのお気に入りMichael Bland(Ds)を加えたリズム・セクションによるファンキーなサウンドを軸にRandy Brecker(Tp)Bill Evans(Ss.Ts.)を加えた活きのいいご機嫌なサウンドでアルバムは幕を開けます。Milesバンドの出身でSanbornバンドで長くベーシストを勤めながらもなかなかレコーディングの機会に恵まれていなかったPattersonのスラップがMarcusとはまた違ったグルーブを生み出しています。重く粘るようなファンク・リズムにBrownのギターとRickyのハモンドがとてもよくマッチしています。ただの切れ味鋭いカッティングだけでなくワイルドな存在感も十分に発揮したBrownはかなりカッコいいです!シュールな感覚のRandyとEvansのソロとオーソドックスなRickyのハモンド・ソロがなかなかいいバランスで、これは私のツボにハマっちゃいますね!
2.アコースティック・ギターの響きをいかしたサウンドながらMarcus MillerのフレットレスをフィーチュアしたMarcus色の強いナンバー。James Genusのアコースティックベース/Ju Ju Houseのドラムの上で艶っぽいプレイをきかせるMarcus、そしてアクの強いギター・ソロを聴かせるBrownのサウンドは1980年代にMarcus/MilesがつくりだしたMilesサウンドの延長線上にあるような陰鬱な雰囲気をたたえていますね。Johnsonのローズのソロもなかなか味のあるプレイでMarcusのお気に入りのキーボード奏者の一人であることがよくわかりますね。日頃からともに活動することの多い気心の知れたメンバー達の生み出すサウンドはMarcusのアルバムで聞くのとはまた違った感覚で聞けて面白いですね。
3.ほぼ同じメンバーながらSanbornを加えてMarcus/Brown在籍時のSanbornバンドの雰囲気十分ですね。ここでもRickyではなくJohnsonのハモンドがなかなかグルービーでいい雰囲気を醸し出しています。テーマからいかにもSanbornらしいプレイが存分にフィーチュアされていてSanbornファンとしてはうれしくなってしまうナンバーになっています。ソロを弾いているわけではないのですがBrownのギターがリズムの隙間にいい感じで挟み込まれてきてかつてのSanbornバンドでの仕事ぶりそのままのカッコよく音の立つプレイで存在感をアピールしています。
4.トラック間を繋ぐように挿入されるごくごく短いトラックです。
5.ボーカルをフィーチュアしたファンク・ロックっぽいずっしりした手応えのナンバーです。ここでのBrownのギターはJimi Hendrixの影響を感じさせるギターでワイルドでダイナミックなグルーブを感じさせるカッティングにソロにと大活躍しています。ここでのリズム・セクションはBilly Cobham(Ds)に売れっ子Christian McBrideのアコベとDealeのエレベで、ずっしりとした重たいビートでプリミディブなロック感覚とファンク感覚をバランスよく融合したグルーブを生み出しています。ここではBernard Wrightのハモンドがフィーチュアされていますが、Wrightもハモンドの名手として知る人ぞ知る存在だけに嬉しくなってしまいますね。本当にBrownの周辺にはカッコいいハモンド奏者が多いですね。この女性ボーカルKatreeze Burnesって確かHiramのアルバムにも参加してた人ですね。それにしても叩きまくりの超テクニシャンでかつて鳴らしたCobhamの強力なグルーブを生み出すドラミングには驚かされます!またそれがメチャメチャかっこいいんですから凄いですね!
6.再び1のメンバーによるシャッフルのリズムが心地よいR&Bテイストのナンバーです。独特のトーンとファンキーな個性を活かしたRickyのハモンド・ソロもたっぷりとフィーチュアされていますし、Brownのワイルドな感覚のよく歌うギター・ソロといい強力なコンビネーションを発揮していますね!Patterson/Blandのリズム・コンビはずっしりとした安定したグルーブに専念してはいますが、まさに阿吽の呼吸といった感じでRicky/Brownとの一糸乱れぬアンサンブルを決めていくあたりはさすがといった感じですね。Rickyファンでもある私としてはこのトラックもかなり嬉しいトラックといえますね!
