2002年7月の入浴会


暑さもピークを向かえ黙っていても汗がでる陽気ですね
こんな時は熱いお風呂に入ってクラーの効いた部屋でビール飲むのが最高の幸せを感じますね。

7月の入浴会は14日に15名でこの秋に廃業となる鎌倉館で行いました。
昔ながらの銭湯が無くなっていくのは寂しく思いながらの入浴会でした。
二次会は中華料理とビールで楽しい飲み会でした。



    



会員の野間さんからレーポート届いていますのでご紹介します。

街の銭湯へ入るなどは、本当に久しぶりでしたが、なくなるのが間近だという情報を得て、その前に、鎌倉館へ行けたのは大変ラッキーでした。
鎌倉館では、先ず、高い格子天井に“どきも”を抜かれました。見上げるような空間の拡がりと開放感が何ともいえませんでした。脱衣場も、清潔で、磨きこんだ感じでしたね。
“大入り”と書かれた額縁を上に見ながら、湯船に向うと正面に、富士山のペンキ絵がドーンと迎えてくれます。近くに寄ると、さすがに剥落しかかっているのですが、富士と駿河湾、それに小島の松の木を見ながらの入浴は、こたえられませんね。
洗い場の正面の壁は、タイル張りで、子供むけに動物の絵柄が描かれており、かって、ここで、多くのお父さんと子供が、一緒に身体を洗ったのだろうなと思いました。それに、床は、白と、淡いブルーの交互に敷き詰めたタイルの模様が、大変美しいなと思いました。
湯はジャグジー風呂、黒湯、サウナ、さらに露天風呂まであり、街の銭湯のお風呂としては、いたれりつくせりといった感じでした。私は、露天風呂の大きな石べりに、しばらく仰向けに寝そべりましたが、すごく、いい気持で、特に、ほてった身体に、庭先からの涼風が心地よく、陶然としてしまいました。
庭に繁る、まだ緑の色のもみじの葉が、露天風呂の湯に浮いています。ゆったりとした時間の流れ。こ一時間、私は湯を楽しみ、汗をかきかき、脱衣場に戻りました。何か、飲み物をと、これも定番だと思いますが、『マミー』が、まだ現役で、がんばっているんですね。これを飲むのも、本当に久しぶりでしたが、なぜか、風呂上りにマミーは、ベストマッチングで、実においしいですね。
風呂上りの気持の良さと、開放感からでしょうか、お互いに知った人たちが、「この夏は、どこかいった?」、「こう、暑くてはね。」などと、気軽に話をしています。風呂に入って、世間話に花を咲かせる・・・。人と人との交流が切れかかっている今の時代、とてもほっとする、いい光景でした。なかには、入れ墨姿のおじさんもいますが、気持はゆるんでいるようで、顔が丸くなっています。何の違和感もない平和な空間でした。
「マスコミがきらい」という、番台の女将さんに、別に、取材ではありませんがと、いろいろ聞いてみました。9月の中旬に閉めて、取り壊されたあとにはマンションができるのだそうです。遠くの銭湯へ移らなければいけないお客さんには、申し訳ないのですが、と仰っていました。いろいろ、考えた末のご判断だったのでしょうね。
時代の流れかも知れませんが、まだまだ現役で充分に通用しそうな力を持っているのに、何か歴史が消えるようで、寂しい想いをしつつ、私は、鎌倉館を後にしました。