
| 1.Ivanhoe |
| 2.Going Home |
| 3.Dede |
| 4.Latin |
| 5.Magic Player |
| 6.Song for Wayne |
| 7.As My Brother |
| 8.Nani |
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1..ライブのシュミレーションを施した中、エフェクトをかけたBrunelのフレットレスが唸りを上げます。どこか「Shadows & Lights」でのJacoとダブる印象もありますが、めちゃくちゃ凄いテクニシャンだというのがこれだけでもおわかり頂けることでしょう。打込と思しきスネア&バスドラに合わせてスラップも披露していますが、どこか昔のStanley Clarkeみたいな時代を感じるファンク・サウンドになっています。そしてこの曲で出てくるギターともシンセともつかないようなソロはまさしくそのStanley Clarkeのピッコロ・ベースによるものです。Brunel/Clarkeの超絶プレイにだけではありません。打込らしいスネアの音とともに聞こえるハイハットシンプルな打込風でありながらグルーブ/表情が出ていて「ん?これTonyじゃん?」って感じです。そしてそれが次第に姿を現してきてハットだけでなくシンバル、そしてスネアと出てきて打込の印象を打ち消してしまいます。揚げ句の果てにはドラム・ソロまで飛び出して来て・・・うわっ、こりゃ凄いや!!
2.メロウなポップ・バラード風のイントロから柔らかなボサノバ風のリズムが現れてきます。このエレピの音、音の重ね方はまさにChick Coreaですね。そして全体の空気としてはFlora Purimを擁したRTFのイメージとダブってきます。BrunelのフレットレスはStanley Clarkeのような雰囲気とJaco Pastoriusのフレーズがブレンドされたような、まさに70年代後半から80年代前半らしい感覚いっぱいのプレイですね。このNani Villa BrunelというボーカルはBrunelの奥さんか何かなのでしょうか?一瞬Floraかな?なんて感じですが、やはり独特のハスキーさや揺らぎ感のあるFloraとは比べ物にはならないですね。でもハードに展開するインストの合間にしっかりとこういったボーカル曲を挟み込むあたりはChickが大きく係っているからなんでしょうね。
3.小気味よいギターのカッティングとどこかユーモラスな雰囲気を持ったメカニカルなリフの組み合わせが面白いナンバーです。これがBrunelの日常的な音楽の形なのかもしれないな、と思いました。スラップ/チョッパーの雰囲気は本当にスタクラの感じにとてもよく似ていますね。Michael O'Neil(G)島 健(P)ChickのバンドやRobben FordのBlue LineでおなじみのTom Brechtlein(Ds)のソロもフィーチュアして曲に変化を持たせていますね。印象に残るのはBrumelのベースと島 健のピアノ・ソロ。そうそうたるメンツに囲まれながらもテンション感いっぱいのソロを聞かせる島 健のピアノはなかなかダイナミックで聞き応え十分ですよ。
4.これは曲の作りといいムーグの独特の音色といい、横溢する躍動感と楽しげな空気は完全にChick Coreaの世界ですね。そしてここではChickのムーグとHancockのアコースティック・ピアノのエキサイティングなソロがフィーチュアされていて、これがすごいインパクトです。まるでJacoみたいなフレーズ/グルーブでのBrunelのバッキング&ソロも半端じゃないですよ!そしてChickのムーグ・ソロですがBrunel/Brechtleinのリズム、そしてHancockとのインタープレイを絡めて、ただの顔見世興行には終わらせていないのがまた凄いです!そして続くHancock/Corea/Brunelのチェイスもこれまた凄み満点で、あまりのカッコよさに体が固まってしまいます(笑)。至る所で飛び出してくるJacoを彷彿とさせるフレーズ、そしてハーモニクスの響きにはJacoでないとわかっていても一瞬錯覚しちゃいますね。とてつもない技量を持ったベーシストですね、このBrunelという人は・・・。当時は気づきませんでしたがGadd的なドラミングをしていながらもずっとしなやかなJazz感覚を持ったBrechtleinのドラムもなかなか素晴らしいですね。
