
| 1.Back Roads |
| 2.Travellin' Man |
| 3.Silverado |
| 4.When I Fall in Love |
| 5.American Gothic |
| 6.Dreamer |
| 7.Nighthawks |
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●コロンビア/Denon/COCB53531
●Musicians
Ts.Ss.Bob Berg
Key.Jim Beard
G.Mike Stern
B.Lincoln Goines
Ds.Ben Perowsky(5)/Dennis Chambers
Perc.Manolo Badrena
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Bob BergのDENONレーベルからの第4枚目(通算6枚目)となるリーダー作が本作「Back Roads」です。共に双頭グループを率いる盟友Mike SternとのコラボレーションもSternのソロ作4枚と合わせると本作で8枚目ということになりますね。実際この双頭グループとしてのアルバムが公式にリリースされているわけではないので、この1986年から1991年に至るまでのそれぞれのリーダー作でしか、その姿に迫ることはできない訳で、後は非公式な音源/映像に頼るしかないんですよ(笑)。しかし、このBergというSaxプレーヤーは聴きこめば聴き込むほどに不思議な魅力を放つプレーヤーなんですよね。Jazzオルガン奏者Jack McDuffのバンドでプロとしてのキャリアをスタートさせて以降、Horace SilverやCedar WaltonといったBe-Bop色の濃いバンドでそのキャリアを詰み、その後Miles Davisグループに加入しているわけですが、元々根っからのBe-Bop系という訳でもなく、かといってファンキーなR&B系でもなく、はたまた生粋のColtrane派という匂いもしない、Michael Breckerとは確か同い年だったと思いますが、まさに新世代のテナー奏者の一人と言っていいのでしょう。しかも名門ジュリアード音楽院でみっちりクラシックのサックスを学んだ、Saxプレーやとしては珍しい音楽エリートと来てるのですから、とてもユニークな存在なのもうなずけますね。ジュリアード出といえば、Jazzアルトの第一人者Phil Woodsがそうですが、Woodsは世代的にもバリバリのParker直系のBe-Bop系だったことを覘けば、そのワン&オンリーなの個性といい、楽器の鳴りのよさ、抜群のよく歌うプレイ、ジャンルにこだわらない自由な感性などなど、その類似点は非常に多いように感じますね。 Michael Breckerと肩を並べる程の超絶技巧を持ちながらも、ある時は縦横無尽の超絶テクニックを聴かせたかと思うと、それを封印してこの飢えなくメロディアスな歌うプレイに徹してみたり、はたまたある時は豪快無比なブロウを展開してみせたり、と様々な顔を見せるBergのプレイは、Michael Brecker以上に捉え所の難しいテナー奏者なのかもしれません。ソプラノでのプレイも同様で、比較的音色やhッ表現法に個性を発揮し辛いこの楽器でも、音色にテナーと共通する個性があるばかりでなく、多くのプレーヤーがColtrane的なアプローチ、もしくはWayne Shorter的なアプローチをする中で、実にマイ・ペースに自らのスタイルをつくりあげている様に感じられます。そして前作「In The Shadows」に続く本作でも、前作の延長線上か、という期待を見事にはぐらかして、実にポップでメロディアスに悠々とプレイするマイ・ペースぶりを遺憾なく発揮してくれています(笑)。中にはSternとのコラボレーションを強く意識させるトラックも含まれてはいますが、同じく1991年に収録されたSternの「Odds Or Evens」ほどではなく、どちらかと言えばSternの色は薄くなってきている印象を受けます。実際、翌1992年の「Virtual Reality」ではギタリストがJon Heringtonに交代していますし、恐らくこのあたりで二人の共同作業には終止符が打たれたのでしょう。そんなことを考えながら本作を聴いていると、聴いている方が妙に感慨深くもなったりしてしまいます(笑)。参加メンバーは基本的には前作同様Stern〜BergグループのDennis Chambers(Ds)、Lincoln Goines(B)が参加、新たにパーカッション奏者Manolo Badrena、1曲のみではありますが、この頃からSternのアルバムにも度々参加しているBen Perowsky(Ds)も参加しています。前作まではSternのギターの存在感が際立っていましたが、本作ではプロデュースにもあたっているJim Beard(Key)がピアノにオルガン、打ち込みにと大きな役割を担っていることがうかがえます。 本作は具ラミー賞にもノミネートされ、BergのDENON時代としては最もセールス的にも成功を収めたアルバムと言えるのかも知れません。 1.ゆったりとしたリズムに乗せてポップなメロディを朗々と吹くサウンドは、そう、まるでKenny Gの路線でも狙っているのかと思える程です(笑)。