スプラッシュの画像です

スプラッシュ


ロン・ハワード監督
マンホームの中の人魚の画像です

マンホーム
の中の人魚


日野比出志監督
人魚伝説の画像です

人魚伝説


池田敏春監督

マーメイド

 岩井俊二原作、石井竜也監督の「ACRI」が公開される。人魚をテーマにした作品。江口洋介、浅野忠信、吉野公佳、藤竜也らが出演している。人魚についての映画を思い出そうとしたが、あまり多くは浮かばない。

 すぐ浮かんだのは、ダリル・ハンナ、トム・ハンクスの「スプラッシュ」。ダリル・ハンナは「ブレードランナー」のレプリカント役の暗いイメージから、一転清純な人魚役 を演じ切った。この作品のあとには、ダリル・ハンナといえば、人魚というイメージが焼き付いたほどだ。トム・ハンクスもコメディ・キャラクターとして良い味を出し、ラブ・ファンタジーを盛り上げた。普段は足があるが、水がかかると人魚になるというアイデアはいかにも映画的だった。

 「つめたく冷えた月」(パトリック・ブシテー監督)は、ブコウスキーの短編「人魚との交尾」などを原作に酔っ払いたちのハチャメチャな日々を幻想的に、時に詩的に描く。死んだ女性を海に流すと、人魚となってよみがえるシーンの美しさは忘れられない。

 「マンホームの中の人魚」は日本屈指のB級スプラッター・ホラーだと思う。画家が下水道の中で傷ついた人魚をみつけ、自分の部屋に連れていく。人魚は徐々に腐り始め、身体中から膿が飛び、虫がはいだす。苦しみもがく人魚は、色とりどりの自分の膿を絵の具にして断末魔の自分を描くように求める。低予算ながら、一つの美学を確立している。

 実際に人魚が出てくるわけではないが、白都真理か海女みぎわを演じる「人魚伝説」も印象に残っている。原作は宮谷一彦の漫画。海と戯れる水中の映像の美しさと、ほとんどスプラッターに近い返り血に染まるみぎわの復讐シーンの対比がいい。原子力発電所が地域の文化と人間性をいかに破壊するか、これほど正面から原発を批判した作品は珍しい。

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