5.Brunelのチョッパー・ベースをメインにNani Villaのボーカル/コーラス/ホーン・セクションを加えた懐かしい感覚のファンク・ナンバーです。そしてそのピリミティブな感じのファンク・ビートに乗せて超絶技巧のフレットレス・ソロを弾きまくるBrunelという人、只者じゃないというか、半端じゃないというか、かなりイっちゃってる人ですよ、これは(爆)。そういう意味でもかなりJacoと方向性が似てるのかもしれませんね(笑)。Head Huntersやスタクラのやるような本当に70年代が懐かしくなるような、そんな雰囲気のファンク大会です。
6.優美で華麗かつ軽快なChick Corea的な雰囲気を強く感じるナンバーですが、ピアノは紛れレもなくHancockです。BrunelもJacoテイストいっぱいのプレイでJazzしてますね。それにしてもここでもBrechtleinのドラムが実に素晴らしいプレイを聞かせてくれます。Gadd的というよりもここではそれにかなりTonyの影響を強く感じるダイナミクスの使い方、そしてフィルの入れ方までがTonyライクでこういったJazzのセンスいっぱいのナンバーではやはりこういったドラミングの方がハマりますね。シンバル・レガートなんかも本当にいい感じでTonyのセンスをパクっていていいですよ!そしてこの曲ではBill Watrous(Tb)のソロがフィーチュアされていますが朗々とよく歌うボントロですね。そしてHancockもソロでは全くChickとは違うテンションのきかせかたでエキサイティングかつエモーショナルなダイナミックなソロを聴かせています。そして主役Brunelのベース・ソロですがChickの影響を強く感じさせる、音の粒が綺麗に揃ったプレイを聞かせてくれます。Chickのバンドの歴代のベーシストStanley ClarkeやJohn Patitucciに挟まれてあまり目立たない存在のBrunelですが、このソロを聴けば全くそんな影の薄さは微塵も感じられません。この人がいたからこそPatitucciみたいなベーシストでなければ勤まらなかったんじゃないでしょうかね?いやあ改めてBrunelという人の力量には驚かされました。
7.一転、今度はテンション感の高いN.Y.系のホーン・アンサンブルを全面に立てたファンク・ナンバー。N.Y.系のファンク・テイスト+ホーンといえばBrecker Bros.ですが、まさにそんな感覚に襲われるようなメカニカルなテーマが印象的なナンバーです。そしてここでは6に続きBill Watrous(Tb)とRTFにも参加していたJoe Farrellのテナー・ソロがフィーチュアされています。まさに狙っていた線はBrecker Bros.的なサウンドだったのでしょう。アルバムの中での位置づけは5と同様でこれもきっと日頃のBrunelの指向していたサウンドの一つだったのでしょうね。
8.「うわっ、Jacoだ!!」思わずそう思ってしまうようなBrumelのフレットレスを全面に立てたドリーミーなナンバーでアルバムは締めくくられています。その豊かな音色とよく歌うベースは単にやたら指がよく動くといっただけのミュージシャンでないことを如実に表した演奏といっていいでしょう。そのBrunelのソロに途中から寄り添うように美しいシンバルの響きとリム・ショットで実に適切なサポートを聞かせているのはやはり名人Tony Williamsです。オープニングの1とエンディングの8で、ある意味大将的ではありますが深く印象に刻み込むようなプレイには、もうただただ平蜘蛛となってひれ伏すばかりです(爆)。とにかく美しいフレットレスの響きとシンバルの響きが共鳴しあって夢幻の境地をさまよっているかのような気持ちにさせられてしまいますね。凄すぎます・・・・。
Brunelは1979年のデビュー・ソロ作「Touch」以来、現在まで6枚のリーダー作を残していますが、現在ほとんどのアルバムが実質的に廃盤となっているようですが、この2ndアルバム「Ivanhoe」は彼自身も気に入っているのか著作権を買い取って自らのHPなどで販売を行っているようです。しかしブックレットはカラー・コピーでメディアはCD-Rということなので中古の正規盤が見つかって本当にうれしいです。