7.ぱっと聞いた感じではありきたりのスムース・ジャズっぽい感覚のアレンジなのであれっと思いましたが、よくよく聞いてみるとスムース・ジャズのフォームを使って逆に遊び倒してしまってるような感じを強く持ちました。一瞬Sanbornの「Time Again」を思い出してしまいましたが、それもそのはず、ここでもChristian McBrideがアコベを弾いています。しかしここではドラムがGaddではなくCobhamですからね!そうあっさりとは終わらない(笑)。テナーはBill Evans。ここでのBrownは堅いJazz系のトーンでフレーズ的にもオーソドックスなJazz的手法を多用してこれまでとは一味違ったプレイを聞かせてくれます。正直いうとここで一番ありふれて平凡な感じのプレイは以外にもEvansのテナーでした。Cobhamのドラム・ソロ、久々に聴いた気がします。やっぱりこの人凄い人です!!
8.これも繋ぎの短い挿入トラックです。
9.何かこのトラックはアルバム全体の中でもちょいと浮いた印象ですね。何かありふれたメロウなFusion/スムース・ジャズって感じですよね。随分と昔のGeorge Bensonみたいなギターもそうですが、全体のサウンドもメリハリに欠けていて正直つまらないです。エレピのソロはなかなかいいソロだと思ったら何とGeorge Dukeでした!この人も凄い人なんですけど、この人が噛むとエラくカッコよくなるか、こういう風にありふれた陳腐なサウンドになっちゃうかどちらかなんですよね・・・・。以前Randy Breckerのバンドのライブで聞いたRocky Bryantのドラミングもせっかくのバネのようなグルーブ感がこの手のサウンドじゃ生きないですよね。
10.これぞDon Aliasといった感じのプリミティブなパーカッションのイントロからヘビーなBrownのギター・サウンドとBrecker Brosのホーン・アンサンブルがなだれ込んできて、Randy Brevkerの「34th 'N Lex」やMichael Breckerの「Wide Angles」の世界をどこか彷彿とさせるナンバーです。Michaelのテナー・ソロは近頃の彼の特徴ともいえる陰影を帯びたトーン、音遣いを基調にしたプレイです。そしてその後に続くBrownのとても短いギター・ソロがブリッジの様に挟み込まれていますが、これがかなりカッコいいです!Michaelのプレイもいいですけど、BrownのRockフィーリングいっぱいの豪快なギター・ソロをもっと聴いていたい、という印象ばかりが残ってしまいます。
11.意外や意外といった感じでThe Beatlesのナンバーです。全体の音の感じは、かなり危ない時期のThe Beatlesのサウンドを基本的に踏襲したつくりで、かなりぶっ飛んだ印象となっています。ある意味ライブ・ステージのあの怪しい動きやソロでの不気味なBrownの音遣いの印象とはイメージ的にはピッタリ重なってはいるんですけどちょっとハマリ過ぎじゃないですかね(笑)。
12.曲調としてはMiles Davis〜Marcus Millerの流れの陰鬱な響きを前面に出したサウンドで、そこにRandy Breckerのシュールな印象のトランペット、Brownのギター・サウンドが絡んでMilesサウンドとBreckerサウンドが融合したような印象が強いナンバーになっています。しかし、どこかで聴いたような印象は拭えないですかね?Marcus Millerの曲だっていわれれば、そうかなと思ってしまいそうですよね。ギター・サウンドはとても個性的ですが、作編曲者としてはもう少しオリジナリティが欲しいところですね。
13.これも短い繋ぎの挿入トラックです。
14.アルバムのラストはDean Brownのギターを大きくフィーチュアした様々な表情を持つスケールの大きな大作となっています。プログレ〜ハード・フュージョンのテイストをうまく活かしたBrownのギター・プレイはメチャメチャかっこいいです!!ここではパワフルなBilly CobhamのドラミングとGeorge Whittyのアコピが効果的にフィーチュアされていますが、やはり何と言ってもこのトラックはBrownの独壇場といっていいでしょう。1〜13で語り尽くせなかった物を一気にこのトラックで表現しているかのようなエモーショナルなギター・ソロが、これでもかといった感じでたっぷりフィーチュアされています。サイドメンやライブでもここまでたっぷりとBrownのソロを聴いたことはありませんから。
あまり新婦とかに頓着しないものですから、「いつか買って聴かなきゃ・・・」と思いながらも随分と間が開いてしまいました(笑)。とにかくそのボリュームとメンバー・クレジットの見にくさのあまり買ってからアップが遅れてしまいましたが、ESCレーベルの他の作品同様にかなり私のツボにハマる内容となっていて、結構よく聴くお気に入りの一枚です。2004年10月には新婦がリリースされるとのこと、とても楽しみにしています。今度はできるだけ早く聴いてアップしますね(爆)。
■Back To Toppage■From Session■