日本の社会保障の水準は国際的にみても高い?!


ページ内索引  大蔵省発行の「わたしたちの税制」パンフレットの内容の変化




最近政府が発表する文書で日本の社会保障水準は国際的にみてもかなり高いということが言われています。
  そうすると、マスコミのほとんどとマスコミによく登場する研究者のほとんどがこれに追随します。           
一般国民はそれの真偽を判断する材料を手許に持たないが普通なのでいつのまにか「本当だろう」と信じます。

ここでは「日本の社会保障の水準は高くない」ということを示す材料を載せてみます。




下の図表は「わたしたちの税制」というパンフレット(大蔵省発行 平成8年7月)の3頁に載っています



これを見ると日本の年金は高いということになりますが、一方で下表のような統計もあります

受給権者数 平均年金額/月
国民年金 1687万人 4.5万円
厚生年金  659万人 17万円

各種年金制度の概要/平成9年度財政関係資料集/参議院予算委員会調査編より
  



上のグラフと下の表を併せて考えると次のことが分かります
1 厚生年金よりはるかに受給権数の多い国民年金で比較すると日本の年金の水準は決して高くない
2 グラフの一番左の21.4万円というのは「最近年金を受け始めた例」で高めになるケースである  
3 グラフは「嘘」ではないが誤解を生じるやすいものである。しかも国民の税金を使ったパンフレットで
に載せている。                                                  


                            

大蔵省発行の「わたしたちの税制」パンフレットの内容の変化

平成8年7月発行 平成9年9月発行
税金による収入は厳しい状況にあります
わが国の税収の水準はここ数年、低いものとなっています
わが国の国民負担率は、37.2%となっています
地方公共団体のサービスも、税金でまかなわれています
わたしたちの暮らしのために、税はさまざまに役だっています
国の歳出の内訳
国の歳入の内訳
年金の給付額は国際的にみても高いレベルに達しています
教育費については、これだけの税金が使われています
国の収入(歳入)の約7割りが税収でまかなわれています
わたしたちの暮らしのために、税はさまざまに役だっています
国の歳出の内訳
国の歳入の内訳
財政は厳しい状況にあり、さまざまな問題点が指摘されています
依然として、財政は公債発行に頼っています
公債残高は、急増しています
さまざまな政策を実施する経費が圧迫されています
将来の世代に大きな負担を残します
経済の活力を奪い、その発展を阻害するおそれがあります
財政の健全化は、国際的な課題です
欧米先進国と比べても、最悪といえる状況です
欧米先進国では、すでに財政健全化への取組みが始まっています
わが国でも財政構造改革が待ったなしの課題です
高齢化社会は、もう急速にはじまっています
世界でも例のないスピードで高齢化が進んでいます
若い人が減っていく時代がやってきます
高齢化の進んだ、先進国では、国民の負担が大きくなっています
年金や医療の給付はさらに増大していきます
わたしたちの負担はどうなるのでしょうか
既に高齢社会となっています
世界でも例のないスピードで、高齢化が進んでいます
国民負担率の推移と公共サービス
高齢化の進んだ先進国では、国民の負担が大きくなっています
このまま放っておくとどうなるの?
「タックス・フリーダム・デイ」をご存じですか?
将来へ目を向けた「税制改革」が行われています
「税制改革」の流れ
働き盛りのお父さんに配慮しました
次代を担う世代の負担が重くなりすぎないようにしました
安心して暮らせる豊かな福祉社会をめざしています
さまざまな経済社会の構造変化に対応して、税制も見直しが
 行われてきてます
21世紀へ向けて活力ある経済社会を構築していくために・・
  わたしたちの選択が求められています

わが国の税制の現状はどうなっているのでしょうか

所得・消費・資産等の税収構成比の推移(国税+地方税)
租税負担率の内訳の国際比較
税金の種類
所得税・住民税所得割の推移
所得税の国際比較(*税率構造)
所得税・個人住民税の実効税率の国際比較(夫婦子2人の
 給与所得者
諸外国における消費税(付加価値税)の標準税率
所得減税が、すでにはじまっています
平成7年から、3.5兆円の恒久減税がはじまっています
税率構造が見直されました
課税最低限が、さらに引き上げられました
さらに2兆円の特別減税が上乗せして実施されています

消費税の税率が5%(うち1%分は地方消費税)になります
平成9年4月1日から、消費税率は5%となります
地方消費税が創設されます
中小企業に対する特例制度等が見直されます
付録/橋本内閣「変革と創造」〜6つの改革
付録/税制調査会への諮問
付録/「これからの税制を考える」−経済社会の構造変化に
     対応して


比較すると

1 国債発行残高で危機をあおることをやめた
2 消費税率アップを「無事」やりとげて次を国民に示すため外国の税率を挙げている
3 「税制改革」を超えて「橋本内閣の6つの改革」を紹介している
4 国民負担率を重点的に取り上げて、負担率の増加について「警告」している
5 国民負担率が高くなると経済が破局的な姿になると警告している