
| 1.Time Passed Autumn, Pt.1 |
| 2.Time Passed Autumn (Interlude and Pt.2) |
| 3.Time Passed Autumn, Pt.3 |
| 4.Caprice |
| 5.Air Antique |
| 6.Night Will Fall |
| 7.Night Will Fall (Interlude and Conclusion) |
| 8.Sketch of Eden |
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敏腕プロデューサーTommy Lipumaのプロデュース作品、「George Benson/Breezin'」や「Michael Franks/Sleeping Gypsy」等で華麗なストリング・アレンジを聴かせてくれるアレンジャーClaus Ogermanの1977年、やはりLipumaプロデュースによる作品が本作「Gate Of Dreams」だ。全曲Ogermanのオリジナル作品で組曲構成の本作は、まさにアルバム・タイトル同様、美しくドリーミーなサウンドで統一されたゴージャスなサウンドに彩られている。そして要所要所にはLipumaお気に入りのスター・プレーヤー達のソロがフィーチャーされており、それぞれがその持ち味を存分に活かしたプレイを聴かせてくれているのも大きな魅力となっている。「Breezin'」の大ヒットで知られるGeorge Benson(G)に「Michael Franks/Sleeping Gypsy」で大きくフィーチャーされているDavid Sanborn(As)、そしてMichael Brecker(Ts)、Joe Sample(Key)といったLipumaのお気に入りソロイストをフィーチャーし、リズムの要であるドラマーJohn Gueriんも「Sleeping Gypsy」に参加しているL.A.の腕利きだ。 本作そのものもなかなか充実した楽曲揃いではあるが、個人的には少々甘ったるい感じがしてしまい、ついついフィーチャーされているソロイスト達のプレイにばかり耳が行ってしまうのだが、この作品の持つ意味はただ本作のみに留まらないのである。1982年にリリースされた全面的にMichael Brecker(Ts)をフィーチャーした傑作「Sityscape」は、本作におけるLipuma〜Ogerman〜Breckerの出会いが伏線となっているのだ。本作で繰り広げられている優美で夢見心地のサウンドとは打って変わり、都会の喧騒や静寂、躍動感と倦怠感を、時には陰鬱な響きも駆使しながら存在感たっぷりにNew Yorkという都会を描いてみせる壮大なパノラマとなっている。その後ももう一作品「Claus Ogerman featuring Michael Brecker」という作品もリリースされており、本作を含めてこの3作品がLipuma〜Ogerman〜Breckerのコラボレーション作品として捉える事が出来るのではなかろうか? 1.三部構成からなる組曲「Time Passed Autumn」の第一部。シンプルなピアノによるモチーフとストリングスの響きが交互に表れドリーミーな美しさをじわじじわと盛り上げていく序盤、ストリングスのピチカートと木管セクションのアンサンブルの中から浮き上がってきて漂う様なエレクトリック・ギターのトーンを活かした中盤からは非常に繊細にGuerinのダラムスが加わってくる。そしてハモンド・オルガンや再びギターが現れゆったりとたゆたう様なストリングスの響きをメインに第二部へと引き継がれていく。ここではソロらしいソロは全くフィーチャーされてはいないが、組曲としてもアルバム全体としても重要な序曲の枠割りを果たしている。 2.華やかなオーケストラによるイントロを受けて序盤はややゆったり目のリズムに乗せてGeorge Bensonのギター・ソロがフィーチャーされている。元々はブルージーなギター・プレイが個性のBensonではあるが、「Breezin'」での洗練された新境地を感じさせる実につややかでいて滑らかなフィンガリングを織り込む等、その存在感を十分に発揮している。まずは最初の大きな聴き所と言っていいだろう。 3.再び1の冒頭のモチーフのフレーズからドラマチックなオーケストラによるアンサンブルを挟んでJoe Sampleのエレピ・ソロがフィーチャーされている。ここでのSampleはブルージーなフレーズをCrusadersで御馴染みのファンキーなコード・ストロークと組み合わせたプレイで更に強い印象を与えようとしている。