◆Al Di Meola/Elegant Gypsy◆
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Al DiMeola
Anthony Jackson
Lenny White
Steve Gadd
Jan Hammer

1.Flight over Rio
2.Midnight Tango
3.Mediterranean Sundance
4.Race With Devil on Spanish Highway
5.Lady of Rome, Sister of Brazil
6.Elegant Gypsy Suite

1977年作品

●SME Records/Columbia/SRCS 9655
●Musicians●
G.Key.Perc.Al Di Meola
B.Anthony Jackson
Ds.Steve Gadd/Lenny White
Perc.Mingo Lewis

G.Paco De Lucia
Key.Jan Hammer/Barry Miles

●コメント●

 Chick CoreaのReturn To Foreverは第一期メンバーによるアコースティック路線のアルバム2枚を残し、わずか1年足らずで次なる地平へと足を踏み入れていくことになります。恐らくはJohn McLaughlin(G)率いるMahavishnu Orchestraの成功に刺激を受けての事とは思いますが、Stanley Clarke以外のメンバーを一新し、ギターを加えたカルテット編成でRockやFunkの要素を取り入れたコンセプチュアルなアルバム制作を行っています。Chick Corea自身もエレクトリック・ピアノに留まらず鞍美ネットやストリングス・アンサンブル、シンセサイザーを大幅に導入、1st/2ndではほとんどアコースティック・ベースに専念していたStanley Clarkeはエレクトリック・ベースに持ち替え、新たなメンバーとして「Miles Davis/Bithe's Brew」への参加で一躍注目を集める存在となったLenny White(Ds)、そしてBill Connors(G)を迎えてプログレッシブ・ロック的な色彩の強い演奏を行うようになります。そしてBill Connorsの後に加入したギタリストが本作の主人公Al Di Meolaというわけです。フラメンコの手法を取り入れたその超絶技巧のギター・プレイは、あっという間に多くのRockファン、特にギタリストの心を捉え、やや存在感が稀薄だったBill Connors時代とは打って変わり、グループの顔として大きな人気/注目を集めるようになります。1stリーダー作「白夜の大地」はChickをはじめとするRTFのメンバーや天才ベーシストJaco Pastorius等を迎え大きな話題を呼びました。本作はJan Hammer(Key)、Anthony Jackson(B)Steve Gadd(Ds)、Mingo Lewis(Perc)というレギュラー・メンバー(?)ゐ軸に、曲によってはフラメンコ・ギターの巨匠Paco De Luccia(G)を迎え、Di Meolaの個性がとてもよく洗われたアルバムとなっています。今日でも多くのDi Meolaファっbに代表作として親しまれ続けているアルバムです。

 アルバム・リリース当時は、この息をつかせぬ怒濤の超絶技巧の嵐がやや鼻について敬遠していたものですが、後に時間をおいて聴いてみると、確かにそういった面は否定できないながらも、単にそれだけにとどまらない豊かな音楽性も感じられるように思います。当時はSteve Gadd/Anthony Jacksonのリズム・コンビのプレイがとても注目されていたようですが、彼等のプレイとして出色の出来であるかどうかにはやや疑問が残ります。個人的にはJan Hammerのシンセ・プレイの凄まじさに圧倒されてしまいました。「Jeff Beck/Wired」で完全にJeff Beckを圧倒した、あの「ギタリスト殺し」とまで呼ばれたギター・ライクなプレイはここでもDi Meolaと台頭以上の存在感を発揮していますね!前作のChick Corea色から脱却して、思う存分に展開されるDi Meolaワールドに、より一層スリリングでエキサイティングな雰囲気を持ち込んでいるのは間違いなくHammerのシンセ・プレイでしょう!アキースティック・ギターでのPaco De Lucciaとの共演もまた大きな話題となったように、このアルバムに変化とスパニッシュな感覚を持ち込む役割を果たしていますね。

1.ミステリアスな序奏から、ラテン・ロック的な展開を見せ、そして再び最初の部分に戻るという組曲的な構成を見せるナンバーです。メロディもフラメンコの感覚を取り入れた哀愁漂うメロなのですが、いかんせんサラッと一度ギター/エレピ/シンセのユニゾンで演奏されるだけなのでイマイチ印象に残らないのが惜しまれます。序奏/エンディング部のリフの方が頭に残ってしまいます(笑)。ソロはDi Meolaが先陣を切り、その後はDi MeolaとHammerのスリリングなチェイス、そしてLewisのコンガ・ソロがフィーチャーされていますが、Di Meolaのソロはもっと長くても良かったんじゃないですかね?何か語り尽くせないままチェイスに突入してHammerのペースであおられてしまっているような印象を受けてしまいます。Anthonyのテンション感溢れるフィルやベースのフレーズもカッコいいですし、Gaddも健闘してはいますが、もっと自由にスケール・アウトとかしちゃえばカッコ良かったのに・・・。HammerとAnthonyは何度もそのキッカケとなるフレーズを出しているんですけどねえ。その辺りが若干消化不良を感じちゃう所でしょうね。それにじれ御代貸しな決めでの転換はちょっと白々しいかも(笑)。

