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人の情の美(うま)し国

街道と川の十字路、取手宿。出会いと別れの物語は数知れません。文人墨客を厚くもてなした話、旅の途中で怪我や病に倒れた人を世話した話、手当てのかいなく逝った旅人を手厚く葬り供養したという話。しかし江戸時代、行き倒れや素性のわからぬ旅人と不用意に関ることはご法度(はっと)でした。それでも取手宿の人々は、困った人に手を差し伸べずにはいられなかったのです。

そんな情に厚い取手宿が舞台となった物語が「一本刀土俵入り」。作者の長谷川伸(しん)は数々の名作を著した作家ですが、父親の仕事の縁で取手に馴染みがありました。

この作品が初めて歌舞伎で演じられたのは昭和六年(1931)。六世尾上菊五郎と五世中村福助という当代一の役者が、主役の茂兵衛(もへい)、お蔦(つた)を演じ好評を博しました。その時の舞台の書割(かきわり)は江戸の佇(たたず)まいが残る取手の旅籠(はたご)のスケッチを元に作られましたが、あまりに当時の町並にそっくりなので、舞台を見た取手の人が驚いたというエピソードが伝わっています。

「一本刀土俵入り」は、今も歌舞伎、映画、演劇、歌謡などの題材として、普遍の人気を誇ります。光明寺(こうみょう)に長谷川伸の歌碑があるように、取手宿から生まれた人情話は連綿と受け継がれているのです。

千両万両積んでも枉げぬ
  意地も情(なさけ)にゃ弱くなる

小村雪岱描く「一本刀土俵入」舞台装置原画
(序幕第一場:取手の宿我孫子屋の前)
所蔵・写真提供:埼玉県立近代美術館

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