Barong Dance

バロンの踊りは「ガムラン」というバリ島独特の楽器を使用して行われる踊りです。
バリ島の人々は、
「人の心の中には『良い魂』と『悪い魂』がいくつも同時に存在している」
と信じています。

この踊りは、人の心の中にある善と悪の戦いを物語っており、
結果として、善悪両者とも決着のつかないまま生き残るといった内容です。
即ち、「この世には善悪が永久に存在する」ということです。
踊りに登場する「バロン」という動物は良い魂を、また「ランダ」という動物は悪い魂を演じており、
ストーリーは以下の7段階に分かれています。

<< PART1 >>
サデワ王子は、この日バタリドリガという死神の生けにえとして捧げられる運命にありました。
サデワ王子の母親(女王)の2人の召使はとても悲しがっています。
2人の召使の前に死神の使いである魔女が現われ、
サデワ王子が死神の生けにえになることを2人の召使に伝えます。
2人の召使は魔女が去った後、
サデワの国の首相にサデワ王子が生けにえにならない様に助けを求めます。

<< PART2 >>
首相と女王が現われます。
女王はサデワ王子が生けにえにさらされるのをとても悲しがっています。
魔女が現われます。魔女は女王の気が変わるのを恐れ女王に呪いをかけ、
女王に首相にサデワ王子を生にえにするように命じさせます。

<< PART3 >>
首相はサデワ王子を自分の息子のように愛しており、女王の命令にそむこうとします。
魔女はこれに気付き首相に女王と同じ呪いをかけ、
サデワ王子を死神の住んでいる家の前に縛りつけさせます。

<< PART4 >>
シワーの神様が現われます。
シワーの神様はサデワ王子が木に縛りつけられているのを見て哀れみを持ち、
サデワ王子を不死身の身体にします。

<< PART5 >>
死神が現われます。
死神はサデワ王子を見て早く生けにえの儀式にとりかかりたいと思いますが、
サデワ王子が不死身の身体になっているのを見て、自分の敗北を認めます。
死神はサデワ王子に自分を殺してくれるように頼みます。死神は天国に行くことができました。

<< PART6 >>
死神の第一の弟子のカレンは同じように天国に行きたいと望み、
サデワ王子に死神と同じように殺してくれと頼みますが、サデワ王子はこれに同意しません。
そして、カレンは巨大な動物や鳥に変身してサデワ王子と戦いますが、いずれも負けてしまいます。
カレンは最後の力を振り絞って悪魔の女王である「ランダ」に変身します。
サデワ王子はこのままでは「ランダ」にかなわないことを知り真実の神「バロン」に変身します。
「ランダ」と「バロン」の力が対応なため「バロン」は味方を呼びます。

<< PART7 >>
「バロン」の味方が現われ「ランダ」と戦います。
しかし、「ランダ」の魔法にかけられて「ランダ」に対する怒りを全て自分達に向けてしまいます。
「バロン」はこれを見て「ランダ」のかけた魔法を取除きますが、
結局は「ランダ」と「バロン」の終わりなき戦いになります。

最後に踊りが終った後でお寺の僧達が代わりに生けにえを捧げます。
また、踊っていた人たちは清めた水を振りかけます。