
| 1.Time Limit |
| 2.Tear Of The Star |
| 3.Space Road |
| 4.Midnight Rendevouz |
| 5.Far Away |
| 6.Swallow |
| 7.Drem Hill |
| 8.Black Joke |
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●Village/Alfa/VRCL2221●
●Musicians●
G.野呂 一生
Key.向谷 実
B.桜井 哲夫
Ds.佐々木 隆
As.David Sanborn
Ts.Michael Brecker
Tp.Randy
Brecker
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1970年代半ば、日本のJazzシーンも遅ればせながら新たなエレクトリック。ジャズの動きが活発になってきた。とは行っても渡辺 貞夫や日野 皓正、といったビッグ・ネームやその周辺の峰 幸介、増田 幹男、渡辺 香津美といったあたりの、所謂Jazz畑のミュージシャン達の流れと、村上'ポンタ'秀一、大村 憲司、坂本 龍一、後藤 次利、細野 春臣といったスタジオ・ミュージシャンの中から沸き起こってきたムーヴメントの二極になんとなく文化していた様に感じたものである。そんな中双方のミュージシャン達の交流から若手、中堅ミュージシャンを中心にマライアやKYLYNといった新しい動きも生まれてきた。しかしそれとは全く異なる新しい世代のミュージシャン達によるSquare(現在のT-Square)やカシオペアが彗星の様に登場してきてから、日本のフュージョン・シーンも新たな展開を迎えた様に感じられたものだった。いわゆる50年代〜60年代のモダン・ジャズの直接的な影響を受ける事なくRockや70年代の新しいJazzの洗礼を受けて育った、私と同世代のミュージシャン達の自然に身に付いた感性は瞬く間に大きな共感を得、支持を獲得する様になるのである。そして本作はそのカシオペアの1979年の記念すべきデビュー・アルバムという事になる。 正直、当時からカシオペアやSquareの音楽に私自身が共感を覚えていたのかと言うと、必ずしもそうではない。というのも彼等のサウンドがあまりにも時代のツボにハマリ過ぎて居る様に感じられたからでもある(笑)。とにかくメチャメチャ巧く、スピーディにキメ事満載の難しい楽曲/アレンジを疾風の様に駆け抜けていく鮮かさは、それだけでも大きなインパクトがあったが、その反面、音楽として魂を揺さぶる何かがあまり感じられなかったからだ。ポップでいかにも日本人的なメロディ、抜群のテクニックにプラスαの何かを探し続ける出発点としての本作では、当時人気絶頂だったBrecker BrothersとDavid Sanbornという第一期Brecker Brosの三管のホーン・セクションをゲストに迎えているのも大きな話題となったものだが、正直カシオペアの音楽とBrecker Bros的なN.Y.サウンドには若干の違和感を感じたのも事実。どちらかと言えばポップで軽快なL.A.的なイメージに近い彼等のサウンド、特に今日でも人気のある楽曲等では敢えてホーンをフィーチャーせず、グループのみで演奏されているあたりからも、その辺の兼ね合いの難しさが見て取れる様な気がする。まあ、当時彼等の所属していたアルファ・レコードは「深町 純&N.Y.All Stars」等のアルバムもリリースしていたレーベルなので、そのあたりから実現した共演だったのだと理解している。 しかしアルバムとしては非常に出来のいいアルバムだと思う。カシオペアの持ち味であるスリリングなスピード感、キメ事の嵐も何のそのテクニカルな演奏を繰り広げつつも、楽曲自体は非常に明るくポップなライト感覚で、デビュー時点で既にある程度、バンドとしてのスタイルや方向性が確立されていた感がある。ドラムスも後に神保 彰を迎える事になる訳だが、ここで叩いている佐々木にしてもなかなかのテクニシャンである。4人のメンバーの超絶技巧ソロと、ビシッと決まったバンド・アンサンブルは確かにかなり軽めの印象もあるが実に爽快そのものだ。まさに日本のフュージョン・シーンの新時代の幕開けを告げるに相応しい作品となっている。 1.何となくBrecker Brosの代表曲「Rocks」の雰囲気を感じるすべり出しからホーンをフィーチャーしたリフと向谷のエレピ、野呂のギター・ソロを間に挟む格好でスリリングに展開していく。中盤にはSanborn〜Randy〜Michaelのソロ好感もフィーチャーされていて、Brecker Bros+カシオペアの豪華共演という雰囲気がトラック全体にみなぎっていて実にいい感じだ。やはりこの手のハードなシチュエーションでは桜井のベースの存在感がとても大きくクローズ・アップされている。N.Y.のトップ・ホーン・セクションとの共演がズバリ的中といった見事なオープニング・ナンバーになっている。 2.