◆Bob Berg/Cycles◆
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Bob Berg
Mike Stern
Dennis Chambers
Don Grolnick

1.Bruze
2.Back Home
3.Pipes
4.Diamond Method
5.Company B
6.Mayumi
7.So Far So
8.Someone to Watch over Me

1988年作品


コロンビア/Denon/COCB53529

●Musicians

Ts.Ss.Bob Berg
G.Mike Stern
P.Don Grolnick(4)
Key.Dave Kikoski
B.Jeff Andrews
Ds.Dennis Chambers
Pipe.Jerry O'Sulliven(3)

●コメント●

 Bob BergのDENONレーベルからの第二弾が本作「Cycles」です。前作「Short Stories」ではDon Grolnickがプロデュースに大きく関わっていましたが、本作ではBob BergとMike Sternが行っています。そしてセッション的な色合いの濃かった参加メンバーも一新され、Jeff Andrews(B)、Dennis Chambers(Ds)といった当時のBerg〜Stern Groupのメンバーが参加、またキーボードにはBergのRandy Breckerクインテットの同僚Dave Kikoskiが参加しているのも目新しい所です。というのもKikoskiはその後長きにわたってBergの片腕として活躍する事になる存在でもあるからです。そういったあたりからもセッション・アルバムとしてはかなりバンド色の強かった前作以上に当時のBerg〜Stern Groupの実情を反映したサウンドに仕上がっていると言うことができると思います。

 そして本作ではBerg以外にもSternやAndrews、Chambers、そしてKikoskiのソロが適材適所、実に効果的にフィーチャーされています。Sternファンとしてはもっと彼のソロが聴きたい部分もあるでしょうが、それはSternのアルバムでのBergも同様ですから仕方のないところでしょう(笑)。とにかく並大抵ではない超絶技巧の持ち主の揃ったこのバンドが。決してそれをあからさまにひけらかす様なプレイに終始する事なく、メロディアスに謳い上げる事に重点を置いているあたりが凄いですね。まあ、本作は比較的Bergのメロウな俗面に光を当てた作品なのでしょうけれどね。個人的にはメロウな面とスリリングなプレイのバランスの取れた次作「In The Shadows」が一番のお気に入りではあるのですが、本作も好きなアルバムの一つですね。決して派手さはありませんが、「歌」に触れた一枚です。

1.この曲は1983年のSternのデビュー作「Neesh」にも収録されていた曲で、そこではDavid Sanbornをフィーチャーした演奏が収められていましたね。ここではBergのジャジーで豪快なブロウがフィーチャーされていて「Neesh」とはまた異なる雰囲気を醸し出しています。続くSternのギター・ソロもダイナミクスの活かし方からソロの構成の巧みさに5年という歳月を感じさせてくれています。Jeff Andrewsのベース・ソロも超絶技巧の持ち主として知られる割には比較的オーソドックスな演奏ではありますが、その片鱗をうかがう事は出来ます。そして最後にソロの掛け合いの形でDennis Chambersのドラム・ソロもフィーチャーされています。当時John Scofieldのグループでの活躍をきっかけにパワー・ドラマーとして脚光を浴びていたChambersの活きのいいプレイも見逃せないところですね。

2.Sternのアルバムにも聴ける様なBerg〜Sternらしい雰囲気を漂わせたベラー℃・ナンバーです。ここではファンキーでブルージーなBergの「歌う」という事に重きを置いたブロウが印象的です。よくMichael Breckerのプレイと比較されるBergですが、テナー本来の鳴りや響きを活かしたプレイはBrecker以上に色濃く「Jazz」を感じさせてくれるプレイを感じます。ここではSternはデリケートなバッキングと想像力豊かなフィルに徹していますが、その個性的なプレイは存在感十分です。