2.ちょっとポップでメロウな雰囲気を感じさせるナンバーです。この曲ではしっかりテーマのメロが印象に焼き付きますね(笑)。そこからまたまたあざとい決め事でファンク風やフラメンコ調へと展開していく構成となっています。ここではソロというよりも楽曲/アレンジを中心に聴かせるといった印象ですね。吾子スティック・ギターやピアノ、ベースまで動員してバラエティ豊かに楽しませてくれますが、目まぐるしく雰囲気が変わっていくのでちょっと落ち着かない感じもしてしまうのですが(笑)。

3.パーカッションの掛け合いによる序奏からアコースティック・ギターのデュオで、どっぷりとフラメンコの世界に連れていってくれるナンバーです。右チャンネルが先発ソロのDi Meolaで左チャンネルが後発のLucciaでしょうね。両者の超絶テクニックもさる事ながら、そのぴったりと呼吸のあった絶妙のコンビネーションに熱いスパニッシュのハートを感じてしまいます。フラメンコ大好き人間の私としては、もうこのトラックは嬉しくてたまらない大好きなトラックなんです!!

4.のっけからパワフルなリフとあざといテクニカルなフレーズが飛び出してきますが、メロウな雰囲気の部分とテクニカルな部分が交互に姿を表してくるといったいかにもDi Meolaらしい構成のナンバーになっています。テクニカルなユニゾンでのプレイを随所に折り込みながらDi Meolaの超絶技巧と哀愁漂うSantanaばりのプレイを対比させて聴かせてくれるというのが狙いなのでしょうかね?Di 全編Di Meolaが弾きまくる展開で、熱心なDi Meolaファンにとっては嬉しいトラックなのでしょうが・・・・出来れば他の楽器のソロか何かを交えて変化をもたせて欲しかったところです。

5.二本のアコースティック・ギターのみによる演奏。ギターの美しい響きに魅了されているうちにあっという間にフェイド・アウトしていく一分足らずの短い演奏ですが、いやあ、本当に美しいです!引き込まれてしまいます!

6.アルバムの最後を飾るのは9分を超える大作ナンバーです。Di Meolaの定番プレイともいえる怒濤のユニゾン・プレイをふんだんに折り込みながら様々なシチュエーションでこれでもかと繰り広げられるDi Meolaのプレイは確かに圧巻です。出だしのアコースティック・ギターでのフラメンコっぽい入りから甘いトーンでのよく歌うプレイ、トリッキーな早弾きプレイ、怒濤の一人バトル等、次から次へと展開していくDi Meolaワールドは確かにスリリングです。Anthonyのベース・プレイはやはりふレンジャーをかけたこの音色がやはり最もAnthonyらしくて好きだなあ・・・。でも曲の展開が目まぐるしいのでなかなか彼が自由に動き回るチャンスがないのがちょっと残念ではありますが。そして何と言っても後半で登場するJan Hammerのシンセ・ソロの見事なこと!!落ち着いた美しい入りから早弾きを巧みに織り交ぜながらよく歌うフレーズでギター・ライクに迫るそのプレイは、まさに「ソロってのはこう弾くもんだよ。」と言わんばかりのお手本ともいえる素晴らしいソロです!!特にアコースティック・ギターとのフラメンコの雰囲気の部分なんかは思わずぞくぞく来ちゃいますよ!!ギター・ライクなシンセ・プレイという独自の境地を切り拓いた名人ならではの圧倒的プレイです!!

 アルバム全部で40分にも満たない内容なのですが、聞き終わった後のこのぐったりと疲れた感じというのがAl Di Meolaの音楽のある意味典型的な特徴なのかも知れませんね(笑)。聴き手をくぎ付けにする工夫はアルバム全体に満ちていますし、そのプレイも十分それに値する内容なのですが、あれもこれも詰込みすぎという印象は否めません。例えばベース・ソロをフィーチャーするとかメンバー全員のチェイスをフィーチャーするとか、もっとシンプルな発想でも聴き手を引きつける事は可能なように思います。1と6でのJan Hammerのプレイが、ある意味、その答えのような気がしてならないのですが・・・。


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