◆David T.Walker/Y・ENCE◆
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David T Walker

1.Tectonics
2.Y-Ence
3.Tryone World
4.Warmth Of The Sun
5.Overstanding?EUnderstanding
6.Pride And Delight
7.Humor

1986年作品

●アルファ/Half Moon/MMG/28XF-3
●Musicians●

DAVID T.WALKER & WARM HEART
G.Perc.David T.Walker
Ds.James Gadson
B.Scott Edwards
Key.Jerry Peters
Key.Perc.Neil Oda
Tp.Oscar Brusher
Perc.Joe Clayton

■コメント■
David T.Walkerというギタリストの名前を初めて意識したのは「Marlena Shaw/Who Is This Bitch Anyway」でした。確かにLarry Carltonも素晴らしいプレイを聞かせてくれるのですが、この人の実に暖かくぬくもりのあるプレイがとても印象に残ったものでした。そして大学生の頃に一緒にバンドを組んでいたギタリストがDavid T.のリーダー作品を色々持っていたので「Press On」とか「On Love」といった往年の名盤も随分と聞かせてもらったものでした。この人の参加アルバムを意識的に集めて聴くということはしたことがないのですが、意外なところに「おっ、Dvid T.じゃん!」みたいな形でいたりするんですよね。R&B/ソウル系からディスコ、ファンク系のアルバムで彼のクレジットを見つける事が多いですね。特に前述したMaelena Shawなんかもそうですが、ボーカル物のバックでの渋いプレイは一聴してすぐに彼とわかるほど個性的で素晴らしいものが多いです。先日も「Dee Dee Bridgewater/Just Family」を聴いていて彼のギターの素晴らしさを改めて実感させられた次第です。そんなわけで少ししか持っていないDavid T.のリーダー作を急遽捜索、とりあえず発見した本作「Y・ENCE」をUPすることにしたというわけです。

本作は1986年の作品です。そうそう、確かこの頃,上田 正樹(Vo)のL.A.録音のアルバムとかにも本作とほぼ同一メンバーで参加していたように記憶しています。フル・アコースティック・ギターBirdlandを抱えて、フルアコの利点をフルに活かしたメロウなトーンのDavid T.のギター・サウンドは、全体のサウンドがガサついていたとしても、まるでそれすら緩和してしまうような力を持っていますね。本作では、セッション・ワーク等で気心の知れたお馴染みのメンバー達とリラックスした空気の中で、持ち味であるブルージーでメロウな個性を存分に発揮してくれています。西海岸きってのグルーヴを発揮するJames Gadson(Ds)Scott Edwards(B)の協力コンビにJerry Peters/Beil Oda(Key)というメンツとはかなり昔からあちこちで組んで仕事してますよね、彼は。そして曲によって、やはり西海岸のスタジオ・セッションではお馴染みのOscar Brasher(Tp)が参加していて、サウンドを引き締めているといった趣向のようです。それにしても地味ではありますが、このGadson〜Edwardsのリズム・コンビ、いい味出してますよね。

1.まるでDavid T.が目の前で弾いているかのように生々しくタッチの表情が伝わってくる無伴奏のソロ(これがジャジーでムーディーでカッコいいんです!)から一転してエレクトリック・パーカッションまで入ってくるファンク・ナンバーが飛び出してきます。イントロからメロまで全てDavid T.のギターがリードしています。そしてR&Bタッチのブルージーなソロへと突入していくのですが、そのフレーズの端々に聴かれる色気のあるフレーズにゾクゾクさせられますねえ。局自体は何てことのないファンク・ナンバーなんですが、彼のギターをこれだけたっぷりフィーチャーするとさすがにじっくり聴き入ってしまいますね。

2.美しいデリケートな響きの、いかにも彼らしいギター・フレーズに始まるスローのバラード・ナンバーです。James Gadsonのブラシでのバッキングに乗せてDavid T.のギターがジャジーに、そしてメロウにしっとりと歌い上げています。ジャズの方法論を軸にしながらもあくまでもDavid T.らしい個性に溢れたソロは職人David T.の深いJazzへの思いを感じさせてくれます。ここではOscar Brasherのミュートによるトランペットもフィーチャーされています。決してDavid T.のプレイを雰囲気を壊さない控えめなプレイは好感が持てます。