Beardのピアノ&オルガンはどこかR&Bの匂いも感じさせてくれますし、フワーッとした空間を演出するSternのギターはC&Wの雰囲気も漂わせている感じがしてしまいます。広大なアメリカ大陸の自然を突っ切る直線道路を、ただひたすらゆったりとクルージングしている様なイメージが次々と頭に浮かびます。Stern〜Bergグループの、あの壮絶なライヴ演奏のイメージなんて微塵も感じさせないサウンドではありますが、妙に納得させられてしまう演奏なんですよね(笑)。メロディとメロディ・フェイク風なBergのソロがフィーチャーされているだけの、歌詞のないポップスを聴いている様な気分ですね(笑)。 2.今度はラテンのリズムのナンバーですが、これまたポップ・インストゥルメンタルといった雰囲気の演奏です。哀愁を帯びたメロディもなかなかいいですし、抑えた堅実な演奏もかえって雰囲気が出ているようにも感じます。ここではBeardのメロウなピアノ・ソロが先発していますが、やはりこの人のピアノの腕前はかなりのものですね。そしてBergのソロも決して速いフレーズやエキサイティングなブロウなんかもなく、非常に丁寧にわかりやすいフレーズでじっくり聴かせるという感じです。この演奏も1同様に決して悪くはないのですが、まさかこのまま最後まで位ってしまうんじゃないかって、一抹の不安も感じてしまいますよね(笑)。 3.ようやく、如何にもStern〜Bergらしいハードな香りのするナンバーが登場してきます!お馴染みのユニゾンでのテーマの演奏から、ここではSternが先発ソロを聴かせています。ソロに入るといきなり4ビートのリズムとなって、それに乗せてとてもジャジーなソロが展開されていきます。Sternにしてはおとなし目のソロですが、Be-Bopフレーズを基本に丁寧にしっかりとしたフレーズを紡ぎ挙げていくアプローチは見事です!バリバリ高速フレーズを弾きまくるSternもカッコいいですが、こういったプレイにSternの豊かな歌心をしっかり感じとるのもいいですね!そしてそれを受けてのBergのテナー・ソロも、ここではヒート・アップした入魂のプレイです。パワフルなトーンを活かしたしっかりとしたフレーズの組立から、次第にエモーショナルなブロウへと発展していく様は実に堂々とした貫録十分!決してテクニカルな高速フレーズやフラジオを多用したプレイという訳でもないのに、しっかりとした構成力を印象づけられるというのは、並大抵のことではありません!勿論、Chambers〜Goinesの柔軟で絶妙のプッシュも忘れることは出来ませんね!Stern〜Bergの魅力を存分に発揮したトラックとなっています。 4.Beardによるシンセのアンサンブルとエレピが、実にいい雰囲気を醸し出している、落ち着いた4ビートのナンバーです。ゆったりと実に大らかに歌い上げるBergのテナーをしっかりと浮き彫りにするBeardのアレンジの手腕がとても生きているトラックです。3のエキサイティングな演奏の後ですから、聴き手をしっかりとクール・ダウンさせてくれる感じなんでしょうね(笑)。 5.再びStern〜Bergらいい演奏が飛びだしてきます。Beardのアコースティック・ピアノがここでもとてもいい効果を挙げています。Stern〜Bergのメロウでメロディアスなメロディ、ダイナミクスの効いたメリハリの効いた構成といい、ただハードなばかりでない懐の深さがよく表れた演奏となっています。ここではメロディにテーマにとBergのテナーが全面的にフィーチャーされていて、Sternのソロはフィーチャーされていません。 6.Sternの「Odds Or Evans(1991)」にも、似た雰囲気のR&B風のナンバーが収められていましたが、ここではそれよりも更にKenny Gっぽい雰囲気が前面に押し出されています(笑)。しかしその表現力の高さは正直言ってKenny Gなんかの比ではありませんね。Beardの遠くから浮かび上がってくるようなオルガンがとても印象的ですね。何となくではありますが、ちょっとスムース・ジャズ的な路線をイメージしたサウンドなんでしょうかね?そんな印象もありますね。 7.ラストはまたまたStern〜Berg的なナンバーです。メロウな旋律から巧みなアレンジでハードな雰囲気のソロ・スペースへと切り替わっていくあたりの構成はめちゃめちゃカッコいいです!シーケンサーを使った同期サウンドを巧く取り入れたトラックですね。ここではBergのエモーショナルなテナー・ソロが先発しています。豪快に鳴りまくるフル・トーンのテナーの魅力炸裂といったプレイは本当に素晴らしい内容となっています。続くSternのギター・ソロは、ここではROck感覚をメインにした、これまたとてもエキサイティングなソロとなっています。そしてそのままChambersのドラムが存分に暴れまくる中フェード・アウトしていきます。やはりStern〜Bergはこういうスリリングでパワフルな演奏が最大の魅力ですね! ポップでナチュラルなメロディを、実に大らかに、余裕たっぷりに歌い上げるBergが前面に押し出された形の作品と言っていいのでしょう。Breckerばりの超絶プレイを期待する向きには少々物足りなさも残る作品かもしれませんが、まるで楽器を声のように操り歌い上げるというBergの最大の本質がとてもよく洗われた作品という言い方も出来るアルバムだと思います。そして次作では、更にその路線を推進めた形へと進んでいくこととなるのです。 |