
| 1 In the Shadows |
| 2 Crossing |
| 3 I Thought About You |
| 4 Either Or |
| 5 Stay That Way |
| 6 Carry On |
| 7 Games |
| 8 Autumn Leaves |
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●コロンビア/Denon/COCB53530
●Musicians
Ts.Ss.Bob Berg
G.Mike Stern
Tp.Randy Brecker(1)
B.Lincoln Goines/Will Lee(4/5)
Key.Jim Beard
Ds.Dennis Chambers
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Bob BergのDENONレーベルからの3rdアルバム(通算5枚目)が、本作「In The Shadows」です。基本的にはDENONからの1stアルバムである「Short Stories」、そして2ndの「Cycles」の延長線上にある作品と言うことができるのでしょうが、1990年当時乗りに乗っていた盟友Mike Stern(G)との双頭グループ、Bob Berg〜Mike Stern Groupのサウンドが最も明確に反映されたアルバムと言うことができるでしょう。そしてMike Sternのソロ作品には既に参加しているキーボード奏者Jim Beardが演奏ばかりでなくプロデュースにも大きく関わっているのも大きな注目点でしょう。というのもBeardは1980年代後半、復活CTIレーベルの中核を担う存在としても大きくクローズ・アップしていた才人でもあるからです。実際本作以降の「Back Roads(1991年)」、「Virtual Reality(1992年)」や「Odds Or Evens(1991年)」以降のSternのソロ作品のプロデュースにBeardがあたっていることからも、BergやSternがBeardの手腕を大きく買っていたことがうかがえるでしょう。本作はBerg(Ts.Ss.)、Stern(G)にChambers(Ds)、Goines(B)の4人からなるバンドの演奏を軸にしながらも、曲によってはWill Lee(B)やRandy Brecker(Tp)をフィーチャーして、実にすっきりとしたアルバムに仕上がっています。そしてアルバム終盤の「Games」、スタンダードの「枯葉」ではユニークかつ硬派なBerg〜Sternらしいジャズ・スピリットに溢れていて、このバンドの実像に迫る数少ない音源の中でも一際存在感に富んだアルバムとなっています。 1980年代後半から1990年代前半にかけてはデジタル楽器やシーケンサーを駆使した同期サウンド全盛の時代であり、本作やSternの諸作などにもそれは見て取れるのですが、復活CTIでの諸作や後のBeardの作品からも感じられるように、実に同期サウンドの使い方が巧みで趣味のいい使い方がなされているのが大きな土岐町でしょう。そしてそのプロデュースも、決してBeardの色を強く打ちだすというのではなく、主役をしっかりと際立たせる控えめで効果的なサウンド作りに腐心していることがうかがえます。そしてBeardという頼もしい協力者を得て、Berg、Sternともに実に伸び伸びと彼等の魅力を発揮しているように聞こえます。あくまでもBergを主役として立てながらも、ソロをフィーチャーされる場面でのSternのプレイも、かなりの聞き応えで聴き手に迫ってきます。そして、やはりラストの2曲では、このバンド本来のハードな魅力に引き込まれてしまいます。特に「Games」でのBerg、Sternのソロ、そしてソロの掛け合いとヒート・アップしていく様は、ライヴ音源ほどではないにせよ、圧巻です。ラスト2曲のような、かなりJazz色の強い演奏においてのChambersのドラミングは、この時期剛腕ドラマーとしてばかり注目されていた彼の異なる側面を垣間見せてくれます。 個人的にはBergのこのDENON時代の5作品については、てても良質な好盤揃いとは思いますが、この後の「Back Roads」や「Virtual Reality」は若干スムース・ジャズを意識した作りが感じられて、イマイチBergの硬派な魅力に書ける感じがしてしまいます。Berg〜Sternの凝れ母レーションが最も反映されているという面からも本作{In The Shadows」は、代のお気に入りの1枚となっています。 1.ミディアム・テンポのメリハリの効いたリズムに乗せてRandy Breckerのミュート・トランペット、Sternの空間の広がりを感じさせるギターが浮かび上がってきます。そしてやや夜のムードを感じさせるメロディアスなBergのテナーのテーマへと引き継がれていきます。やはりBergの代々の魅力はその逞しいテナー本来のトーンでしょう!ここでは落ち着いたプレイで歌心を全面に押し出したプレイを効くことができます。そして続くSternのソロも、いつものテクニカルなプレイよりもRockタッチのタメのきいた泣きのギターで、これもかなりいいプレイを聴かせています!最後にRandyのミュート・ソロがフィーチャーされていますが、これは途中でフェード・アウトとなっています。確かにこの手のコンテンポラローなサウンドでは、ソロイスト三人はちょっと冗長になっちゃいますね。 2.Sternのアコースティック・ギターとBeardのアコースティック・ピアノの豊かな響きに包まれ、軽やかにドライヴするリズムに乗せてBergがメロディアスなテーマを朗々と謳い上げています。ここでのバンドのプレイはBerg〜Stern Groupならではの感覚も十分に感じさせてくれます。