3.バグパイプ(?)によるイントロがとても印象的でユニークなナンバーです。ここでのChambersの叩きだすリズムはSteve Gaddが得意とするようなパターンをプレイしていますが、当時話題だったバスドラのプレイ以外にも実に器用な所を発揮しています。ここでは先発ソロとしてKikoskiの繊細で美しいピアノ・ソロがフィーチャーされています。クラシック音楽の素養を強く感じさせるそのプレイはまだまだ個性的という程ではありませんが、そのテクニックたるや見事としか言い様がありませんね。そしてBergのテナー・ソロもそれに呼応するかの様にとてもメロディアスなものとなっていますが、楽器の特性もあるのでしょうが、対照的に非常に濃密なJazz空間を創出しています。イントロ〜ユニークなテーマのメロディ〜ソロと非常に強く印象に残るトラックとなっています。

4.ドコカSteps〜Steps Aheadに一脈通ずる美しさを持ったナンバーです。こういったbラード・プレイのアプローチを聴いてもBergとBreckerの個性の違いがはっきりと伝わってきますね。ここでもどこかGadd風の淡々としたリズムが感じられますが、Berg〜Stern Groupらしい個性的な雰囲気はイマイチ稀薄で、緻密に構成された楽曲の枠を打ち破れていないといった印象を受けます。ここでもソロはBergのテナーだけです。

5.ある意味Berg〜Sternのハード・フュージョンの流れを強く感じさせてくれるナンバーと医っていいと思います。ここではAndrews〜Chambersの重量感のあるリズムが実に効いていますね。先発するBergのテナーは豪快なフル・ト=ンでファンキーなブロウからテクニカルなフレーズへと盛り上げていてスケ=ルの大きさを強く感じさせてくれます。こそして続くSternのBe-BopフレーズとRockイディオムを巧みに融合した、実にエキサイティングなソロはまさにSternワールド全開といった感じで、もうめちゃめちゃカッコいいです!いかにもフュージョン的なアプローチの楽曲でも決してただそれだけでは終わらせない二人の個性の輝きをしっかりと感じ取る事ができるのが嬉しいですね。

6.再びメロウな味わいのバラード・ナンバー。BergもSternもこういうロマンティックなメロディが本当に好きですよね。しかし歌心いっぱいにじわじわと盛り上げていくBergのソロ構成はやはり見事としか言い様がありませんね。そしてBergのトーンとSternのトーンが絶妙のマッチングを見せているのも忘れる事はできませんね。比較的疎な空間をフワーっと広がりを感じさせるSternの個性はソロなしでも存分に発揮されていますね。

7.うーん、これもなかなかメロディアスなナンバーですね。従来の規制のJazzという概念とはちょっとかけ離れたナチュラルなアメリカン・ミュージックといった雰囲気に溢れています。ここではAndrewsが実にメロディアスで巧みなねー鬆・ソロがソロの先陣を切っています。決して派手な存在ではありませんがメチャメチャ音楽的でさりげなく技巧派ぶりも発揮しているあたりがニクイですね(笑)。続くBergのソロは、実に心地よさそうに伸び伸びと謳い上げているという感じに満ちていますね。こういった辺りに名門ジュリアード音楽院でクラシックのサックスを学んだ片鱗がのぞいている様にも感じられますね。

8.アルバムのラストはキーボードのみをバックに朗々とBergのテナー謳い上げるナンバーです。ここではKikoskiの味のあるシンセ・ソロもフィーチャーされていますが、完全にエレピだけ、もしくはアコピでいっても良かったんじゃないでしょうかね?それにしてもこのデュオというシチュエーションでも、しっかりとしたJazz感覚を伝えてくれるあたりは本当に嬉しいですね。そしてKikoskiとの呼吸も実にピッタリと有っていますね。

 全体的に前作より以上にBergのメロウな面が強くでたアルバムの様にも感じられますが、そんな中でもしっかりと「バンド」の空気を感じとれるのがいいですね。それにしてもBergのテナーはアルバム一枚を通してしっかりと聴き手を引きつける物を持っていますね。決して他のソロイストを多く起用している訳でもないのに、聴き手を決して退屈させないというのは実に凄い事だと思いますね。



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