いかにもカシオペアらしいメロウな雰囲気を持ったバラード・ナンバー。ここではイントロとエンディングにMichaelのテナーがフィーチャーされている。バラード・ナンバーと言えどもしっかりと一度は盛り上がりを見せるカシオペアならではの展開だ。ここでの野呂のアコースティック・ギターのソロは日頃のアクロバティックなプレイといった印象とは一味違ったプレイだ。桜井のメロウなベース・プレイを挟んでの向谷のやや自己陶酔的な感じのピアノ・ソロはエレクトーン的なチープなシンセ音色と相まって妙に笑える。Michaelのプレイはちょっとしたスパイスといった感じかな? 3.桜井のベース、佐々木のドラムスが絡んで躍動的なグルーヴをしっかりと作りだしているカシオペアの定番ナンバーの一つ。テーマのギターの入り方等は如何にもRock寄りのフュージョンといった印象だが、ギター・ソロはなかなかよく構成されていてドライヴ感も十分だ。続く向谷のシンセ・ソロも途中からドラムス&ベースとの絡みを巧く使って盛り上げていくあたりがなかなかカッコいい。再び現れる向谷のギター・ソロの背後では十二動き回る桜井のベースがパワフルでめちゃめちゃカッコいい。 4.これぞカシオペアの定番中の定番!カシオペアならではの親しみやすいメロディと軽快で締まったリズムが実にいいマッチングを見せている。ここでは生のストリングスもフィーチャーしているが、その使い方も実にここぞといったタイミングでいい。先発する向谷のエレピ・ソロもしっかりとしたストーリー構成があって、そこにドラムス&ベースとのインタープレイを織り込む等、なかなか意欲的なソロだ。野呂のギター・シリは彼にしては比較的コンパクトに収めたRockタッチのソロだが、これも向谷とは対照的でなかなか面白い。終盤はリフの繰り返しをバックに佐々木のドラム・ソロもフィーチャーされているが比較的早めにフェード・アウトしてしまっているのが少々残念。 5.彼等にしては比較的重めのファンク・リズムにストリングスを絡めたお=プニングは一瞬「おっ!と思わせるが、ベース&ドラムスの感覚よりも野呂のギターのカッティングの軽い感じと向谷のポップなピアノによるテーマのポップなライト感覚の方が上回っている感じだ。楽曲もアレンジも如何にもカシオペアらしい、よく練り上げられたサウンドではあるが、アレンジ、ソロともに何となく何処かで聴いた事のあるサウンドの寄せ集め的な印象は拭えない。 6.やはりカシペアはこういった軽快なスピード感溢れるナンバーがよく似合う。持ち前の耳によく馴染むメロディー・ライン、そしてスリリングでややアクロバティックなキメ&シカケを随所に配置して、疾走感満点のプレイを展開している。先発の向谷のシンセ・ソロ、二番手に野呂のスリリングなギター・ソロ、カウベルも使ってSteve Gadd的なソロを聴かせる佐々木と、いずれのソロもテクニカルで見事なのだが、どれも後で鮮明に強い印象として残らないというのが当時の彼等にとって最大の課題だったように感じる。 7.のどかな雰囲気のナンバーで、ここでは彼等のヴォーカル&コーラスがフィーチャーされている。当時はヴォーカルをフィーチャーするのが結構当たり前の風潮ではあったものの、カシオペアは下手にそんな時流にすり寄らなくても十分に通用するポップ感覚があるのだから正直いってこのトラックは失敗だと思う。楽曲的にはいかにも彼等らしいナンバーだし、ギターによるテーマ藻決して悪くないのだが、そこにスキャット風のコーラス、日本語の歌詞が絡んでくるのは少々違和感を感じてしまう。向谷のエレピ・ソロがなかなかいい感じで引き締め、野呂のGeorge Benson風のソロ&スキャットも決まっているだけに、この趣味のよくないコーラスだけが残念でならない。 8.これは彼等の長年の活動の中でも高い人気を誇る代表的ナンバーだ。ここでは桜井のファンキーなスラップとホーン・セクションがN.Y.的なファンク感覚を演出していてアルバム中でも白眉といえるカッコいいトラックとなっている。楽曲のイメージ以上にハードなN.Y.的な雰囲気のせいか、ここでの野呂のギター・ソロ、向谷のエレピ・ソロもそれっぽいいい感じのソロを展開していて聴き応え十分。ここでは桜井のベース・ソロもフィーチャーされていて、日本人離れしたスケールの大きいプレイで大きく存在感を示している。序盤Michaelのテナー・ソロもフィーチャーされているが、それなしでも十分に通用する見事な演奏を堪能する事ができるトラックだ。 そのカシオペアだが、2006年、突如WEB上で活動休止がアナウンスされた。ここ数年、かつてのフュージョン・ブームを懐かしむ声の高まりによってT-Squareやパラシュートといったかつての人気グループと共にイベント等で大規模な観客動員を行ってきた彼等であっただけに、その26年余に及ぶ長きにわたる第一線での活躍をねぎらう声と同時に活動休止を惜しむ声も大きいようだ。しかし既にある意味そのグループとしての役割を終えた彼等に、今後はメンバー各人の音楽活動に専念精力的に続けていってもらいたいと切に願う次第だ。 |