
| 1.Stump |
| 2.Involuntary Bliss |
| 3.Cosmoba Place |
| 4.Pandora's Box |
| 5.Up From The Cellar |
| 6.Marteifio |
| 7.On The Case |
| 8.Unto Thine Own Sele Be True |
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●Epic SONY/Epic/25・8P-5104
●Musicians●
B.Vo.Alphonso Johnson
Key.Vo.George Duke
Key.Patrice Rushen/Ian Underwood
Vo.Flora Purim
Sax.BCl.Bennie Maupin
Ds.Key.Narada Michael Walden
Ds.Leon "Ndugu" Chancler
G.David Amaro/Lee Ritenour/Chris Bond/Dewayne Blackbird McKnight
Perc.Alejandro "Alex" Acuna/Airto Moreira
Ss.Gary Bartz
Key.Vo.Alphonse Mouzon
■コメント■
1970年代中盤から1980年代中盤にかけて、つまりJazz/Fusionの草創期に活躍したベーシストの中でも、このAlphonso
Johnsonの存在は一際まぶしく輝いていました。Jaco Pastorius(B)の前任者としてスーパー・グループWeather
Reportに参加し、その重責を果たすとともに、George Duke(Key)やFlora Purim(Vo)Airto
Moreira(Perc)等とセッションを重ね、ブラック・ファンクやラテン音楽の要素を吸収した個性的なスタイルでJazzからファンク/フュージョンに至るまで実に数多くの重要なレコーディングに参加してきた歴戦の強者という形容がまさにぴったり来るベーシストデス。彼のベース・プレイの最大の特徴は、柔軟で弾力的なプレイから生み出される抜群の躍動感にあるといっていいでしょう。HeadhuntersのPaul
Jacksonのようにアクの強い、粘っこいグルーヴとも違う、またJaco PastoriusのようなR&B/ソウルの系譜の上に立つグルーヴ感とも違う、様々なリズム・フォーマットに順応し、そのサウンドに溶け込みながら、その音楽に最も必要なグルーヴを発揮するというタイプのベーシストといった印象が強いですね。そんなAlphonsoの最も輝いていた時期を捉えてEpicからリリースされた彼自身にとっても初のリーダー作品が本作「Moonshadows」なのです。そしてこのアルバムには日頃より親交の深いFlora
Purim/Airto Moreira夫妻やGeorge Duke、David Amaro、そして数多くのレコーディング・セッションでリズム・コンビを組んでいるLeon
ChanclerやNarada Michael Walden、Alpronse Mizon等がこぞって参加、またHeadhuntersのBennie
MaupinやBlackbird McKnight、そしてMiles DavisやElvin Jones、McCoy Tynerとの共演などで知られるSax奏者Gary
Bartzや売り出し中の新鋭Lee Ritenour等々、実にバラエティに富んだミュージシャンが参加しています。まさにAlphonsoが当時のシーンの中で如何に重要な役割を果たしていたかがメンバーからも透けてみえてくるようですね。
この作品がリリースされた1976年というのはJaco Pastoriusもソロ・デビューを飾っており、そのあまりの衝撃度の高さからこのアルバムの存在はややかすんでしまったかのような印象も受けますが、本作はRockやファンクそしてブラジル音楽をはじめとするラテン系の感覚を強く打ち出しており、才人George DukeやFlora/Airto夫妻を大きくフィーチャーしたナンバーもなかなか聞き応えのあるトラックとなっています。Dukeが係っている分Rock/Funk色が強く出ている印象は否めませんが、後のやたらダンサブルなディスコ調を強調するDukeではなく、かなりプログレッシブ・ロックの色彩を帯びた路線にファンク・ビートを持ち込んだ感じのクリエイティブなサウンドに仕上げられていて、30年近く経った今日でも意外に色あせていないのは、まさに驚きです。またWeather Report在籍時の録音という事もあり、かなりWR寄りのサウンドも興味深いですね。私の持っている国内盤には曲毎の詳細なクレジットが記されていないのですが、ある程度の推測を加えて簡単にご紹介していきたいと思います。
1.ちょっとHerbie HancockのHeadhuntersを思い起こさせるようなファンク・ナンバーです。ずっしり重量感のあるファンク・ビートに乗っていかにもGeorge Duke(Synth)と尾もさせるシンセ・ソロがフィーチャーされ、その後ワウ・ペダルを使ったAlphonsoお得意のパターンのベース・ソロがフィーチャーされています。個人的にはこのワウ・ペダルを使ってのパフォーマンスは、あまり趣味がよいとは思えないのですが、それ意外のどっしりとしたファンク・ベースに伸びやかなトーンでのフィルを織り交ぜてのプレイはめちゃめちゃカッコいいです!!Leon Chancler(?)の粘っこいはいはっと・ワークとAlphonsoのベースのコンビネーションもビシッと決まっていますね!