しかし、その後に現れてくるDavid Sanbornのアルト・ソロがあまりに強烈なインパクトを持っているため、少々影が薄くなってしまっている。一見場違いとも思える様なSanbornのパワフルに振り絞る様な「泣き節」だが、ここまで突き抜けた個性だと、ここに現れるのがまるで必然であったかの如く感じられてしまうから実に不思議だ。2人のソロイストをフィーチャーしたなかなかの聴き所のトラックだ。そして冒頭に提示されたモチーフで静かに幕を閉じていく。 4.如何にもフュージョンといった雰囲気の16ビートのリズムとオー変え卯sとラ・サウンドが融合して十分に躍動感を感じさせる楽曲になっている。そしてここでは当時多方面からのセッション・ワークに引っぱり凧のMichael Breckerのテナー・ソロが大きくフィーチャーされている。躍動感十分のリズムに乗って快調にドライヴする、如何にもBreckerらしいスピード感溢れるソロ展開は決して目新江悪しい内容のプレイという訳でもないが、トーンからフレージング、構成力に至までほぼ完璧と言える程の完成度の高いソロといえるのではなかろうか?ましてやこういったシチュエーションでの登場だけに圧倒的な存在感だ。楽曲を通じてGuerinのドラムが実に的確で見事なプレイを聴かせていて強く印象に残る。Chuck Domanicoのベースは、この人は元々アコースティックが本職の人だけに、エレクトリックでは特別に際立った存在感というのは感じられない。とにかくBreckerファンにとって見逃せない必聴のトラックだろう。 5.美しく幻想的なオーケストラ・サウンドは、まるで私が苦手なクラシック音楽の様だが、Ogermanの作編曲の才能は決して気をてらわないこういったオーソドックスで緻密なクラシック音楽の手法にのっとっている感じが強い。ただかなりいい線までは行っているのだけれどソロイスト抜きで1曲を通して、という程のメロディの完成度の高さは感じられない。 6.ゆったりと重めのリズムにストリングスとフルート中心の木管のアンサンブルが絡んだ結構ポップなイメージの強いナンバーだが、これといったメロディがなく単調なフレーズの繰り返しに留まっているのが残念。しかしそれをしっかりと補う様にフィーチャーされているSanbornのアルトが実にいい味を出している。ゆったりと嗚さえ気味の比較的おとなし目のソロではあるけれど、熱い勘定の迸りを必死に抑えている様なソロというのもまたファンにとってはたまらない魅力でもあるのだ。少々大げさな間奏を挟んでSampleによるハモンド・ソロがフィーチャーされているが、正直Sampleのハモンド・ソロというのは他ではほとんど聴いた事がなく、結構珍しい気がする。しかし案外オーソドックスでエレピ程の強い個性/存在感はあまり感じられない様に思う。しかし、サウンド的にはいい感じにハマっている感じではる。 7.ストリングスを使ってただじわじわと高揚していく様な感じを演出していったかと思うと6のテーマが現れてきてそれに締め括りを付けているといった位置付けの様だ。独立した楽曲という訳でもなく、何かとって付けた様な感じが残ってしまう。そして南都はなしにこれも8へとつながっていく感じだ。 8.アルバム全体にきっちりと収まりをつけるための所謂エピローグ的なトラックと言えるのだろう。ゆったりとしたりずむの響きの中、ストリングスの動きやエレピトリック・ギターのトーンからどことなくザワついた感じを豹変しようとしている感じもしないではない。ひょっとして夢から目覚める直前でも表現したかったのかな?シンセを使っての風の音のシュミレーションで終わっていく感じが今ひとつピンと来ないのも残念なところだ。やはり際立ったメロディを浮かび上がらせる事ができないままに最後まで来てしまったという印象が強い。やはりソロイストをフィーチャーしていない曲は著しく印象度が落ちてしまうのは致し方のない事なのだろうか? 本作はCD化はされてはいるものの2006年9月時点では目下廃盤&入手困難状態の様だ。しかしDavid SanbornファンにとってもMichael Breckerファンにとっては決して見過ごす事の出来ない作品であり、実際なかなか素晴らしいソロがフィーチャーされている作品でもあるので、是非とも復刻を期待したい作品のひとつだ。「Cityscape」は復刻されているし、「featuring M.Brecker」も比較的よく中古市場で見かけるが本作は滅多にお目にかからない。購入を希望される向きは根気よく中古市場を探される事をお薦めする次第だ。 |