ここでのなめらかでメロディアスなSternのソロは彼自身のソロ・アルバムとは一味違った感じで、これまたなかなか見事なプレイを聴かせています。そして続くBergのソロも決してテクニカルなフレーズに走らずにメロディアスに歌心豊かなプレイで聴き手を魅了してくれます。低音域から高音域まで、実に淀みなく、いい音でテナーが鳴っているのがお判りいただけるでしょう。しなやかでありながら、パワー、テクニックともにさりげなく聴き手に意識させるChambers〜Goinesのリズム・セクション、Beardのピアノも存在感十分です! 3.ゆったりとした挙コースティックな雰囲気を醸し出す、Beardお得意の同期サウンドの世界とBergのテナーがなかなかいいマッチングを見せているナンバーです。決して押しつけがましくないシンセのオーケストレーションとパーカッションに乗せてゆったりと大らかに歌いあげるBergのテナーの歌心はまさに絶品でしょう!そしてそれに続くBeardのアコースティック・ピアノ・ソロも、これまた見事!決して長いソロではありませんが、言いたいことをしっかりと言い尽くしているといった印象ですね。Bergのソロもフリーク・トーンを如何にもそれ風という使い方ではなく、実に音楽的に取り入れたりと、さりげないプレイの中にその計り知れないテクニックの片鱗をのぞかせているのが凄いです! 4.これもある意味Berg〜Sternならではのメロディ・センスに溢れたポップな歌心を感じる年バーです。バンドのライヴ感覚を損ねずに同期サウンドを巧みに取り入れたBeardの手腕も見事なら、同期サウンドとは思えないグルーヴ感を持ち込んでいるWill Lee(B)とChambersのリズム・コンビもまた見事!ポップに躍動するリズム感覚とメロディアスなテーマがバランスよく同居したトラックに仕上がっています。ここでフィーチャーされているのはBergのテナーのみですが、そうとは感じさせないほどサウンド全体にSternのギターが効果的な役割を果たしていますし、またBergのプレイの説得力もまた凄いです! 5.4と同じメンバーによるポップでメロウなBerg〜Sternらしいセンスに溢れたバラード・ナンバーです。これもさりげなく同期サウンドを取り入れてはいますが、ほとんどそれと意識させないあたりは本当に巧い仕上げ方ですね。バラードとはいっても、しっかりとメリハリの効いたグルーヴを感じさせるあたりは、やはりWill Leeの存在の果たす役割が大きいのでしょうね。ここでもテーマにソロにとBergの独壇場といった感じなのですが、テーマでのユニゾンでのプレイからアコースティックでのさりげないフィルに至るまで、実に芸の細かいSternのプレイ、Beardのピアノでのバッキングが冴えていますね。それにしても2曲続けてテナー一本で聴かせてしまうBergのプレイの説得力って半端じゃないですよ! 6.これも如何にもBeardらしい同期サウンドを導入したナンバーですが、バンドのサウンドと実に巧みにブレンドして違和感を感じさせない部分と、同期リズムを意識させる部分との対比が本当に見事です。ちょっとNew AgeっぽいというかWindaham Hillレーベルを連想させるようなBearのアコースティック・ピアノが曲を通じて非常に効いていますし、Sternのギター、Chambersのドラムもサポートの中でしっかり存在感を発揮していますね。ここでは後半Bergがソプラノに持ち替えてのプレイを効かせていますが、この人のソプラノもなかなか個性的でいいんですよね。この曲だけでなく、もう一曲くらいたっぷりとソロをフィーチャーして欲しかったところですね。 7.やはり本作最大の聞き所はこの「Games」でしょう!お馴染みのBergとSternのユニゾンによるテクニカルなテーマに始まり、Bergのエキサイティングかつエモーショナルなテナー・ソロをたっぷりフィーチャーしています。そしてこれに続くSternのソロもエンジン全開、如何にもSternらしいソロ・ワールドが展開されていて、まさにファン必聴のトラックでしょう!それぞれのたっぷりしたソロをフィーチャーした上にBergとSternのソロの掛け合いまでフィーチャーしているこのトラックは何度聴いても鳥肌が立ちます!どっしりと土台を支えるGoines、そしてソロ椅子とを強力にプッシュし鼓舞するChambersのドラミングと、これスタジオ録音としては破格の生々しいライヴ感覚はもう最高です!! 8.アルバムの最後は何と超有名スタンダード「枯葉」です。とは言っても妙に取り澄ました、とってつけた様な演奏というのではなく、いかにもBergらしいユニークな解釈&アプローチを楽しめるトラックとなっています。Goines〜Chambersのオーソドックスな4ビート・プレイもなかなかどうして実に堂に入ったものです。Miles DavisやBill Evansの代表的な名演とも全く異なるBerg〜SternならではのコンテンポラリーなJazzワールドが満喫できます。Sternのこの手の比較的オーソドックスな4ビートでのプレイもかなりカッコいいですし、さりげないインタープレイ等々、実に聞き所満載のトラックです。Bergの音色のバリエーションの豊富さにも驚かされます。こういうちょっと嗚さえ目のクールなBergもカッコいいですね!! それにしても2002年の突然のBergの死以来、彼のリーダー作/参加作はなかなか入手が難しい状況になっているようです。生前、その力量の高さの割に正当な評価を得られていなかったばかりでなく、その死後もイマイチ不遇な存在なのは残念な限りです。そんな中でこのDENONレーベルの作品群を完全限定生産ながら復刻してくれたコロンビアには拍手喝采を贈りたいですね!これを機会にChick CoreaのStretchレーベルでの諸作品や1978年のデビュー作「New Birth」やライヴ盤「Steppin'」等々も入手しやすい状態になるといいですね! |