2.Flora Purimの独特の浮遊感を茂津多ボーカルをフィーチャーした幻想的なイメージを持つパートと荒々しくもWRを彷彿とさせるパートからなるなかなかドラマチックなナンバーです。ここではGary Bartzのソプラノ・サックス・ソロが大きくフィーチャーされています。この人のソプラノはDave LiebmanやWayne Shorterに決してヒケをとらないのですが、今一つ評価されていない感があるのですが、ここでは実にイマジネーション豊かなスバらしいソロを聞かせています。Alphonsoの最大の持ち味ともいえる弾むような躍動感あふれるフレットレス・ベース・サウンドも十分に発揮されているトラックです。ここでの暴れまくる怒涛のドラムはNarada Michael Waldenのようですね。そのせいかWRの「Black Market」を荒々しくしたようなサウンドになっていますね。WRでは自由度が制限されていた感のあるAlphonsoも協力なグルーヴを存分に発揮していて見事です。
3.ギターとベースによるロック感覚の強い印象的なリフに怒涛のドラム・サウンドがなだれ込んできてヘビーな空間を生み出したかと思うとピアノやベースを効果的に使った幻想的なパートが現れたりと、プログレッシブ・ロック的な要素をふんだんに盛り込んだ組曲的な構成が特徴的なナンバーです。出だしの部分なんかの雰囲気はJeff Beckの「Wired」を思わせる雰囲気もあったりしますね。ここでフィーチャーされているギター・ソロもそんな感じのRockフレーバーを十分に感じさせるプレイですね。無伴奏で繰り広げられるAlphonsoのベース・ソロのアイディアもとてもユニークですね。全体的にこの曲の構成や雰囲気からはNarada Michael Waldenが大きく係っているような感じがしてきます。
4.アコースティック・ベース(Stick Bass?)とBennie Maupinのバス・クラリネットによるあミステリアスなイメージを持つ作品。まるで波が寄せたり退いたりするようなゆったりとした幻想的なサウンドが印象的なトラックとなっています。エレピやシンセのトーンなんかの端々にWR=Joe Zawinulの影響を感じてしまいますね。
5.このダンサブルでポップな雰囲気とボーカル/コーラスの使い方はGeorge Dukeお得意のサウンドですね。強力なファンク・パートの部分では何処かHancock風だったりもするのはギターにBlackbird McKnightが参加しているあたりも作用しているのかもしれませんね。どちらかというとAlphonsoのベース・プレイのイメージと、この手のポップなファンク・ナンバーとはイメージが結びつきにくいのですが、Flora PurimとGeorge Dukeのファルセットによるコーラスの部分だけは、案外いい感じに聞こえてくるのですから面白いものですね。
6.Flora Purimのボーカルを大きくフィーチャーしたアコースティック・サウンドが見事に成功しているアルバム中でも屈指の素晴らしいトラックに仕上げられています。ここでもAlphonsoはアコースティック・ベースをプレイしていますが、このあたりのプレイからはAlphonsoがしっかりとしたJazzベースの素養を土台として持っていることを改めて実感することができます。しかしこのトラックでは何よりもFloraのボーカルの素晴らしさが最大の聞き所となっています。波の音や海鳥の泣き声のSEも実に効果的ではありますが、いわゆるJazzボーカルの系譜の中では異色の存在でありながら、十分にJazzを感じさせるFloraの存在感の大きさに圧倒されてしまいます。静かな中に何とも言えない説得力が感じられる名唱です!!
7.Alphonsoのベースの個性がとてもよく現れているミディアム・テンポのシャッフル・ナンバーです。粘っこさと伸びやかさを兼ね備えた抜群の弾力感を持ったAlphonsoのベースの魅力を堪能できるトラックといえるでしょう。ここではAlphonsoのベース・ソロが大きくフィーチャーされています。正直言って音色やそのアプローチはやはり個人的には好みのサウンドではないのですが、バッキングに回ったときのグルーヴ感はたまらない魅力がありますね。そしてその後にフィーチャーされているギター・ソロはフレーズの癖や音色からはLee Ritenourのように聞こえますね。しかし、この時期Ritenour自身のアルバム以外でこんなにたっぷりとソロがフィーチャーされているのは珍しいですし、ソロの内容的にもRitenourとしては珍しエモーショナルでエキサイティングなプレイを展開しているのにもビックリですね。
8.アルバムのラストはGeorge Dukeの色彩が強く出ていますが、メロディもポップで印象的な上に構成もなかなかドラマチックで、Frank Zappaのバンドで培ったいい意味のRockセンスが現れているナンバーといっていいと思います。ソロもDukeのシンセ・ソロガフィーチャーされている以外は、ボーカルによる印象的なテーマの繰り返しなのですが、アルバムを締めくくるトラックとしては十分過ぎる程の役割を果たしているように感じられます。George Duke=ダンス音楽指向=安直なディスコ調のサウンドといったイメージを抱かれる方も多いとは思いますが、これはかなりいいですよ!!
近年リリースされたWeather Reportの「Live & Unreleased」というライヴ・アンソロジーにはJacoやVictor Baileyをフィーチャーしたものだけでなく、本作の主人公Alphonsoをフィーチャーしたトラックも含まれていて、またこれがなかなか素晴らしい演奏なので、是非一聴されることをお奨めします。またライヴ盤ではBilly Cobham〜George Dukeの「Tour In Europe」や1980年のAurex Jazzフェスティバルの「Jazz Of The 80s」なんかでも素晴らしいプレイを聴くことができます。2005年5月現在、本作「Moonshadows」は廃盤状態となっているようですが、ネット・オークションなどでもたまに出品されていますので、中古盤をこまめにチェックされることをお奨めします。