2008年3月例会

 3月25日(火) 大阪歴史博物館の使命と目標
■さくら会3月例会は、川島代表幹事の幅広い人脈のお世話で、大阪歴史博物館の学芸課長によるスピーチとなった。今年の会のテーマである「今、あらためて”大阪・さくら会”」にふさわしい大阪を語り、文化や歴史を語る例会だった。はじめに川島代表幹事から今回のテーマと講師の紹介があり、講師である伊藤廣之・大阪歴史博物館学芸課長のスピーチが始まった。講師の人柄をそのまま表現したかのような誠実で几帳面なスピーチだった。レジュメ、パンフレット等を準備して頂き、以下の概要のスピーチが行なわれた。
【開館と運営】

・名前でよく聞かれるのは府立か市立かということだが、大阪市の教育委員会が所管する市立博物館である。2001年の開館以来7年目を迎えている。前身は1956年開館の大阪城本丸内にあった大阪市立博物館でそれを含めると40年の歴史を数えることになる。
・運営は、埋蔵文化財の発掘等を行なっている大阪市文化財協会が当たっているが、多くのボランティアにも支えられている。
【建設の経緯】
・1985年に発表された大阪市の難波宮跡と大阪城公園の連続一体化構想がベースとなった。
・大阪市立博物館の老朽化に伴う建替え計画と大阪市立考古資料センター新設計画が一本化されて建設が具体化した。
【建物】
・既設のNHKビルの移設後の建物とミュージアムを一体化した日本では初めての試みだった。結果的にそれぞれの機能や特性が相乗効果を発揮することになった。
・米国人のシーザー・ペリ氏を中心とするグループでデザインの建物は、大阪城に向って進む「風をはらんだ帆船」のイメージだ。難波宮跡の遺跡の多い立地であり、設計上の苦労の末に位置と形状が決定された。
・地上13階、地下3階の高さ83mの高層ビルで難波宮や大阪城などの歴史的景観を一望できる。展望レストランの構想もあったが展示場の上には火と水を使用する施設の設置が禁止されたため断念された。
【理念】
・「大阪の歴史と文化を扱う歴史系総合博物館」が基本理念で、建物内部に遺跡を抱えた難波宮のサイトミュージアムという側面もある。運営面でボランティアに支えられた市民参加型の博物館であり、大阪の歴史と文化の情報センターでもある。
【展示】
・展示のテーマは古代から近現代の大阪の都市史であり、4月にはNHK大河ドラマゆかりの「天璋院篤姫展」が開催される。来年1月からは大阪の老舗菓子メーカーのコレクションを初公開した「お菓子の博物館」も開催される。
【学習情報センター「なにわ歴史塾」】
・図書4,000冊、映像100本を常時公開し、蔵書7万冊もホームページから検索して閲覧できる機能をもった「なにわ歴史塾」は、大阪をはじめとした歴史や文化について、何か調べたい時に無料で利用できる学習情報センターである。
・学芸員による学習相談コーナーも設置されている。20名の学芸員は、考古、歴史、美術工芸、民俗、芸能、建築の各分野で構成され、特に芸能、建築という珍しい分野をカバーしているのが特徴だ。
■スピーチの後、参加者との懇談に移った。頂いた資料の中でもとりわけ「元禄時代の大坂絵図」のコピーは興味深いものだった。大阪城から四天王寺一帯にかけて広がる上町台地を中心とした古地図である。上町台地は、古代の難波宮、中世の大坂本願寺、近世の大坂城と日本史を彩った歴史的な史蹟が点在する舞台だった。
 伊藤学芸課長の「四天王寺周辺の上町台地の
西側の活用が今後の大阪のテーマであり、街歩きのお勧めスポットでもある」というコメントが印象に残った。
■料理が運ばれ懇親に移った。初参加は、三浦さん紹介の日本メックス活苡繪タ秋さんと、生原さん紹介の中井さん(すみません!名刺もらい損ねました)のお二人だった。井上さんには、特技のトランプマジックの一端を披露して頂いた。会場からは「井上オンステージ」の例会開催の声があがった。
 また川島代表幹事から3月28日開催の「片岡愛之助・歌舞伎への招待」鑑賞のご案内があり、川畑さんからも3月27日開催の京都清水寺での「正食で甦る命&癒しのコンサート」の無料招待のご案内があった。
 尚、今回の参加者は川島、井上、日高、生原、盛田、三浦、竹内(賢)、裏濱、筧田、岡山、新屋、木下(康)、吉井、川畑、井上(佳)、中井の16名の皆さんだった。

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