'08年6月7日
■今度はクラス会の誘い
  
2年前に40年ぶりに中学校の学年全体の同窓会があった。80名近くの旧友たちとの再会でおおいに盛り上がったものだ。2ヶ月ほど前に今度はクラスだけの同窓会の案内状を受取った。思春期を共にした仲間たちとの思いのほか楽しかった前回の交流を思い起こしながら、即座に出席の返信をした。
■思い出深い道中の風景
 そしてその楽しみの日がやってきた。夕方6時開会で二次会の案内もある。今日中の帰宅は断念した。姫路駅前のビジネスホテルをネット予約しておいた。最寄り駅を3時半頃の電車に乗車し新開地で山陽電車の姫路行き特急に乗り込んだ。最後の特急停車駅の飾磨駅と終着駅の間は、高校時代まで何度となく乗車した思い出の区間である。思わず立ち上がりドアガラス越しに車窓を眺めた。姫路駅から会場である姫路商工会議所まではたっぷり距離はありそうだが時間もたっぷりある。みゆき通り商店街を歩き、国道2号線を右折する。「播磨国総社」の参道前を通過しながら子供の頃に両親に連れられて見物した「三ツ山」の思い出が甦る。会場には受付開始間もない時間に着いた。幹事役を始め数人の同級生が入口前で談笑している。
■17名のオジサン、オバサンの笑顔の写真
 定刻6時に開宴した。残念ながら既に亡くなられている担任の先生の姿はない。女性6名を含め17名の出席者が長方形のテーブルを囲んだ。卒業48年後の同窓会としては三分の一以上もの出席は大成功といえる。自分でも忘れていたが3年5組の級長は私だったようだ。ということで幹事のS君の求めに応じて乾杯の音頭を取らせてもらった。「同窓会の楽しさは共通体験の重なりの多さに比例する。小中学時代の思春期を共に過ごした幼馴染みたちが集まる中学同窓会に勝るものはない。クラスに絞って再開してもらった幹事の皆さんに感謝する」とコメントした。S君の「酔っ払う前に記念写真を」という合図で持参の三脚付一眼レフデジカメがセットされ、オジサン、オバサンのシラフの笑顔が無事納まった。
■個性豊かな級友たちとの懇談
 会食をしながらの懇親となった。二年前に再会したメンバーがほとんどである。それだけに二年前より遥かにスムーズに48年前の世界に戻っていける。九州、東北を転々とした転勤族で定年前にようやく故郷に戻ったというS君は司会役だけでなく煩わしい連絡係等も誠実にこなしてもらい文字通り今回の中心柱だったようだ。今尚地元で稼業の魚屋を営むT君の商売柄とはいえ級友ネットワークの広さと深さに驚かされる。週三回の人工透析を続ける障害者1級のM君の明るさに救われる。3年間の中学時代をいつも同じクラスで過ごしたI君とは重なる思い出も多い。今回の企画の発案者で幹事役も引受けてもらったF君は同じクラスの同級生だった奥さんと一緒の出席だった。中学時代そのままのキップの良さと歯切れの良い相槌で会話を盛り上げるUさん。私自身は忘れていたが軟式テニス部の部活仲間だったNさんは今はひとりで美容院を切り盛りしている東大阪からはるばる駆けつけた。姑さんの永い介護生活をようやく看取ったNさんの前回に引き続く甲斐甲斐しい世話役振りがひときわ輝いている。・・・等々。なんと個性豊かな級友たちだろう。
■カラオケで盛り上がる第二ラウンド
 席を交換しながら、間に近況報告を挟みながらの2時間余りがあっという間に過ぎた。幹事のNさん行きつけのカラオケ店に二次会会場が準備されていた。参加者のマイカーに分乗して会場に向う。カラオケ店のゆったりした一室に13名の顔ぶれが揃った。女性陣は全員参加だ。飲み物、つまみを注文し第二ラウンドのゴングが鳴る。持ち歌やデュエット曲が次々に披露される。思い思いに懇親の続きをする場面もある。私も我々の世代のテーマ曲「高校三年生」でお茶をにごしたり、幹事のIさんとこてこてのデュエット曲「銀恋」で楽しんだりした。カレンダーが日替わりした頃、ようやくお開きの声がかかった。最終的な会費精算では千円札の割戻しまであるという見事な運営だった。女性幹事の会計処理の巧みさに脱帽である。
 Nさんの車に送られて予約ホテルに着いた。これほど永くて楽しい夜を過ごしたのは何年ぶりだろう。心地良い深酒に入浴も備え付けのパジャマへの着替えも省いて眠りに落ちた。