3.インド音楽風のイントロが印象的ですが、曲自体はインド音楽とは全く関連のない世界です(笑)。メロディ・ラインの合間に入ってくるさりげないフィルのフレーズが、いかにもDavid T.といった感じで実に色っぽいんですよねえ。ソロは彼のバックグラウンドでもあるR&Bテイストに溢れた内容ですが、リズムの取り方や間の活かし方といい、もうこれは彼ならではのワン&オンリーの魅力としか言い様がありませんね。それにしてもオルガン音色のキーボードは本物のハモンドを使って欲しいところでしょう。ピアノにしてもDavid T.の個性を引き立てるには地味にサポートに徹して欲しかったところですね。装飾音がちゃらちゃらと耳障りな印象が残ります。

4.いかにもソウル系のバラード・ナンバーのイントロといった感じの大仰なイントロから、もうこれはDavid T.がもっとも得意とするパターンのバラード・ナンバーが飛び出してきます。メロディを弾いても、さらりとフィルを弾いても、ソロの隅々に至るまで、どこを切ってもDavid T.、まさに金太郎飴状態で、もう嬉しくてどうしようもなくなっちゃいます(笑)。メロディもソロも、とにかくひたすら歌い幕手入ので、あまり区切りははっきりしませんが、これでだけDaviid T.が堪能できれば文句はありませんよね(爆)。冗談はともかく、雰囲気を少し変えるのに小洒落たピアノ・ソロなんかをフィーチャーしてたら完璧っていう感じですね。

5.いかにも懐かしいR&B/ソウル風のイントロから軽快なギターによるメロディが飛び出してきます。ここではやや饒舌なDavid T.のR&B/ソウル系のソロが展開されています。ブルージーなR&B風のソロの合間にもさりげなく、いかにも彼らしい装飾を施しながらのソロもまた格別ですね。ソロ・フレーズ的にはEric GaleやCornell DupreeといったR&B系の音楽にルーツを持つギタリスト達と非常に類似しているのですけど、同じ様なフレーズを弾いてもここまで違う印象になるもの課・・・という驚きを感じさせてくれるプレイです。ブリリアントなトランペット・ソロをフィーチャーしていますが、かえって曲が引き締まった感じになっていいんじゃないですかね?

6.もうこれはめちゃめちゃカッコいいです!!ゆったりとしたスローなブルージーなナンバーで、実にまったりとした中にもブルース感覚がしっかり込められていて知らず知らず身体が揺れてしまいます。めちゃめちゃブルージーでアーシーなんですけど、ずぶずぶの泥臭さっていうのじゃなく、どこかとても洗練された感じがするのがDavid T.のギターの特徴とでもいうのでしょうか?そういうところは少しDupreeなんかと類似点はありますね。やはり名人達の醸し出すR&Bの世界というのはコクがあって、実にまろやかそのものですね。

7.これも何処か懐かしい感じのするミディアム・テンポのポップなナンバーです。なんかいろいろな曲の要素がごった煮状態でつめこまれた曲といった感じですね(笑)。ここでもミュートをつかったBrasherのトランペット・ソロがたっぷりとフィーチャーされています。ソロとしてどうこうという感じではありませんが、David T.の弾くメロディとソロに変化を与えるのにはピッタリですね。それにしてもDavid T.の弾き出す音というのは決して耳障りでもないのに、よくぞここまで個性的な表現が可能なものですね!おそらく手癖になっているフレーズなんでしょうけど、まさに「David T.」印のフレーズっていうのが結構あったんだんあっていうのが実感ですね。あっという間に聞き終わってしまい、思わず何度も繰り返し聴いてしまいました(笑)。

久々にDavid T.のギターに浸ってみると心が安らいできてとても落ち着いた気分に浸ることができました(笑)。。ディストーションの効いたギターもいいでうけど、やっぱりフル・アコの豊かな響きもたまらない魅力ですよね。Eric GaleやJohn Tropeaなんかもそうですけど、それともまた一味違う、まさに職人芸の極地といった感じですね!歌伴名人の匠の技、結構ハマりますよね、こういうのって(爆)。ちなみに本作は現在廃盤のようです。


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